経営者の仕事は、社員の努力にレバレッジをかける仕組みをつくること

私が働くDiagonal Run Tokyoの最寄は東京駅なので、毎日構内で迷子になりながら出勤しているのですが、最近迷子になりつつ気づいたことがあります。

駅構内には無数のお弁当屋さんやスイーツショップがひしめき合っているのですが、私が出勤する8時台にはどこも開店しており、なおかつどのお店も早朝とは思えない盛況っぷりなのです。

考えてみれば、東京駅は新幹線の利用者が多い駅ですし、成田行きの高速バスも発着するので外国人観光客が必ずと言っていいほど立ち寄る駅です。

だからこそ通常は10時〜20時の営業時間であるエキュートも、駅構内の店舗に関しては新幹線の始発と終電に合わせて8時〜22時と長めの営業時間を確保しています。

そんなことを考えながら八重洲口に出てきて、もうひとつ気づいたのはそんな中で東京大丸だけが開店していないこと。

調べてみると、大丸は他の店舗と同じく律儀に食品フロアすらも10時〜20時の開店時間を守っていることがわかりました。

新幹線の乗り換え改札目の前の立地であるにも関わらず、です。

「戦術」で上げられる効果には限界がある

私も元・百貨店の人間なので、店舗の営業時間を変更することがいかに大変かということはよくわかっているつもりです。

百貨店は通称「大店法」と呼ばれる大規模小売店舗法によって勝手に営業日や営業時間を変更できないように規制されていますし、なにより店舗で働くスタッフの半分以上が自社の社員ではなく各ブランドから派遣されてきた販売員さんなので、全体の合意形成は非常に難しいものだと思います。

開店時間を伸ばすことで、人件費に対してどれだけ売上が上がるかが明確にわからなければ、チャレンジしてみようとすら思ってもらえないはずだからです。

とはいえ、構内の店舗が軒並み8時開店であることを考えると、時期を決めて実験的に開店時間を早めてみるといった施策の意味は十分ありそうです。
(すでに取り組んだ上で効果なしという結果がでていたらすみません。私のリサーチ不足です。)

現場のバイヤーや販売員にとって、売上10%アップというのはキャンペーンやPRだけではなかなか実現できることではありません。

むしろモノが売れなくなっている今、前年同月比割れしていなければ御の字というところだと思います。

でも、営業時間が早まって新幹線の乗客のお土産需要を拾えたら、大幅な売上アップの可能性があります。

売上をアップさせるのは、細かな「戦術」ではなく、大きな「戦略」なのです。

その判断は、現場の努力の結果にレバレッジをかけられているか

同じようなことは、EC化率の向上でも起きています。

そもそも、人がECでモノを買う障壁はそのサイトのつくりよりも、流通全体のデザイン性の問題が非常に大きいものです。

「ラストワンマイル」と呼ばれる運送会社からお客様へ届ける最後の工程での不便さや、オンライン上でのサイズ感のわかりにくさによって、人はECでの買い物を諦めてしまうのです。

そうした流通全体の欠陥を改善することなしに、サイトのUIUXをいじったところで効果は限定的です。

だからといってそこに注力しなくていいということではなく、せっかくの努力を無駄にしている仕組み自体を問題視しなければならないということです。

そして会社の中でそれができるのは、トップを含めた経営陣のみです。

得てして、日本社会の現場はとても勤勉で一生懸命に努力をしています。

だからこそ努力の効果を高めるためにも、経営陣はその努力にレバレッジをかけられるような意味ある仕組みづくりをしなければなりません。

決断の過程においては「「社長」と呼ばれる、すべての人へ。」でも書いたとおり、必ずしも理解されることばかりではないと思います。

それでも、先を見据えた仕組みづくりは経営陣にしかできない以上、自分の大切な社員たちの努力に報いるという意味で、強い気持ちをもって推し進めなければならないタイミングもあるはずです。

この決断によって、1の努力にどれだけレバレッジをかけられるのか。

会社だけでなく個人の生き方を選ぶ上でも、この問いは常に自分の中に持ち続けたいと思っています。

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【補足】
今回気づきのきっかけという意味で東京大丸の事例をだしましたが、営業時間の戦略についてきちんと調べたわけではありませんし、営業時間を伸ばすべきという主張をしたいわけでもありません。
あくまで考え方の事例として引き合いにだしただけなので、東京大丸の戦略について論じることは、この記事の主旨ではない点をご理解いただければと思います。
逆に「前に期間限定で早めに開店してたよ!」などの情報があればぜひ知りたいです!

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(Photo by tomoko morishige)

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最所あさみ

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