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すべて失ってもまだ、私には「書く」ということが残されている

「離婚してどん底を経験したとき、それでも仕事の原稿は書かなければいけなくて、そのときふと『私にはまだ"書く"ことが残されている』と気づいた」という趣旨のエッセイを読んだのは、いつのことだっただろう。

まだ20歳そこそこの、離婚どころか結婚すらよく理解できていない年頃に読んだはずなのに、このエッセイのことはいまだに鮮烈に覚えている。

それはきっと、どん底のときに現実と戦うための武器は、自分で作らなければならないのだと気づいたきっかけだったからかもしれない。

あのときは、自分が同じセリフを言うとは思っていなかったけれど。

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