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あなたが知らない本当の「エモい」の語源


R1CHARDです。
いつもはゲーム(CALL OF DUTY)に関する記事を投稿している私ですが、本日は別の話題について書いていこうと思う。

昨年2018年の流行語大賞に「エモい」という単語がノミネートされた。
私はびっくりした。
何故かと言われれば、私は10年以上前からこの「エモい」という単語を当たり前のように使用していたからである。

みなさんが知らない、本当の「エモい」が生まれた瞬間の話をしていこうと思う。

本当の語源

「エモい」とは感情が高まったときや感慨深いとき、何とも言えない感情を表現するときなどに用いられている言葉として使われているようである。
これから考えると「エモい」の語源は英語の「emotional」からきているように思われがちだ。
まぁあながち間違ってはいないのだが、私の見解とは異なる。

本当の「エモい」の語源は「emo」という音楽ジャンルだ。
ロックの中の1つで「パンク」や「ハードコア」のように「エモ」という音楽ジャンルが存在する。(位置づけ的にパンクの中の1種という認識で構わない)
このemoというジャンルの特徴として内向的、心情を吐露するような歌詞と切なく美しい、叙情的であり時に激しい。そんなジャンルである。
音楽ジャンルとしてのエモ自体の語源はエモーション、エモーショナルからきていると思われる。


アンダーグラウンドであったエモは徐々にシーンが拡大していき2000年代に海外で1大ムーブメントを巻き起こす。
当時、洋楽志向のバンドで活動をしていた私の周りにも海外のエモシーンからの影響を受けたバンドが数多く存在した。

その中で、いつ、誰が言いだしたかは定かではないが「エモい」という単語は誕生し当時の日本の海外志向のバンド界隈では当たり前のように使われるようになった。

当時の正しい「エモい」の使い方


「エモ」という音楽ジャンルは定義や線引きが難しい。
当時海外で大流行したエモシーンの中心にいたバンドはFALL OUT BOYMy Chemical Romanceなどだが、彼らは非常にキャッチーなバンドでエモ以前のシーンのメインストリームであった「ポップパンク」と呼ばれるバンド達との線引きは非常に曖昧だ。
商業的に成功を収めたバンド達ほどコアなエモファンから「あいつらはエモなんかじゃない」と標的にされた。

商業的成功を収めるエモバンドと対照的に「これぞエモだ!」とコアなエモファンから賞賛されるようなバンドも数多くいたのだが、純度の高いエモに出会った時、我々バンドマンは「あのバンドの新譜、クッソエモくね?」だのライブを観ながら「今のフレーズマジエモいな!」だのと言っていた。
要は「誰がどう聴いてもこれはエモだし、かつクソいけてる!」といったような完成度の高いエモに対する賞賛の意で使用していた。

(余談なので飛ばしてもらって構わないが、皆さん大好きなONE OK ROCKなんかはエモからの影響を強く受けているバンドだと思う。正確にはエモが盛り上がって行く中でシャウトを多用するバンドが増えてきて、エモの派生形としてスクリーモ(scream + emo)というギャグみたいなジャンルが生まれた。そして死ぬほど流行った。ONE OK ROCKはこのスクリーモシーンを牽引した「STORY OF THE YEAR」などの影響が強いと勝手に思っている。
また彼らが海外盤をリリースしているレーベル「Fueled by Ramen」はFALL OUT BOY、Panic! At The DiscoParamoreなどエモブームを代表するバンドが数多く所属するレーベルである。
また最新作にてスクリーモの先駆け的存在のFinchのボーカルをゲストに迎えるなどしていた日本のクソいけてるエモバンド「Survive Said The Prophet」の今後にも個人的に注目している)

「エモい」の派生

間も無く、バンドマン達の間で「エモい」は派生する。
女に振られた話を聞けば「うわ、それはエモいな…」だのやむなく解散するバンドの身の上話を聞いては「エモすぎだろお前ら…」だのと言っていた。
現在の使われ方と同じ「胸が締め付けられるような、切ない気持ち」を表す言葉として。

本来、純度の高いエモバンドというのは切なくて、たまんない気持ちにさせてくるようなバンドだ。
私が伝えたいのは「エモい」という言葉が生まれた背景にはとんでもなく切なくてカッコいい「emo」という音楽ジャンルの存在があったという事だ。
「emo」無くして「エモい」はありえないのだ。
こんな「エモい」がまさか女子高生の流行り言葉になる日が来るとは思ってもみなかったが。
きっとどこかの「エモい」を連呼しているバンドマンと付き合った女子高生が使い始めたんだろう。多分あってると思う(猛爆)



最後にエモの代表曲を何曲か貼っておくので気になった方は掘り下げていってほしい。

Jimmy Eat World-Work
エモブームの火付け役であり誰もが認めるエモの王様。
私が1番好きな曲はこの曲。

そしてemoを代表するアンセム「sweetness」

Waking Ashland-I Am For You
エモの中でもピアノを多く取り入れた「ピアノエモ」という派生形が存在する。(美しい音を奏でるバンドが多い。)
ピアノエモを代表する1曲。


Story Of The Year-Until The Day I Die
激しい音を求める方にはスクリーモブームを代表するこのバンド。
ステージパーフォーマンスがバカみたいにカッコよくて、みんなこぞってマネしていた。


探せばSpotifyやApple Musicでもemoのプレイリストはいくらでもあるので探して聞いてみてほしい。(なんと便利な時代…)


おまけ

エモが2000年代に1大ムーブメントになった時代、エモは若者の間でカルチャーとしても浸透し、「エモキッズ」と呼ばれるキッズ達が登場した。(女子も含む)

ギャル男のようでもあり、ビジュアル系のようでもある。
私の中でのこのエモキッズたちの先駆け的な存在が、下の写真の彼である。

この写真の真ん中の少年。
彼こそが…

後のスクリレックスである(猛爆)

彼がFrom First To Lastのボーカルとしてデビューした当時は確か14歳だったはず。
当時の彼はバリバリのエモファッションだったが、当時まだエモはムーブメントと呼ぶほどの盛り上がりではなかったので、かなり先取り感が強い。
その後彼はバンドを脱退し、気づけばEDMの世界でトップスターになっていた。
スクリレックスが EDM界でも一際激しい音を鳴らすのは、元々もっと激しい音を鳴らしていたからである。しっくりくる。

最近たまにFrom First To Lastに復帰したりしてる。
クソいけてる。

音楽も、ストーリー知ってると楽しめる部分って山ほどあるよね。

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