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「西部警察Part2/Part3」よりも初期「西部警察」「大都会PART3」が好きな理由は“カーアクション”の濃さにあり

衝撃的だった「大都会PART3」のカーアクション

昭和40年代生まれの筆者が小学生のころ、学校から帰ってくる15時から16時台はだいたい刑事ドラマか2時間ドラマなんかの再放送をやっていた記憶。
中でも「大都会PART3」(日本テレビ系・石原プロモーション製作)は、小3か小4だった筆者に強烈な印象を残しました。
なにせとにかく毎回必ず「セドリックが壊される」のです。

■番組は日産が最新モデルを車両提供

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写真は大都会Part3放映時の最新モデル「日産 セドリック」(330型)

番組は日産が車両提供を行っていたため、通常の捜査シーンで使われる覆面や白黒の各パトカーは、いずれも当時最新のセドリックがメインであてがわれていました。渋谷病院の救急車も最新のキャラバンだし、白黒パトカーには、高速機動隊風のフェアレディZ 2by2もありましたね(のちに簡易塗装で塗り直され、若き石原良純氏の愛車として払下げられたらしい)。

■バータイプのパトランプは制式採用よりも大都会Part3が先だった!?

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こちらは本物(?)の日産 スカイライン パトロールカー(高速警備隊仕様)

白黒パトカーの屋根に載る、アメリカンポリスを想わせるバータイプのパトライトは今でこそ当たり前ですが、確かリアルな警察での本採用より前に、まずこの番組から始まったと記憶しています(記憶違いならどなたかご教示を)。

古いセドリックが現れたら待望のカーアクションシーンが始まるフラグ!

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そんなカッコいいパトカーが大活躍する大都会PART3。ところが交差点を曲がった瞬間、最新モデルは丸目ライトの旧モデルへと早変わりしてしまう不思議。しかもコラムシフトの簡素な仕様、今思えばタクシー上がりのくたびれたスタンダードグレードでした。

それでも観ている僕らは「よ、待ってました!」
激し過ぎるカーアクションシーン開始のフラグでした。

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大都会Part3放映時は先代モデルだった「日産 セドリック」(1971~1975)の「スタンダード(STD)」は、主にタクシーや教習車などで用いられた廉価なビジネスグレード

サイドバイサイドで激しくぶつかり合うシーンや、屋根に飛び乗るシーンなど、普通に刑事役の寺尾聰さんとかがスタント無しでやっていましたね。
今思うと凄いことです。
で大抵の場合、路肩で行われている工事現場に片輪を乗り上げ、黒パトのセドリックは横転&クラッシュ!
犯人にまんまと逃げられたりしてしまうのです。嗚呼。
ともあれ、毎度お約束なカーアクション&クラッシュシーンがお楽しみのひとつとなっていました。

「大都会PART3」のフォーマットは局の壁を越え「西部警察」へ移行

そんなカーアクションシーンに興奮していた筆者。大人の事情で大都会シリーズがフォーマットもそのままにテレビ朝日へ移籍し「西部警察」としてスタートしても、やはり初期のころはセドリック(&兄弟車のグロリア)同士のカーアクションシーンが定番となっていました。

■シリーズを重ねると次第に派手なマシンや爆破ロケに重きを置くように

ところがシリーズも100回を超えPART2、PART3と進むうち、日産の提供車両もエスカレート。真っ赤なスカイラインRS軍団やゴールドのスーパーZが主役として登場したのです。もはや戦隊ヒーローモノの世界。いち所轄署にこんなマシンが配備されるほど重大な凶悪犯罪が多かった西部署って、いったい…。

■いっぽうでカーアクションシーンはトーンダウン

しかしスーパーマシンの登場と同時に、カーアクションシーン自体はなぜかトーンダウン。各スーパーマシンはぶつかり合うことなどもちろん皆無だし、ドリフトやスピンターンのようなスーパーマシンの見せ場シーンもあまりなし。番組の演出自体、地方ロケでの派手な大爆破シーンへ重きを置かれるようになったのです。

観たかったのは「大爆破」よりもシンプルな「カーアクション」

後期「西部警察」シリーズにおける大爆破シーンは、全盛期の石原プロモーションらしい痛快さがあってそれはそれで確かに大好きなのですが、いっぽうでなぜだかどこか物足りない気持ちになります。

けっきょく、あのぼろいセドリック同士で繰り広げられていた男くさい肉弾戦こそが、筆者にとっての全ての原点だったということでしょう。

だからなのか、いま改めてDVD(大都会シリーズ、西部警察シリーズ共に全巻揃ってます!)で繰り返し観ているのは、小学生の頃に衝撃を受けた大都会PART3や、西部警察の初期作品ばかりなのでした。

カーアクションシーンの聖地、それは港区芝浦だ!

ところで、古いセドリックが現れるとカーアクションシーンが始まる法則とは別に、もうひとつのフラグがありました。それはロケ地。片側2車線の広い直線路を観ると「お、なにかが起こるぞ」とわかるのです。
無線では「犯人は海岸通りを走行」「山手通りを五反田方面に逃走中」「目黒通り」「渋谷付近」などといろいろ言っていても、けっきょくいつものあの通りじゃん(笑)。それが港区芝浦の旧海岸通り

■割といつも同じところでぶつかり合う不思議

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“いつもの道”は、芝浦1丁目交差点からヤナセ本社前を通り、同2丁目交差点に至るおよそ1キロ程度の直線区間。その後の「西部警察」シリーズでも登場するこの道を大人になって通過した時にはたいそう感動したものです。

40年以上経った今でも、ヤナセ前の“いつもの道”は当時の面影を少しだけ残しています。中でも西部警察にも何度も登場した、中間地点にあるボーリング場「東京ポートボウル」は今もほぼ当時のまま。いつ新しく建て替わるかもわかりませんから、早めに訪れておくことをオススメします。

本noteでは、そんな「大都会」シリーズや「西部警察」シリーズのロケ地をメインに書いてみたいと考えています。あまりにもニッチ過ぎる話題ですが、どうぞお付き合いのほど。お手元に「西部警察」DVDやブルーレイをお持ちの方、配信動画をご覧の方は本稿と併せてご覧いただけると、さらに楽しめる…かも!?

▼西部警察ロケ地巡り、まずはコチラからご覧ください▼


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