見出し画像

「センスやテイストだけで決めない デザインの会話のためにすること」を受講して

クリーク・アンド・リバー社大阪支社さんで開催されたWebディレクター向けのセミナー、長谷川恭久さんの「センスやテイストだけで決めない デザインの会話のためにすること」に参加してきました。

【追記】 長谷川さんのサイト「 could 」 で、このセミナーのフォローアップ的な記事が公開されました。ー> デザインを決めて進めるために必要なこと

事前にみた告知ページで、「ディレクターとして本来しなければならない デザインの会話をするためのヒント」とあったとおりに、内外問わずディレクターがしっかりと手綱を握ってプロジェクトの指揮をとるのに必要な事が、小一時間で語られました。

長谷川さんのお話は、いつも必要十分な量をコンパクトに、たんたんと、理路整然と、ほどよい事例を交えて語られるので、安心してどっぷりとすなおに聞けます。前を陣取って、じいっと聞いてしまって、すみません(汗)。

(必要以上にドラマティックな話し手だと、聞きながら自分の中で再構築するのを邪魔されるようで、思想系のお話を聞くときはなじめなくて。技術系の話ならかまわないんですけれど。)

さて、その内容について、乱文ではありますが、ここは note ということで、感じ入ったところを書き残しておきます。

今回のセミナーは、冒頭と終わりに来たセリフ 「決めて、進める」にすべてが集約されていました。前提となる基準・基盤をしっかり固めて定めて、それに照らしながらプロジェクトを進めるということでした。

お話を聞いて、前提となる基準・基盤とは、プロジェクトに対する意識づけなのだと理解しました。プロジェクトに対して「このプロジェクトはこうなんだ」とイメージを具現化することなんだなと。

具現化したイメージをプロジェクトのみんなが共有することが大事なんだと。そのイメージを常に頭に描きつつ、プロジェクトが進められたならば、みんなが向いている方向が同じなので無駄な行動はずいぶんと抑えられるでしょう。

しかし、そのイメージを具現化するのは、思ったよりむずかしいことだとも思いました。

お話にもありましたが、「カワイイ」と聞いてイメージするものは、人それぞれで違うからです。例えば、↑の写真。美味しそうと思う人もいれば、形が可愛いと思う人もいるでしょう(私は両方感じた結果、一目ぼれしてこれを購入しました)。同じものを見ていても、受け取り方はみんな異なるのが自然なのです。

「立場が違えば、正しいも優先順位も違ってくる」
「しかし、同意できなくても共感はできる」

と語られました。

プロジェクトが何者なのか?を事前にメンバーみんなで話し合い、言葉や図や写真などを使って、極力具体化する努力を重ねれば、きっとメンバーの意識が同じ方向を向くようになるだろうと、事例を交えながら語られました。

例としてあげられたページ ChatWorkサイト全面リニューアルでの4つの重要ポイント の「トーン&マナーでメンバー間のズレをなくす」も参考になりそうです。

次に挙げられたのが、「デザインが話せるように工夫する」ということでした。

これは、専門的にデザインの勉強をしていないディレクターが、デザイナーが作ったデザイン案を見る時という例を使って語られました(写真は、話を聞きながら私が想像してたイケてないディレクターのイメージ)。

「批判」はせず、「批評」をすることが大切、という所から話は始まりました。

批判は、「誤りや悪い部分を指摘し、改善を求める」ことです。批評は、「相手を理解し、評価し、助言すること」です。つまり、単にダメだしのような批判をせず、相手の意図をよく理解した上で、建設的な意見を述べる=批評をすることが大切なのだということでした。

デザイナーが作ったデザインの意図・背景をじっくりヒアリングした上で、自分なりにそれを解釈し、プロジェクトのイメージに外れていないか?軌道修正は必要か?などの問題点を拾い出していく…この方法なら、デザインの専門家でなくても、大きく的外れなことにはならないだろうと思います。

お話を聞きながら、クレーム対応みたいだなと思っていました。以前、そういう仕事をしていたのですが、クレーム対応の世界でも、「まず相手の話をじっくり聞く→問題点を理解する→できる範囲の対応をする」という手順を踏んでいました。初動で、相手の思いや背景をどこまで理解できるかが、クロージングできるカギだったのです。

最後の締めくくりには、こんなことを話されました。

決めて、進める。このやりかたがうまくいくまでに1・2年はかかるけれど、やめなければいつかはうまくいくだろう。」と。

その言葉に、ハッとなりながら、ありがとうございましたの拍手を送っていました。理論では理解できていても、リアルに実践するのはなかなかの困難なんだなと実感したからです。でも、やりきった後には、スムーズに流れるプロジェクト進行が待っているのであれば、やるべきなんだなとも思いました。

短い時間ではありましたが、いろいろと考える機会を頂けて感謝します。
ディレクターでなくても、仕事を進めるうえで大事なことが含まれていたように思います。
ありがとうございました。(^^)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?