2011年 3月11日 22歳

2011年4月1日

私の新社会人1日目の日付である。
そんなヒトはたくさんいるが、
きっとそれぞれに深いドラマがあると思う。
それくらい 2011年3月11日の影響力は強大で
4月1日はあまりに近すぎた。


2011年3月15日
大学の卒業式は中止(公には自粛と発表された)

2011年3月18日
新任の職場オリエンテーションは予定通り行う


2011年3月11日はひとり、ひたすら引っ越しの準備に追われていた。
3月12日が卒業する大学近くのアパートから
新卒の職場近くのアパートへ引越しの日だったから。

現実は延期になった。

手伝いに来るはずの両親が来られなくなったから。

3月17日
無理をして両親が駆け付けてくれた。そして延期になっていた引越しを。
頼んでいたレンタカー屋さんも、
不動産屋さんも、両親もみんな優しかった。
神奈川の大学から埼玉の職場へ
埼玉の道は計画停電が多く実行されていて、信号が止まっていたっけな。
もちろん電車もちゃんと動いていない。
最寄りの路線は運行停止中だった。

引越しが終わったのはその日の夜。
一人。
おなかがすいたから、近所のスーパーへ行くと電気がついてなかった。
昼間見たときには「24時まで営業」と大きく書かれた看板に
たくさんのお客さんが集っていたのに。
省電力の関係で閉店時間が早まっていたのだ。

涙が出てきた。

引越してきた当日で、他のお店なんてわからない。
引越しの荷物に食べ物なんてない。

もう、駅に向かう気力も体力もなくなって
道もわからないから、迷子になりながら、
家に帰って、すぐ寝たね。
ベッドでも涙が流れた。

辛い。寂しい。
なんて言えなかったな。
私より辛く寂しい人で、あの日はあふれていたから。


2011年4月1日
入職式のリクルートスーツは似合ってないし
職場で迷子になるし
2011年4月2日
渡されたロッカーの中には腐ったリンゴの皮だけが入ってるし
デスクには謎のシールが貼ってあるし

まあ、いろいろあったね。


2019年 いま
苗字は変わって、でもおんなじ職場にいるよ。

わたし、大丈夫だよ!

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