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大阪市の中学校が修学旅行を実施へ、ウィズ・コロナへ方向転換が必要な時期に差し掛かったのでは

大阪市の松井市長が緊急事態宣言下でも私立中学校の修学旅行を実施すると表明されました。大阪府は現状は蔓延防止等重点措置が適用されていますが、8月2日から緊急事態宣言が適用されます。緊急事態宣言は感染症の拡大防止を目指す手段であり、行動自粛を促す意味を含んでいます。大阪市が修学旅行を認めるのはこの緊急事態宣言に真っ向から反対する姿勢であるのは明らかです。日本維新の会から政府への宣戦布告するかのような内容です。

大阪市は国民感情に沿った判断をされた思います。確かに緊急事態宣言はもはや行動を抑制する効力を失っています。国民は既にウィズコロナの生活に慣れました。科学的に思考できる多くの人々は感染症対策を怠っていません。それでなお抑制された生活を強いられる道理は無いと考えてしまいます。ワクチン接種も効果を発揮しています。検査陽性者数が増える一方で死者数は減少し続けています。ワクチン接種を条件として感染症の危険性は当初より非常に小さくなったと考えられます。

修学旅行を許可する対象が中学校であるのも重要な点です。修学旅行を実施するのは3年生であり、つまり受験生です。大阪市の中学校は既に4月の予定を繰り上げているそうです。8月を逃して秋以降に実施するとなれば、高校受験の準備でそれどころではなくなるでしょう。誰もが経験する一生に一度の思い出を作る機会を与えられないのは大人としては心苦しいです。世の中にはバーチャル修学旅行のような工夫をしている学校もあると聞きます。しかしバーチャル修学旅行でどれほどの非日常感を味わえるでしょうか。自分たちが経験した修学旅行を子どもたちにも与えたいと思うのは普通な感情です。

一方で、やはりまだ我慢し続けるべきだとも考えます。死者数は減っていますが、重傷者や入院患者数は増え続けています。医療リソースを逼迫させかねない状況であるのはデータを見る限りは間違いなさそうです。ただし、今までどおりの行動制限が、現状で流行しているインド株による感染者の抑制に繋がるかは疑っています。実は全く異なるアプローチが必要だったりしないでしょうか。そうでなければ過去最高と言える感染者数が生じる理由が分かりません。

もういちど感染症対策の内容を見直す時期が来ている気がします。それはおそらく新型コロナウイルス感染症をワクチン接種で抑えられてかつ、罹っても治る病気だと再定義しなおす必要性です。日本は勇気ある方針転換が必要な局面に立っていると思います。その点において、松井市長はリーダーとして大きな決断をされました。

私は医者でも科学者でもありません。正確な判断ができない立場であるのは自覚しています。政府と大阪市のどちらが正しいのかは結果からしか分かりません。少なくとも今が新たな局面になっていると認識する必要はありそうです。今まで以上に最新の情報を正確に掴む努力を怠らず、よく考えて行動しようと思います。

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