見出し画像

アメリカ議会で続く反対論、北京オリンピックはオリンピズムに反する?

昨日も東京オリンピックは盛り上がりました。サッカー男子では欧州でも指折りの実力を擁するフランスに4対0で勝ちました。野球はドミニカに逆転サヨナラ勝ちをしました。体操では橋本選手が金メダルを獲得しました。競泳では大橋選手が金メダル、本多選手が銀メダルを獲得しています。連日のように嬉しい話題が続いており、つくづくオリンピックが開催されてよかったと感じています。

東京オリンピックが盛り上がる一方で、同じオリンピックでも不穏な空気になっているのが北京オリンピックです。北京オリンピックは来年の2月に開催予定になっています。しかし、あまり歓迎される雰囲気ではありません。

東京オリンピックも直前まで中止を求める声が多かったので、中止論はオリンピックの風物詩だと理解しています。しかし北京の場合は事情が異なります。北京開催に反対しているのは国民ではなく、自由主義諸国です。

産経新聞朝刊の3面に「北京五輪支援、5社非難」という表題の記事が掲載されていました。5社とはオリンピックのスポンサーであるコカ・コーラ、ビザ、エアビーアンドビー、インテル、プロクター・アンド・ギャンブルです。アメリカ議会の「中国問題に関する米連邦議会・行政府委員会」が5社を招いて公聴会を開き、厳しく非難したというのです。中国では政府による新疆ウイグル自治区への大量虐殺が行われているからというのが理由です。

中国共産党による新疆ウイグル自治区での大量虐殺は多くの証言と有力機関の調査により、ほぼ事実であると認定できる状況です。一方でオリンピック憲章には以下のように書かれています。『オリンピズムの目標は、あらゆる場でスポーツを人間の調和のとれた発育に役立てることにある。またその目的は、人間の尊厳を保つことに重きを置く平和な社会の確立を奨励することにある。』果たして大量虐殺によって政治や国益が保たれている国で人間の尊厳を保つこと重きを置く平和な社会の確立を奨励することなど出来るのでしょうか。

東京オリンピックの開会式では小山田圭吾氏が過去のいじめを反省していないとされて辞任に追い込まれました。森喜朗氏は女性の話が長いと言っただけで辞任に追い込まれました。それほど人権に敏感に反応していて聖人君子しか受け入れないような組織が、強制労働と大量虐殺によって支えられている中国でオリンピックを開催するのは違和感があります。

私は常にアスリート・ファーストの立場で考えます。選手が活躍する場が提供されるのが何よりも重要です。政治と切り離して考えるべきなので、本来は無視したい話題でした。しかし北京オリンピックに関しては立ち止まって考えざるをえません。選手の活躍の場が強制労働や大量虐殺によって支えられているとあれば、それは選手や観衆にとっても不幸だからです。

おそらく北京オリンピックは予定通りに開催されるでしょう。日本のマスコミも涼しい顔をして盛り上がらせるのだと思います。果たして北京オリンピックがどの様な雰囲気の大会になるのか、今から心配です。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?