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パートナー(代理店)との共同マーケティング施策まとめ②

皆さんこんにちは。
パートナーセールスの葛西です。

先週はパートナーとの施策としては鉄板である「共同マーケティング施策」について、まずは前編(①)として、共同マーケティングを行う意義・目的や具体的な共同マーケティング施策の種類についてまとめさせていただきました。
※前編のnoteはこちら

今週は後編(②)として、共同マーケティング施策を行う上でのポイントとMDF(マーケティング・デベロップメント・ファンド)について、そして最後のまとめを書かせていただきます。


共同マーケティング施策を行う上でのポイント

1. パートナーの既存顧客・ハウスリストの相性チェック

パートナーの既存顧客およびハウスリストの属性と自社プロダクトのターゲットが合うかどうかというポイントは、共同マーケティングを行う上での大前提の重要なポイントです。

ただし、以前書いた「重点支援すべきパートナー企業の選び方」のnoteでも書かせていただいたように、そもそもパートナーの既存顧客およびハウスリストと相性が良くない場合、重点的に支援するパートナーに最初から入っていない、もしくはそもそもパートナー契約を結んでいないという可能性も高いかと思いますので、その場合は再度チェックする必要はありません。
あくまでパートナーの既存顧客およびハウスリストとの相性チェックができてない場合に、まずは確認するようにしましょう。

2. アプローチトークスクリプトの用意

獲得できたリードに対するアプローチトークスクリプトやFAQ等を用意していただくと、非常にパートナーの営業担当の方々から喜ばれるのではないかと思います。

ただし、獲得リードにアプローチするパートナー側の営業担当が既に自社商材に対しての知見が完全にインストールできているようであれば不要です。
一方でまだそのレベルまで至っていない場合は、パートナー側の営業担当の心理状態としては「サービス内容やメリットをしっかり話せるのだろうか」「質問されたら答えられないのではないか」というような不安な気持ちでいっぱいかと思います。だからこそ、その不安を解消してあげるためにも、集まったリードに対するアプローチトークスクリプトやFAQを作成してお渡しする、アプローチ方法に関するショート勉強会を開催するなどの対策を実施されると良いでしょう。

3. アプローチ状況のモニタリング

集まったリードに対するアプローチ状況のモニタリングをしっかりと行うことは極めて重要なポイントです。しっかりアプローチしてもらえてるかどうかのモニタリングはもちろんですが、「商談獲得に至らなかった理由」を明確にすることが非常に重要です。
理由としては、「どういうアプローチトーク・切り返しトークなら商談獲得につながるか」「どういうコンテンツであれば商談獲得につながりやすいか」等、より効果を出すためのPDCAを回していくためにも絶対に抑えるべきポイントであるからです。

また、アプローチ状況のモニタリングについては、2.に書いたトークスクリプトやFAQとともにスプレッドシートで共有し、アプローチ状況を可視化すると良いかと思います。
理由としては、「しっかりと獲得リードにアプローチしてスプレットシートの更新もしてくれる営業担当=自社商材の拡販に前のめりな営業担当」というサインとなり、抑えるべき営業担当がわかるためです。

加えて、誰がそのスプレッドシートにアクセスしているのかをアクティビティダッシュボードで可視化もできるため、「アクティビティ上位の営業担当=アプローチしようとはしてくれている=つまりは、提案に前のめりである営業担当」という方程式が成り立ち、抑えるべき営業担当が可視化できるため、共有スプレッドシートでのモニタリングが有効的であると考えています。

4. 専任のアプローチ担当を置いてもらう

専任のアプローチ担当を置いてもらうことで専任担当とのコミュニケーションのみで原則完結できるようになるため、アプローチ状況のモニタリングが簡素化できたり、その専任担当とより細かくPDCAを回すことができたりしますので、専任担当を置いていただけるようであれば非常に有効な手段といえます。

加えて、専任担当を置いてもらうことで、自社が展開する商材の営業スペシャリストの育成・創出にも繋げられる可能性が高いです。

5. パートナーの事業収益への貢献度をKGIに置く

前編の目的①で、「パートナーの」顧客獲得支援と書かせていただいたように、「自社商材を拡販してもらう」というような自社本位(自分本位)な考え方・視点になりすぎないように注意しましょう。自社の利益をいかに上げられるかに焦点を当てすぎると、当然のことながらパートナーさん側に嫌われてしまいますし、パートナーさんの事業成長にいかにコミットできるかがパートナー戦略において最も重要なポイント・重要な視点であると私は考えています。

パートナーさんとの共同マーケティング施策の成功(追うべきKGI)とは、「パートナーさんの事業収益の向上にいかに貢献できているか?」というのが最も重要なKGIであると私は考えています。ですので、各マーケティング施策で獲得できたリードのうち、自社商材に限らず他商材も含めてどれだけの契約件数・契約金額に繋げられたのかを追う(しっかり把握する)というのが非常に重要であると考えています。
※現職でも、パートナーさんとの共同マーケティング施策を行いますが、例えば共催セミナー経由で獲得できたリードで、現職の商材ではなく他商材の受注が生まれたというケースもがあったりします。

MDF(マーケティング・デベロップメント・ファンド)について


MDF(マーケティング・デベロップメント・ファンド)とは、パートナー企業のマーケティング活動を支援する資金のことです。パートナーさんとの共同マーケティング施策を実施するにあたり、あらかじめそれ用の予算が用意されていれば、投資対効果を考えた上で施策を実行することができます。

現に、パートナー戦略に注力している外資系企業では、MDF(マーケティング・デベロップメント・ファンド)と呼ばれるパートナーのマーケティング活動支援の予算が直販とは別で用意されていたり、直販のマーケティング担当とは別でパートナーマーケティングというポジションがあったりします。

一方で、日系のSaaSベンダーではMDFはまだ一般的に浸透していません。浸透していない理由としては、日本市場においてパートナービジネスに成功しているSaaSベンダーがまだまだ少なく、圧倒的に直販文化のが強いことが大きな要因かと思われます。それ故に、直販のマーケティングとは別枠でパートナービジネス用のマーケティング予算を確保するという概念自体がまだ出てきていないというのが現状かと思います。

しかし、 SaaS事業におけるキャズム越えにはパートナービジネスは必要不可欠です。そのため、パートナービジネスに注力する企業が増えれば増えるほど、MDFの概念も一般的になってくるのではないかと考えています。
ちなみに、私の現職でもパートナービジネスのマーケティング予算は直販と同じお財布となったおり、特段パートナービジネス専用としては予算は確保しておりません。

まとめ

今回は前編・後編と2週にわたって、パートナー(代理店)さんとの共同マーケティング施策における「意義・目的」「共同マーケティング施策の種類」「共同マーケティング施策のポイント」「MDF(マーケティング・デベロップメント・ファンド)」について書かせていただきました。
既契約パートナーさんのアクティブ化に課題を抱えている企業、パートナービジネスの基盤が出来上がっていてさらに売上を伸ばしていきたい企業さんは、積極的にパートナーさんとの共同マーケティング施策に取り組んでみてはいかがでしょうか。

今回は当たり前の内容もいくつかあったかもしれませんが、パートナービジネスを展開するSaaSベンダー(メーカー)のパートナーセールスの方々にこのnoteが少しでもお役に立てていれば幸いです。

それではまた次回の更新をお楽しみに!


P.S.
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