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「ゲームは時間の無駄か」の議論に終止符を


「ゲームは時間の無駄か?」という話題。

定期的に勃発し、「無駄だ」「無駄ではない」「有用だと科学的に証明されている」「他の事をした方が有意義だ」「そもそも人生が死ぬまでの暇つぶし」などと平行線のまま消えていく話題だ。本記事ではそんな「ゲームは時間の無駄か?」という議論に終止符を打ちたい。

いきなりだが結論を述べたい。自分はこう確信を持った。

「ゲームタイトルやプレイスタイルなどにもよるが、ほとんどのデジタルゲームは、それをプレイすることで人生において最も重要なことを学ぶことができる」と。

それは「マインクラフトで建築やプログラミングを学べる」や「桃鉄で地理を覚えられる」「脳トレ効果がある」「忍耐力が付く」といった浅い話では決してない。この記事では、ゲームがどのような教育効果を持っているのかについて語らせて頂きたい。


ゲームは「PDCAサイクル」を回す練習になる

デジタルゲームを遊ぶことで得られる絶大な教育効果。それは「PDCAサイクルを回す練習ができる」ことだ。

PDCAサイクルとは
「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Act(改善)」の略で、業務の改善やスポーツの上達、勉強など、あらゆる活動において改良・成長するために必要なサイクルのこと。

①〔計画〕:何をどうやるか計画する
②〔実行〕:実際にやってみる
③〔評価〕:やってみた結果を振り返る
④〔改善〕:次にどうしたらより良くできるか考える
①〔計画〕:改善案を元に次どうやるかを考える(以下ループ)

簡単に言えば「活動して、改善して、また活動」を繰り返し行うことだ。大抵の人間はこれを無意識に行っているが、より意識してやるとより良い結果が得られるようになる。

このサイクルを回していくことで仕事の質を高められるのはもちろん、スポーツや創作活動などの上達にも絶大な効果がある。「結果を残している人は必ずこれをやっている」と強く断言できるほどに重要な考え方なのだ。

そんな大切なPDCAサイクルなのに、それをしっかりと教えてくれる場は現代日本ではあまり多くない。学校教育は知識を詰め込む比重が高いし、受験や就職は失敗が許されず、社会に出てからは社会の歯車として決まったルーチンをこなすだけになりがちだ。また、何か少しでもミスをすると徹底的に攻撃され社会から追い出されてしまうような空気感がある。そのような状況なのでPDCAサイクルを回すのは非常に難しい。

そんな中、PDCAサイクルを高速で回せる貴重な場がある。

それが「ゲーム」なのだ。

…というのが今回のお話です。

ゲームは、他人に強制されず、自分の考えで進められ、ミスをしても咎められることなく何度でもやり直せる。失敗したら理由が分かるようになってるし、本当にダメだったらリセットもできる。重い責任を背負わされることもなく、創意工夫をすることが楽しくなるように作られており、成功したら適切に褒めてくれる。多くのデジタルゲームはPDCAサイクルを苦なく回せるように作られている。

自分が見てきた中では「現実で仕事ができる人はゲームの上達も早い」という法則がある。それはPDCAサイクルを回せているからなのだと思う。裏を返せばゲームを遊んで的確に上達していけるようになれるなら、仕事や学習も効率的にこなせるようになるとも言えるのだ。

なので、「ゲームは時間の無駄か」という問いに対しては「ゲームは人生においてかなり重要な「PDCAサイクル」を回す練習ができるのでむしろものすごく有意義な時間である」で論破できるだろう、というのがこの記事で言いたかった結論なのだ。


まとめ

お母さんに「ゲームばっかり遊んでないで~」などと言われたら「遊んでるんじゃない! ゲームを通じてPDCAサイクルを回すトレーニングをしているんだ!!」って言い返してみよう。

母「 PDCAサイクル回す訓練はもう十分すぎるくらいやったでしょ! 何年ニートやってるつもりよ! さっさと就職してリアル世界でPDCA回したらどうなの!?」

③〔評価〕:言い返してみた結果を振り返る

④〔改善〕:次はどう言い返したら論破できるか考える

記事後半では名作ゲームタイトルを例に挙げげ「ゲーム内で実際にどのようなPDCAサイクルがどのように回っているか」について解説をするほか、「PDCAが回らないゲーム」「なぜゲームにPDCAサイクルが含まれているのか?」といった内容でゲームデザインについて語っています。

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