これから株をやるべきか?

さて、今からやるべき?

前回、前々回と、株について色々と書いてきたわけですが、どうしてこんなことを書こうと思ったのかと言いますと、やっぱ「今までにない株高!」という宣伝文句につられて、始める人をちょくちょく目にするからなんですよね。実際この記事を書いている一週間の間にも暴落と言っていいほど値段下がりましたし。ジェットコースターか?

そんな状況を踏まえ、最後にまとめとして、「株をやるべきか?」ってことについて書かせてください。

さて、株をやるべきか? 正面からそう問われるとぶっちゃけ困ります。基本的に面白いことではあるんですよ。新しいことにチャレンジすることは刺激にもなりますし、色々と理解が深まれば、世界の見方も変わる。

ただし、リスクがあることも、確かなんですよね。私は「株式は怖いからやらない!」って判断は、決して間違ったものではないと思っています。

ただ「株はゼロサムゲームだから、俺はやらない」と宣言する人に対して、指摘しようかどうか、いつも迷ってしまいます。明確に間違いなんですけれども、そのレベルの認識の人間が株をやるのを考えると、「そうだね。やらないほうが良いね」と返すのが一番良い気もするんです。

むしろ今となっては「株をやるべきか?」という質問には「やめとけ。君には無理だ」と答えるのが良いような気すらしています。それで「は?バカにすんじゃあねぇよ!」と上がってこれる人間なら、なんとかなるでしょうし、それで引き下がるような人間なら向いていないわけですから。

それはそうと、せっかくなので私が今までに見聞きした落とし穴とそれを避けるための心構えについて書き残しておきます。

借りた金を使うな

株でやらかすパターンといえばこれ。「この株は上がる!でも買うお金が足りない!そうだ!!金を借りよう!」破滅フラグがムンムンでていますね。

「この株は上がる!」という予感は誰しもあります。でも、ここまで読んで頂いた方はもう解っていると思いますが、株価を予想するなんて、ほぼ不可能なんですよね。それで株価が下がったらもう目も当てられない。

勝負するなとは言いません。ただ、自分の金だけでやりましょう。信用取引も避けた方が無難です。

一点集中するな

これぞ!と見込んだ株を全力買いして一点集中!こういうムーブはロマンがありますよね。でもロマンだけです。その株が下がったら、ダメージがでかすぎます。「卵を一つのバスケットに入れるな」とはよく言われる話ですが、いざやっていると、だんだん分散投資するのが面倒になってきて「一気にドカッと儲かりてぇもんだ!」みたいに思ってしまうんですよね。まあ、それで痛い目みるんですけど……。

余剰資金でやれ

最悪無くなってもいいや。と思う資金でやるのがコツです。特に積み立て投資をしていると、途中で値下がりすることなんていくらでもあります。その時に焦らずじっと回復を待つだけの体力があればいいんですが、生活費のすべてを株に変えたりしていると、どうしても株を現金に変える必要などが出てきてしまう。

かならず当面の生活費は別に用意して、余った資金でやりましょう。

「ウォール街のランダムウォーカー」でも、まずは資金を作りましょうから始めているから親切なんですが、この手の本だと、厚切りジェイソンが書いた本が面白かった。(表紙は胡散臭いですが)

この本、何が親切かって、一章がまるまる「倹約」なんですよね。資金を作るところから教えている。本の内容は「インデックスやっとけ!」で終わりなのでここまで読んでいただいた皆さんは新しい情報を知ることはないでしょうけれども、いかに倹約するか、どうやって積み立てるかなどの情報が手厚いので、モチベを上げるためには役立つと思います。

インデックス投資を信じる

ここまでNOTEを読んできた人ならもう分かっていると思いますが、正直個別株投資なんてやらずに、インデックス投資一本で終わりです。

個別株も楽しいし、勉強になるんですよ。ちょっとはやってみると面白いと思います。でも、実入りを考えるんでしたらまずはインデックス投資です。もちろん、インデックス投資は時間がかかります。数%しか上がらない利率に「俺はもっとバーンと儲けたいんだ!」と思って個別株に手を出すこともよくあることでしょう。私がそうであるように。

ただ、個別株をやるにしても、インデックス投資の投資信託を少し買っておいたほうが良いです。自分の実力を図るベンチマークにできますからね。

あと、これは気にして欲しいんですけれども、インデックス投資は手数料が少しでも安いものを選ぶと良いです。仕組み上、手数料の差が将来的に大きな差に拡大しがちなので。投資信託の商品は沢山ありますが、手数料はちゃんと確認してください。(一度、銀行で貰った投資信託の商品の手数料が法外な値段でびっくりしたことがあります)

参考にするなら文献をあたれ

賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ。

人間が強いのは、言葉を通して、他人の経験を学ぶことが出来るからです。だから、名著と呼ばれる本は積極的に読んだ方が良いです。

まあ、何度も何度も出てきて耳タコでしょうけど、上記の本はオススメです。伊達に40年版を重ねていませんね。

ただ、一つ注意してほしいのが、ネットの情報です。「テクニカル投資」で検索してみれば解るんですが、鬼のように情報商材のページが出てきます。明らかに素人を騙して「俺の考えるスペシャルな投資法」を教えて金を取ろうとしているんじゃないかというものから、単純に本人が勉強しておらず、聞きかじった知識をそのまま書いているようなブログもあったりします。

私、時々「このやり方で〇〇万円儲かった!」みたいな人の記事を読むことがあるんですが、「トレンドをうまく掴む」とか「勝負師の勘」とかオカルト満載で「うげー」ってなることがよくあります。あとで書きますけれど、めちゃくちゃ適当な取引方法、例えば神仏に祈りながら株を買う!とかでも、何千人もチャレンジすればその中からたまたま偶然ヒットする人だって出てくるんですよね。これは偶然か?それとも実力か?ちゃんと見極めましょう。神通力はいつまでも続かないものです……。

勝つことが一番怖い

株を始めて運良く儲かると、周りの人間が馬鹿に見えるものです。どうしてこんな簡単なことをみんなやらないんだろう?なんていうか、世の中イージーモードに見えてくるんですよね。

でもそれが危ないと私は思うんです。

私は株で一番怖いのは勝つことだと思っています。何度も言っていますが、上がり相場の時って、確率的にどれを買っても儲かる可能性があるわけですよね。

たまたま偶然勝ってしまっただけなのに「俺は天才だ~~!」と勘違いしてイキり始める。こうなると無駄に自信が出てきて「俺の読みは当たる!だから生活費まで全部株につぎ込んでも勝てる!」「金を借りて資金を投入する!今こそ勝負の時!」なんて考え始めるともう止まらない。

ましてや、それでニ回、三回、運良く勝ってしまうと……もはや引き返すことは難しいでしょう。一度失敗しても、「大した失敗じゃない」なんて思いこんで更にエスカレートして……というパターンもあります。

以前Twitterで見かけて感銘を受けた意見ですが「地球上の全人類でじゃんけんトーナメントをやったら、必ず一人、一回も負けずに勝ち進んで優勝する人が出る。仕組み上、絶対に一人はそうなるということは解っていても、いざ自分がその立場に置かれたら、超自然的な運とかを信じるようになってしまうかもしれない」というものがありました。

株式投資も、たまたま買った株が大当たりして、一気に儲かるなんてことがまあ確率上は起こり得るわけです(羨ましいものですね!)でも、それはたまたまかもしれない。偶然がニ回、三回続くかもしれません。でもそれがいつまで続くかの保証はないのです。

事実だけ申しますと、試行回数が増えてくると確率は期待値に収束します。つまり、最初のうち、大勝ちしても試行回数を増やすごとにだんだんとその値は市場平均に近づいていく……。どこで引き返すか、勇気が必要になる局面です。

ちゃんと負けを認めること

負けを認める事は勇気がいることです。でもそれを認めなければ成長はありません。「私の考えは間違っていた」と、ちゃんと検証して、それを受け入れることが出来る人間は、軌道修正が出来ます。

これが出来ないと際限なく負け続ける。「あなたはこれこれこう考えて株を買ったけど値下がりしていない?」「違う。たまたま偶然悪くなっただけだ。そのうち上がる!私は正しい!」プライドを守るためにはついついそう考えがちですが、現実は残酷です。下がり続けた株がついに上場廃止になることなんていくらでもある。

本当にあなたは「勝って」いるのでしょうか?市場平均に比べて高いパフォーマンスを出しているのでしょうか?検証していないから気がついてないだけで、もしかしたら、あなたの行為はただ足を引っ張っているだけなのかもしれません。

国の制度を使うべし

幸運なことに、最近日本国政府が、貯蓄から投資へ。などと言い出して、様々な制度を用意してくれています。この制度、うまく使えば大変美味しい制度なので、一度使ってみると良いでしょう。ここでは簡単にしか説明しないので、気になったら調べてみてください。

①iDeCo(イデコ)
確定拠出年金といって、基本的に「60歳まで引き出せない」代わりに、かかった金額に応じて減税してくれます。

例えば、私なんかは毎月一万円ほど積み立てているわけですが、この一万円を私の所得から引いてくれるのでちょっと税金が安くなります。言ってみれば「老後のためにお金を積み立てれば、その分は税金を見逃してやろう」みたいな制度ですね。

この制度はインデックス投資とめちゃくちゃ相性がよく、長期に渡って投資できるので、安心できる制度でもあります。

ただし!積み立てたお金は60歳になるまで引き出せないので要注意です!どうしてもお金が必要になった時に困りますし、動かせるキャッシュが手元に無いということは色々と不利に繋がります。あと、60歳になるまで日本国が存在しているか?とか、60歳になるまでに、国が制度を改悪したりしないか?みたいな懸念もあります。無理ない額を積み立てましょう。

②NISA・積み立てNISA
毎年一定額以内なら、株式投資にかかる税金を免除してくれる制度です。実際にやってみればわかりますが、株式投資は、株を売っぱらった時にも、配当を貰ったときにも税金が20%ほどかかります。これがまた結構馬鹿にならない。

NISAは120万まで使えます。例えば今任天堂の株を買うと、100株が65万円ぐらいで買えるんですが、この銘柄はこの間12,300円という配当が来ました。NISAを使わないと、この額が9840円になってしまいます。売却した時も同様です。

積み立てNISAは、その名の通り積み立てに特化したNISAです。一般NISAと併用ができないので、私は使っていませんが、最長20年の非課税期間があります。これとインデックス投資を組み合わせると、購入した投資信託が、20年の間に雪だるま式に増えて行っても、売却するときには無税ですむそうです(詳しくは調べてください)

③新NISA
NISAの評判が良かったからか、来年から新しく出来る制度です。NISAと積み立てNISAが一緒になったような仕組みで、非課税の枠が拡大されています。

これは、裏技チックな方法なんですが、現行NISAと新NISA、併用可能だったりします。

つまり、今年NISAをはじめれば120万円分の非課税枠が付き、来年から始まる新NISAに移行してもその枠はそのまま五年保たれるのです。ということで、制度的には今年のうち(12月31日まで)に始めるとお得ということになります。そのせいか、色んなところで営業を見かけます。始めるなら今年というタイミングはなかなかいいかもしれません。。

今から、始めるのが良いのか?

株の始めどきはいつか……そう聞かれると困ってしまいます。正直私にもわかりません。今は日経平均株価がじゃんじゃか上がっていますので、ニュースなどでそれを見て「よーし、私も!」と参入したくなる気持ちはわかりますが、かといって、一番値上がりしてる時に参入するのはちょっと……という気もします。靴磨きの少年が株に手を出し始めたのでブームが加熱しすぎたのを知り、手を引く。みたいな逸話が世界恐慌の時にありましたけれど、自分がいつの間にか靴磨きの少年になっている可能性だってあるわけですからね。

と考えると、コロナの時なんかは逆に始めどきだったのかもしれません。今更言った所でどうしようもないですけど……。

ただ、私が言えることは、チャンスを物にできる人間ってのは、ちゃんと用意していた人間なんですよね。とりあえず証券会社に口座を作ってみるとかそういう準備を何年も前にやっていれば、今の状況にも乗れていたはずです。市場が加熱している時に、全財産を突っ込むのは、ちょっと待って!と停めたくなりますが、生活に必要のないお金を使ってみて、どれくらいリターンがあるのか、ほそぼそと試してみるのはやってみると良いんじゃないかなって思います。

証券会社ですが、私は楽天証券を使っています。楽天カードとかで楽天経済圏に使っているととても便利です。証券会社に口座を開くためには手続きが結構大変なので、まずそこで力尽きる人も多いんですけれども、一度やっておくと、後々のためになりますので、まあ申請ぐらいはしておくと良いかもしれません。タダですし!

その他注意が必要なもの

つらつらと説明してきましたが、世の中には株式投資……によく似ておきながら、実際その内容は別物だったりするものもあります。注意喚起を込めて書いておきます。

FX取引

私はやっていないので、詳しく語れないんですけども、投資家を名乗っている人で、これに手を出している人は殆どいないんじゃないでしょうか。

というのも、仕組み的にゼロサムゲームであり、しかも手数料を差し引くとマイナスサムですらある仕組なわけで、その時点で「え?誰がやるの?」ということになってしまうんですよね。まあ、それが理解できない人でも投資家を名乗ることはできますが、それで大丈夫かな……と心配になります。

金(ゴールド)

これは、とてもむずかしい分野です。まず、マルキール先生に言わせると、実は金(ゴールド)というのは、かなり魅力のない投資先だそうです。なぜなら、価値を生み出さないから。配当が発生するわけでもありませんし……。儲けるためには「他人にもっと高値で売りつける」という方法しかなく、お上品な転売厨、投資というより投機では?みたいな面もあります。

ただ、マルキール先生も、金は他の商品と連動して動かない場合が多いので、ポートフォリオにある程度組み込んでおくのはリスク回避のためにいいかもしれないということは認めています。

私はどうなのかというと、実は積み立てをしています。(正確には金とプラチナ両方です)。理由はいくつかあります。まず、金の需要は無くならないだろうと考えたこと。宝飾品としての価値がありますし、少ないですが工業的な需要もある。さらに、インドなどの伝統的に金を珍重する文化圏の人口は増え続けています。

そして、地球上の金の総量は大体決まっています。これは、何も政治的な問題ではなく、重い元素は生成しにくいという物理学的な理由によるものなので、どうにもなりません。だから人類の人口が増え続ける限り、一人あたりの金の量は減っていくわけで、つまり相対的に金は値上がりしていくはずだ! なーんて考えたからであります。

とはいえ、基本的な考えは、リスク回避。例えば、株が全部吹き飛んで日本円も暴落して、すべての財産を失ってしまった……って時に、当座の命を繋いだり、移動できるだけのお金が残って欲しい。というのが理由であります。

……とまあ、そんな感じで数年ちまちま積み立ててきたんですが、しばらく買っていたら、ウクライナ戦争が始まってあれよあれよという間に値上がりして、かなり資産が増えることになったんですよ。

正直、あんまり喜ぶような気持ちになれませんでした。戦争で財産が増えるってのは、とてもじゃないけど、嫌な気分になるものです。早く戦争が終わって、値下がりして欲しいと思っていますし、この局面で売りさばく気にもなれません。

みなさんが始めるなら、戦争が終わってからにしたほうが良いかもしれませんね。戦争が終われば、高値は一旦落ち着きそうな気もしますし……。(まあこの予想もどうなるかわかりませんが)

債権

要は借金を返してもらう権利なんですが、私はこれ全然詳しくないので語れません。ただ、本を読むと、債権市場は株式と逆に動く(株式市場が渋くなってくると、債権の市場にお金が流れる)という動きがあるそうで、債権のインデックス投資と、株式のインデックス投資を両方持っておけば、リスクヘッジが可能。らしいです。本当かな?

まあ、その程度の知識ですが、実際に試して見ようと思いまして、iDeCoはほとんど株式のインデックス投資で運用しているんですけれども、一部債権のインデックス投資に回してたりします。何十年か後に結果が出るでしょう。

仮想通貨

近年出てきた仮想通貨ですが、正直かなり複雑な気持ちを抱いています。実は仕組み自体は面白いと思っているんです。最初仕組みを聞いた時は「色々応用できそう!」って興奮しましたし、手頃な値段なら、例えば500円ぐらい仮想通貨に交換して、何かの決済に使ってみたいな~と思っていました。

その気持ちは今でも変わっていません。ですが、今ではとてもじゃないですが、決済に使えるものではなくなってしまいました。

何が問題かというと、本家のビットコインは総量が限られていること。だからこれは「コインというより金(ゴールド)では?」って指摘は最初期からありました。金(ゴールド)みたいに総量が限られていると、何の問題があるのか?と申しますと、デフレーションが起こりやすいんです。

つまり、経済が成長すると、それだけお金が必要になりますが、金(ゴールド)の総量が限られているので、ゴールドの価値が相対的に上がっていくわけです。そうなると、みんなお金を使わなくなる。なぜなら、持っているだけで価値が上がっていくので。

これは通貨としては致命的です。しまい込んでおくのが最適解になる。つまり、経済を衰退させる方に動くのです。なので、私達の文明は、金本位制を捨てたという流れがあるわけですが、仮想通貨勢はどうもその流れを知らないらしく「これが未来の通貨!」みたいに喧伝するわけですよ。いや、むしろ退化してんじゃん!!金本位制に戻ってんじゃん!!

だから、もし、仮想通貨の値上がりにかけて買っている方がいらっしゃいましたら、残念ですが、こうお伝えするしかありません。つまりあなたの行動は、投資先の仮想通貨が「通貨として使えない」方向に賭けていると同じなのです!

金(ゴールド)を積み立てている私が言えた義理でもない。のは解っていますが、「儲かる」方法が「他の誰かにより高値で売りつける」方法しかないのでしたら、ちょっと考え直したほうが良いです。そう思った時、カモはあなたかもしれません。金(ゴールド)はまだ工業的需要があるので、全部パーになっても現物は残りますけど、仮想通貨は取引されなくなったらマジで何も残らないので恐ろしい話です。

ちなみに、私は、2021年の12月あたりにこんな発言をしています。この時は550万円ぐらいだったんですが、その後急落して、今またちょっと伸びているみたいですね。はたして私の意見は正しいのか。それとも、ビットコインは天井知らずに伸び続けてさらにこの発言時の値段を更新するのか?数年後、答え合わせができると思います。

■■■■■■追記■■■■■
なんてことを言っていたわけですが、ビットコイン、この記事を書いた2023年の夏頃からさらに上がり、私が上記の発言をした時の値を上回ることになりました。タイミング的にはもう少し前、2023年の11月あたりに超えていた様子。ということで2021年の12月あたりにビットコインを持っていた場合は、2023年まで売るのを待っていたほうが儲かったということになります。

ビットコイン、過去最高ではないものの、上がっている

ということで、「ビットコインを売らずに取っておいたほうが良かっただろ!」と思う方も大勢いることでしょうし、それは現時点では正しく見えるのですが、二年かけてプラス・マイナスゼロな所に注意して下さい。株式だったらこの間配当が入りましたし、例えば、楽天の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」というインデックスファンドの場合、同じ時期で30から40%程度の伸びを見せています。つまり2021年の12月にビットコインを全部処分して、こっちに投資した方が儲かったってことです。

楽天証券のeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)のチャート

ということで、私は以前変わらず「値上がりしているなら尚更結構。ビットコインは今すぐ処分したほうが良い」と考えています。ただ、未来を予測することなど不可能だというのは皆さんもここまで読んできて分かったはず。これからビットコインは更に伸び続け400%500%という異常な伸びを見せるかもしれません。そうなった場合は、株よりビットコインを持っていたほうが儲かった……という現象が発生するのかもしれません。今後数年、チェックしていくことにしましょう。(2024/01/13)

最後に

以上、長々と書いてきたわけですが、いかがでしたでしょうか。昨今の株式の乱高下に合わせて参入する人をちょくちょく見かけたので、流石に心配になって書かせていただきました。

断っておかなければなりませんが、ランダムウォーク理論は仮説に過ぎません。「株価は実はランダムウォークではなく予想できるんだ!」と主張する人も世の中にはいます。ただ、その主張もよくよく見てみると、過去の都合のいい期間だけに限っていたり、あまりに僅かすぎて実質意味がなかったりと、ランダムウォーク理論を倒すまでには行っていないというのが現状です。

将来的に、ランダムウォーク仮説が敗れる日はもしかしたらくるのかもしれません。だれかの計算式を使えば、ある程度意味のある予想ができるようになるのかもしれません。もっとも全員がそれを使えば、状況は振り出しに戻るわけで、結局世に出た瞬間にまたランダムウォークに戻りそうな気はしますが。

なお、気になってランダムウォーク理論への批判はどんなものがあるのかなで探してみたんですが、なんていうか、初歩の初歩から間違っている上に、投資塾への加入を勧める情報商材ブログとか出てきてそっ閉じしました。皆さんも引っかからないように気をつけてください。

さて、この記事を書いている間にも、日経平均株価は連日上がったかと思うと、とたんに暴落するという、めちゃくちゃな軌道を描いています。チャートを見ながら、もうちょっと株価が落ち着いてから参入してはどうだろう?なんて考えも浮かんでくるのですが、ここまで読んでいただいた皆さんはもうお分かりですね。ランダムウォーク理論の立場から言えば、チャートを見て未来を予想するなんて愚かな行為です。

連日暴騰しているから、連日暴落しているからといって、未来がどうなるのか誰にも予想はできません。だったら、諦めて幅広くいろんな銘柄を買うのが結局のところ一番リターンがあるというのが、インデックス投資の考え方です。

もし、株に始めどきがあるとするなら、興味を持ったその時なのかもしれませんね。

それでは皆様、お気をつけて。

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