「少女革命ウテナ」感想をビートたけし風に

勧められる作品って多いけど、いざ見るのって少ないじゃない。「たけしさん、あれ見ましたか?」なんて聞いてくる人もいてさ、申し訳ないから時間がないとか言い訳するんだけどさ、実際には興味がないから見てないってことだよね。向こうもそれをわかってるから、あんまりうるさくは言ってこないことが多い。

「ウテナ」もそうでさ。オイラは「ユリ熊嵐」とか、あるいは「ピングドラム」とか「少女歌劇レビュースタァライト」とかを見てコレすごいねって軍団に言うわけ。そうすると軍団連中が「殿、ウテナも見てくださいよ」なんて言ってくる。「そんなに面白いのか、今度見とくよ」なんて言うけど、帰ったらすっかり忘れて、結局今日まで見なかったんだ。

これはさ、「ウテナ」が面白いってのと、話数が多いってのと、あと「難解」なんて感想をよく聞くからさ。これから辞書でも読むのかよって気分になってウンザリしちゃって見なかったんだ。それで寝っ転がって昔のアニメなんか見てると、気楽で面白くて満足しちゃって、すっかり忘れて安眠して。翌日寝坊してマネージャーに汗かかせたりして(笑)。

そんなことですっかり「ウテナ」のことなんか忘れてたから、家に帰って小便してビール開けたら驚いたね。「〇〇日まで無料でウテナが見れます!」なんてテレビに表示されててさ。オレオレ詐欺かドッキリだと思って、カメラ探したよ(笑)。犯人はNETFLIXだったから、誰もオイラを騙したわけじゃなくてホッとして、期間限定なら見ておくかって気にさせられたね。

結論から言うとこんなに凄いアニメーションってのは初めて見たよ。オイラは美輪明宏さんなんかが出演してた寺山修司さんの芝居とかも見てたけど、それと似た匂いをずーっと幾原さんの作品に感じてた。意味がわからないとこも多いけど、なんか記憶に残るし、終わったあともシーンが焼き付いてて思い出すんだよね。トイレ行ってナニを出したら「あ、黒蜥蜴だ」なんつって(笑)。それは冗談だけど、本当に無意識みたいなものをガーンと殴りつけるのが上手いんだろうね。

ウテナも難解っていえば難解なんだろうけど、理解する必要なんてあるようでなくてさ。だって素直にぼーっと見てたら、そりゃ若葉だったらコイツをクソ野郎!ってブン殴りたくなるだろとか、アンシーはウテナから剣抜くようになったんだって泣いちゃったりとか、ハチャメチャな展開に納得できちゃうんだよね。そりゃオイラでもそうするよ、アンシーさんあんた大した女だ、って応援しちゃうわけ。

当たり前だけど、誰かから勧められたからってその作品が面白いとは限らない。でもオイラは軍団連中にとりあえず謝りたいね。ゴメン、面白かったって(笑)。もしまだ見てない人がいるんだったら、オイラが面白かったって言ってたのが少しでも見るのを後押ししてくれたらいいなと思ってるよ。

ちなみにオイラが好きだった話はこの3つね。

①若葉、繁れる

若葉ちゃんっていう主人公の友達が大立ち回りする話。これスゴいなって思ったんだけど、若葉ちゃんって浅草の飲み屋にいる女将さんみたいな子だからさ、前フリとして手近な王子様が出てきたときに、「男はつらいよ」みたいでいい話だなって納得しちゃったんだよね。
でもそれがズレてて、若葉ちゃんはそういう物語の端役じゃないんだよね。与えられた物語で与えられた役割を演じる若葉ちゃんの立場って何なんだろう、それに抵抗したくなる気持ちって何なんだろうって、偏った目で人を見てる自分が恥ずかしくなっちゃったよ。
若葉ちゃんは終始、ウテナのことが好きだと思うけど、好きと嫌いって同じものでできてるよね。そういうものを2話にギュッと詰めてきたから凄い。このテーマだけで1年やれちゃうんじゃない?もったいなくない?なんてお節介焼いちゃった(笑)

②夜を走る王子

総集編かバカヤロー!(笑)って飛ばそうとしたらスゴいんだもん。声も出なかったね。これから見る人のために詳細は言えないけど、とにかくウテナがこれまで否定していた「フツーの女の子」の部分をオイラ達に見せつけてくる。
ウテナってよく「脱・白馬の王子様願望」のお話みたいに言われるけど、オイラは少し違うと思ってる。それと同じくらいに「【お姫様が何も考えずに待っている】なんてことはない」っていう話でもあるんだよね。色んな立場で性格とか考えって、入れ替わったりするんだけど、そういうものの中で果たしてバカにしていいものってあるのかね?って話。なんか、この話を見ちゃうと色んなものをバカにできなくなっちゃうし、逆に簡単に憧れるのもダメな気がしてきちゃう。

③七実の卵

所かまわず、誰も彼もすぐにやっちゃうことでお馴染みのウテナで、冬芽と七実は大丈夫だったねというお話。七実様が卵を産むという、本当にしょうもない始まり(笑)。しっちゃかめっちゃかでずっと笑えるけど、案外「ウテナ」のテーマがたっぷり忍ばせられてて油断できない。性的なものへの興味だったり、あるいは「殻を破る」ことだったり。
冬芽ってどこかで変化を恐れてるところがあって、変化に対する過敏さって悪いことじゃないんだけど、何かモヤモヤさせるものがある。だからこれまでのギャグ回と少し違ったね。「生まれ変わり」っていうのも、変化してもソイツはソイツのままって話だよね。つまり、東国原もそのまんま東ってことだ。

番外:「そして夜の扉が開く」の予告

飛ばしたくなる予告だけどここだけはせめて見てほしいね。「軽蔑」って誰が誰に使うかでこんなにニュアンスが変わる言葉だっけ?オイラはあんまり人を軽蔑しない方だけど、ゲスなことする記者連中だけは軽蔑してるね。めんどくさいからね(笑)

なお、この感想はゴーストライターが全部書いたから、オイラには全く関係がないことをここに表明いたします。
2018年12月27日、親愛なる暁生くんのセックス依存症が治りますように祈って、ご挨拶の代わりとさせていただきたいと思います。ウテナさん、アンシーさん、結婚おめでとう!

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