「炒めていない炒飯」の話。

お題箱に来た重めの相談用にnoteのアカウントを取得したところ、完全にその後相談は途絶え、ここは無用の場所となってしまった。

生きていて「これは書かなければ!」ということなど滅多にないのだが、全く和解ができないというか、「なぜみんなもっとキレないの!?」と思っている案件がある。それが表題の「炒めていない炒飯問題」である。

これを聞いてピンと来た人もいるだろうが、ナニそれ……と困惑している人もいるだろうから説明します。まず、炒飯というのは中華料理で、ごま油や卵と各種具材と米を炒めた料理のことだ。だから、炒飯を頼んだら「炒めたメシ」が出てくるのは、もう当たり前のことなのだ。

しかし、この日本には「炒めていない炒飯」が存在する。それはたいがい、ランチで680円ぐらいでキクラゲと卵の炒め物とかの3種類の定食を出しているような中華料理屋で、「プラス100円でライスを炒飯に変更」と書いてあると、だいたいこいつが出てくる。

どういうものかというと、米をミックスベジタブル的なものと、中華だしで炊きこんだものだ。店によってはハムとかが入っていることもある。味としては確かに炒飯に近いが、炒めていないので、米はパラパラしていない。味もまあ、普通である。別に不味くはない。

でもこれ中華風炊き込みご飯やろ!?!?!?!?!?!

と思っている。幾度となく、本当に幾度となく、騙された……。

私は、炒飯がめちゃくちゃ好きだ。「炒飯だ、今日は絶対に炒飯が食べたい……中華料理屋ならあるだろ……」と思って、仕事中にわざわざ近辺の中華料理屋を検索し、足を運ぶことがたまにある。

そしてオフィス街の中華料理屋にはしばしば「ラーメンと半チャーハンセット500円」のような得体の知れない安さのセットが用意されている。ラーメンもついてるなんてお得~!!!!と思ってしまう。私はそういう意味では完全なるカモだ。お得!食べたい!ヤッターと思って即注文してしまう。

もちろんチャーハンについている卵スープも大好きだけど、ランチだとついていない可能性もあるし、いちいち店員さんに「スープついてますか?」なんて聞けないし……。しかも、ランチセットはだいたい人気でめっちゃ早く出てくるだろうから、昼休憩の1時間を有効活用できるし、FGOの種火集めも捗る……。

そういう心情で頼んだセットが運ばれてきた際、ラーメンの脇に茶碗にてんこもりにされた中華風炊き込みご飯が出てくると「炒飯……炒めていないのに……?なぜ……」と悲しい気持ちになるのだ。ラーメンと中華風炊き込みご飯の組み合わせは、決して不味くない。ただ、私は、炒飯が食べたかったのだ……だから、しばらく落ち込んでしまう。

前の職場の近辺では、驚くことに、ほとんどの店がこの「炒めていない炒飯」だった。あまりにも炒飯が食べたいときに「炒めている炒飯」を引くことができないから、近辺の店を二桁以上、何日もかけて回ったのだ。結果として、炒めている炒飯を出している店は、私調べでは日高屋とバーミヤンだけだった。別に悪くないしどっちも大好きだが、何か釈然としなかった。こんなに中華料理屋自体はあるし、しかも中国の方が経営しているっぽいのに……。

食べ物に関する恨み言はできるだけ言いたくない。鏡の前に、もし山岡士郎が立っていたらどうしよう……と不安になるからだ。人から見たらこの「炒めていない炒飯」案件も山岡士郎なのではないか?と懊悩している。もう3年ぐらい悩んでいる。口に出すべきではないのでは?と思いながら、今もキーボードを打っている……。

けれども私は思うのです。あれは炒飯じゃなくて、中華風炊き込みご飯とか、炒飯風ピラフとか、もっとこう、わかりやすい名前にしてくれと……。

余談ですが、今の職場の近くには炒飯専門店があるので、炒めた炒飯を頻繁に食べています。ただし私は脂っこいものへの耐性がないので、連日食うと口内炎で血まみれになります。炒飯に向かない体に生まれてしまった。

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