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井の中の蛙(2)

オス蛙は井戸に掴まりながら外の蛙達と話していたので、手の力はもう限界。
外には出れませんでした。
再び井戸の底へ落ち、怪我をしてしまったのです。

オス蛙は外の世界を思いながら、傷が癒えるのを待っていました...

そんな退屈なある日、可愛らしいメス蛙を井戸の中で発見しました。
勇気を出して声を掛けるとメス蛙は近寄ってきて、怪我のことを心配してくれました。たくさんお話をして、オス蛙とメス蛙はすっかり仲良くなりました。

美しい蛙への想いは更に薄れていきました。

オス蛙はくる日もくる日もメス蛙とお話をしていました。怪我をしていても楽しい日々が続きました。
そしてこう思い始めたのです。
「この子と仲良くなれたから、このままずっと井戸の中で暮らそうか」と。

怪我が癒えた後、オス蛙は外の世界に向けて跳ぶことにしました。やはり、美しい蛙のことを完全には忘れられずにいたのです。

蛙は思い切り飛び跳ねました。

...

なんと!今回は外に出れました。
そこにはあの美しい蛙が。

オス蛙は再び目にして気付きました。
「やっぱりこの子じゃなきゃダメだ」

すると何故でしょう。
蛙は井戸の中へ戻って行ったのです。

蛙はこう考えました。
「今、あの子は僕にとって遠い存在。井戸からやっと出れた僕なんか相手にされないだろう。自分を磨いてから出直そう!」

実は、オス蛙には不安もあったのです...
今の自分が外の世界で無事に生きて行けるかどうか、という不安が。


そんなわけで、オス蛙はしばらく井戸の中で暮らすことを決意しました。
自分を鍛えるため、そして磨くために

つづく


第3話、愛しのあの子と!?

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