ドーモ。今回は2019年8月にTwitter上にてプレイしたソロシナリオのリプレイ小説を投稿させていただきます。プレイしたのは三笠屋＝サンの【ニンジャのアルバイト】です。

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エピローグ

「ハァーッ……！　ハァーッ……！」

　ソウカイヤの女ニンジャ、ライトニングウォーカーは荒い呼吸を繰り返した。脂汗が流れる。想定外の事態が起きた。なんとかして、この場を切り抜けねばならない。どうしてこんなことになったのだろう？

　回想。凶暴なバイオズワイガニから逃げ切ったライトニングウォーカー、ブルーノ、ロッコの3人はボロボロで地上に這い出た後、IRC端末でタクシーを呼んだ。ブルーノを病院に運び込み、レントゲン撮影で脳に異常が無いことを確認。治療費の支払いでカチコミの報酬金が殆ど吹き飛んだが、仕方ないことと諦めた。
　
　一番の懸念事項を片付けたライトニングウォーカーはセントーで汗を流してヤクザスーツに着替えると、ストリートの良さげな店を回り、あるものを調達した。そして最後に、同僚であり同居人の少女ニンジャ、サードウィーラーに声をかけた。

　サードウィーラーことアレクサ・サトはメキシコ系移民の末裔である……と以前本人から聞いたことがある。そして彼女は今、ライトニングウォーカーが調達したもの、すなわちライオンのきぐるみに身を包んでいる。「これぞまさにメキシコライオン。これをオヤブンに披露すれば万事問題無し」

　そう力説したときの少年少女の目は、コリ・ニンジャクランのアーチ級ユニーク・ジツの如く冷たかった。「いやこれは流石に無ぇッス」「うちのオトウサン馬鹿にされてるんですかね」「あたしヒマじゃないんだけど」ライトニングウォーカーのニンジャ第六感はソンケイが地に落ちた音を聞いた。

　かくして、ライトニングウォーカーの『アイディア』は失敗に終わった。「それはそうと、オヤジにライオンダメでしたって言わないと」ブルーノがため息をつき、そして立ち上がった。「姐さん、ありがとうございました。この恩はいずれ」

「わたしも一緒に謝るよ。ライオン駄目にした責任あるし……」ライトニングウォーカーも立ち上がる。「サードウィーラー＝サンも一緒に謝ってくれるかしら」ライオンきぐるみを脱ごうとしていたサードウィーラーはそれを聞いて首を傾げる。「ナンデ？」「そこをなんとか！　ほら努力の過程は見てもらわないと！」ドゲザせんばかりの勢いの最年長者に、少女ニンジャはため息をついた。「うーん……まぁ、いいか」

　そして4人は事務所のオヤブン・ルームのドアを開けると、同時にオジギをした。「スンマセン、オヤジ！」「約束のライオン、用意できませんでした！」「わたしの監督責任でもあります！　ドーモ、ライトニングウォーカーです！」「ええと……ゴメンナサイ！　サードウィーラーです！」

　そして4人は同時に頭を上げた。ポカンとした顔の老ヤクザと、彼と話し込んでいたらしい男がそれを出迎えた。「あれ？　オニイサン？」サードウィーラーが呟き、ライトニングウォーカーは絶句した。金糸を織り込んだ装束の、ひと目で上級ヤクザとわかる男はアイサツをした。

「ドーモ、ソウカイ・シンジケートのソニックブームです。……何やってんだお前ら」ブルーノとロッコは、目の前の男のヤクザ威圧感に圧倒されながらも、再び同時にオジギをした。「ドーモ！　俺はブルーノと申すしがねぇもんです！」「同じくロッコです！　どうぞ今後ともご贔屓に、ソニックブーム＝サン！」

　ソニックブームは彼らが若いヤクザであると見て取ると、鷹揚に頷く。「おう。オリベ＝サンところの若いもんか。しっかりやンな」2人の少年は同時に叫んだ。「「ハイ！」」そしてソニックブームは、冷淡な目を2人のソウカイ・ニンジャに向けた。「サードウィーラー＝サン……はまぁどうせこの女になんか言われたんだろ」「なんかこれを着ろと」ライオンきぐるみの裾をめくりながら、少女ニンジャは頷いた。

「いや、それは廃プランの名残というか……」ライトニングウォーカーが口を開いた途端、ソニックブームの目は、彼女1人に注がれた。下手な非ヤクザであればショック死しかねない視線がライトニングウォーカーを射抜く。「説明しろ。ライトニングウォーカー＝サン。ガキども引き連れて何やってやがるんだ、エエ？」上級ヤクザにして上級ニンジャの声は、今日出くわした何よりも恐ろしい。
　
「ハァーッ……！　ハァーッ……！」

　ライトニングウォーカーは荒い呼吸を繰り返した。脂汗が流れる。想定外の事態が起きた。なんとかして、この場を「ダァッテンジャネェゾコラーッ！」怒れるヤクザスラングが室内の空気を揺るがす！「アイエエエ！？」ライトニングウォーカーは腰を抜かした。「せ、説明しますよぉ！」

《おしまい》

リザルト

前金の【万札：2】獲得。マンションの家賃として【万札：3】を支払う。

……赤字な……？

ニンジャネーム：ライトニングウォーカー
カラテ：5-1
ニューロン：4+1
ワザマエ：4
ジツ：0
体力：4
精神力：5
脚力：2
装備：LAN直結ハンドガン
レリック：家族の写真
サイバネ：生体LAN端子
生い立ち：元ハッカーカルト（カラテ-1、ニューロン+1）
名声・ソウカイヤ：4
万札：14→13

そんなわけで、今回のライトニングウォーカーの冒険は終了です。気がついたら弟分が2人生えてきていました。更に彼らのベースになったワカモノ達は元シナリオだと死んでいたのですが、ライブ感で生き残りました。彼らも今後登場するかもしれないし、しないかもしれません。

それでは次の機会にお会いしましょう。三笠屋＝サン、楽しいシナリオをありがとうございました！