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忍殺TRPGソロシナリオ【カブトムシの茶色】

◆概要◆夏真っ盛りのネオサイタマでは、カブトムシが大ブーム!君もタマチャン・ジャングルで貴重なオーガニック・カブトムシを捕獲するのだ!ジャングルの奥地で君を待つものは……?◆1人用◆

ドーモ。本記事は、ダイハードテイルズよりリリースされているニンジャスレイヤーTRPGのソロアドベンチャー(1人でも遊べる短編シナリオ)です。マップなども存在しない簡易版で、ダイスが1つとメモを取るなにかがあれば遊べます。

現在無料公開されている記事との併用でも遊べる簡易版のルールとなっていますが、詳細な処理などの参照のため、基本ルールブックの購入もしくはニンジャスレイヤープラスの購読を推奨します。

本シナリオを遊んだ感想やリプレイなどを教えていただけると喜んで見に行きます。

本シナリオはギンペイ=サン(Twitterアカウント)のアイデアを元に作成されています。制作許可をいただきありがとうございました。

ヘッダー画像使用元はこちら

2019/08/20【名声】獲得値を修正しました。既にプレイ済の方は修正前のままで結構です。

ニンジャ生成

初めてプレイする場合や新たにニンジャを作成する場合、以下の記事を参考にニンジャを作成してください。

ふわふわローンによるサイバネの購入も可能です。返済には【万札:10】が必要となります(利子はありません)。返済できない場合はキャラクターロストとなります。

プレイヤーキャラクター(PC)は基本的にソウカイ・ニンジャを想定していますが、フリーランス並びに他組織所属ニンジャ、及びモータルPCでのプレイも可能です。モータルPCの場合の回避ダイス計算やサツバツ!判定などはプラグインを参考してください。なお、モータルPCのみで発生するイベントも存在しますが、全体の難易度は高くなります。

分身となるキャラクターは用意できましたか?それでは冒険へ出発しましょう。

プロローグ

ネオサイタマでは今、カブトムシとクワガタムシが大ブーム!子供たちはバイオカブトムシとバイオクワガタムシのオスモウに熱中し、カネモチは鎖国下の日本では希少な海外産カブトムシの標本をトコノマに飾り、黒壇色に輝くオーガニックオオクワガタがヤクザベンツ一台分の値で取引されたとテレビで報じられている。
カブトムシだと?下々の流行など僕が気にするものかイディオットめ!……だが、よほどのものならば僕の鑑賞眼を唸らすこともあるかもしれんな。そうだ、ヨルジのやつのクワガタを越えるほどのものなら……。おい、今のは独り言だ。聞かなかったことにしろ』
――ネオサイタマ、あるカチグミ少年のコメント――
そんなある日、野山に分け入りバイオカブトムシ・バイオクワガタムシを探すビートルハンター達の間に、こんな噂が流れた。曰く、タマ・リバー上流のオクタマ・ウッズに、幻のオーガニックカブトムシが生息しているというのだ。オーガニックオオクワガタほどではないが、奥ゆかしく茶色く輝くたくましい身体は、やはり高値で取引されている。カブトムシの茶色は、日本人の心を惹きつけてやまないのだ……。
だがオクタマ・ウッズは文字通りの秘境。危険な獣が多数生息しており、並大抵の人間が立ち入れば生きては帰ってこれぬ。現に1ヶ月ほど前に、カネモチによる捕獲部隊が消息を絶っている。
君はカネのためか、それとも好奇心のためか。無謀にもオクタマ・ウッズに足を踏み入れた探索者だ。オーガニックカブトムシを探す冒険が、今始まる――!

本編

君は『立入林止』『命の保証はありません』と書かれた看板と有刺鉄線を乗り越え、オクタマ・ウッズに侵入した。磁気の乱れでIRC端末は役に立たず、方位磁針もルーレットのようにグルグルと回転を続けている。
君は首から虫カゴをぶら下げ、背中には虫取り網を背負っている。どこから見ても誇り高きビートルハンターである。工業地帯から遠く離れたオクタマ・ウッズは快晴。バイオニイニイゼミが命の限りに叫び声を上げ、茂る葉の合間を縫って日光が降り注ぐ。君が額の汗を拭ったそのとき、茂みが揺れて目の前に影が飛び出してきた!腹を空かせたバイオレオパルドだ!当然君を狙っている!

【カラテ】もしくは【ワザマエ】で判定(難易度:NORMAL)してください。(※カラテかワザマエの数だけダイスを振り、4以上の値が1つでもあれば成功です)

これに限らず、本シナリオの難易度:HARDまでの判定は全て、ダイスの代わりに【精神力】を1消費することで、自動的に成功とすることができます(『サツバツ!』判定などのため、ダイスそのものは振ってください)。

成功した場合、先制攻撃がバイオレオパルドに命中します。

失敗した場合、バイオレオパルドの爪がPCに迫ってきます!回避(難易度:NORMAL、非ニンジャの近接攻撃扱い)を行いましょう。【カラテ】【ニューロン】【ワザマエ】のうち、最も高い数のダイスを振り、4以上の値が1つでもあれば回避成功です。

回避に失敗した場合、攻撃を受けて【体力】に1のダメージを受けてしまいます。これにより【体力】が0になった場合、あなたのキャラクターはバイオレオパルドに食べられて死んでしまいました。残念ながら冒険はおしまいです。

回避に成功して攻撃を避けたか、【体力】が1以上残っているあなたは、返すカラテでバイオレオパルドに反撃しました。

「ギャウン!」君の攻撃に恐れをなしたバイオレオパルドは、ほうほうの体で逃げていった。オクタマ・ウッズに生息するバイオ生物の中では、あの程度は小物。冒険も序の口といったところであろう。君は注意を配りながら歩を進める。

先へ進みましょう。

君は山中を流れる沢に差し掛かった。この流れがやがてタマ・リバーとなり、海へと通じていくのだ。倒れた丸太を橋にして渡る君のニューロンに、突然警報が走る!見よ!上流から君をめがけてジャンプしてくるのは……ナムサン!血に飢えたバイオピラニアの群れだ!

【回避判定】を行ってください。バイオピラニア達は時間差で襲いかかってくるため、二度の判定が必要になります。【カラテ】【ニューロン】【ワザマエ】のうち、最も高い値を2つに分け、それぞれで判定(難易度:NORMAL、非ニンジャの近接攻撃扱い)してください。失敗1つにつき、【体力】に1ダメージを受けます。つまり、最大で2ダメージとなります。

【精神力】による自動成功はどちらかでしか行えません(これで成功させる場合は判定自体を発生させるため、ダイスを最低1つ割り振ってください)。

例:ボブの探索ニンジャは回避ダイスを5つ持っている。バイオピラニアの襲撃に対し、回避ダイスを4つと1つに割り振り、前者で4回、後者で1回ダイスを振った。後者を【精神力】1消費で自動成功させ、前者の回避を通常通り行った。結果は1,3,4,1!判定はすべて成功し、ボブのニンジャはバイオピラニアの襲撃をやり過ごした。

これにより【体力】が0になった場合、あなたのキャラクターはバイオピラニアに食べられて死んでしまいました。残念ながら冒険はおしまいです。

君を襲ったバイオピラニア達は、下流へと泳ぎ去っていった。彼らはやがてタマ・リバーへたどり着き、釣りやラッコ観察に訪れた人間たちを襲いながら、海へと向かうのだ。

先へ進みましょう。

次々と襲いくるバイオ生物の猛威を生き残った君は、茂みをかき分け進む。視界が開けたそのとき、突然場違いなコンクリート建築が姿を表した。全体が荒れ果て、蔦や苔に覆われている。屋根を見ると、太陽電池で電力を賄っているようだ。
果たして何の施設だろうか?訝しむ君の視界の片隅に、何かが映る。おお!空を飛ぶ雄大な姿!あれこそはまさにオーガニックカブトムシではないか!?カブトムシは2階の窓から建物に入っていった。窓には鉄格子が嵌められている。1階の入り口から入るしかないだろう。入り口は……電子ロックがかけられている。

【カラテ】【ニューロン】【ワザマエ】のいずれかで判定(難易度:EASY)してください。成功した場合は入室できます。失敗した場合は諦めて帰りましょう。諦めきれない場合は【体力】を1消費して無理やり体当たりでドアを破壊するか、【精神力】を1消費してギリギリで成功したこととしても良いですよ。

建物に無事に侵入した。人や獣の気配は無い。君はカブトムシがいるであろう2階への階段を探す。その途上で出くわした机を見ると、手書きのメモらしきものが乱雑に散らばっている。
偉大なる■先生のためのサ■■ネは遂に完成した。■■■■■の■色。なん■美しく、誇■高いのだろう。彼の■ったカラテを補っ■余りあ■。至急《龍25■》へ届■なくて■。
――ボロボロのメモ書き――
どうやら、何らかの機械の開発を行っていた工房らしい。設計図のコピーなども見受けられるが、専門の知識を持つものでなければその意味はわからないだろう。机の上を探ると、価値がありそうなものを見つけた。

ダイスを1つ振ってください。出目によって以下を入手します。

出目1、2:汚れた数枚の万札。忘れ物だろうか。【万札+3】
出目3、4:袋に入った高純度トロ粉末。【消耗品:トロ粉末入手、所持している場合もしくは即座に使用するならば、このシナリオ中のみ精神力を+2(上限を超えても良い)。使用したくない場合は何も起きない】
出目5、6:袋に入った高純度バリキ粉末。【消耗品:バリキ粉末入手(【体力】を2回復する)、所持している場合もしくは即座に使用するならば、このシナリオ中のみ体力を+2(上限を超えても良い)。使用したくない場合は何も起きない】
それから、何やら胸騒ぎがした君は、設計図を懐に収めた。ひょっとしたらこれも、役立つ日が来るかもしれない……?

もう役立つものは無さそうです。先へ進みます。

階段を登った君の前に、再び電子ロックされた扉が姿を表した。

【カラテ】【ニューロン】【ワザマエ】のいずれかで判定(難易度:EASY)してください。成功した場合は入室できます。失敗した場合は……。

BARATATATA!!突如、ドアを貫通し、銃弾の嵐が君に迫る!

回避判定(難易度:HARD)を行ってください。出目5以上が1つでもあれば成功です。失敗した場合、【体力】を1失ってしまいます。ニンジャPCを使用しており【体力】が0になった場合は残念ながらここで冒険は終わりです。

このとき、モータルPCを使用している場合、回避判定の難易度はU-HARD(出目6が1つ以上)となるため、【精神力】消費による自動成功ができません。ただし【体力】が0になった場合、後述の『モータルPCを使用しており、【体力】が0、または【精神力】がマイナス値になった。』イベントが発生します。その後この項目に戻ってきてください。

生き残った、もしくは解錠に成功した場合は先に進みましょう。

扉を抜けたその先に見えるものは……奥ゆかしい茶色のキチン質!オーガニックカブトムシ!そして!「ド、ドドドドーモ。モータークワガタです」ナムサン!改造型のモーターヤブだ!どうしてそんなものがここに!?「侵入者を排除します。モータークワガタは賢く強い!」部屋にはいくつかの死体が転がっている!行方不明になった捜索隊に違いない!

並大抵の重サイバネ戦士やサンシタニンジャでは勝ち目がありません。即座に逃げることも可能です。これは任務ではないため逃げてもケジメなどは無いですが、得られるものもありません。とはいえ本格的な戦闘になれば、逃げることは容易ではないでしょう。命が最優先です。選択してください。

◇逃げる◇
君は銃弾をかいくぐり、なんとか脱出した。しばらく様子を見たが、オーガニックカブトムシが建物から出てくることもない。君は来た道を引き返し、オクタマ・ウッズからネオサイタマ都市へ帰還した。

《エンディング》へ進んでください。

◇戦う◇
君はカラテを、スリケンを、銃を、カタナを構えた。恐るべきモーター兵器に君の力は通用するのだろうか?それともなんとか隙を突き、オーガニックカブトムシを回収する腹積もりだろうか?さあ、イクサの時間だ!

敵のステータスは以下のようになっています。

◆モータークワガタ(種別:戦闘兵器)
体力:12
回避不能:回避判定ができず、攻撃判定に成功したらダメージをすべて受ける。
戦闘兵器:精神力を持たない。「カナシバリ・ジツ」などの精神攻撃は作用しない。
オムラ・マシンガン:『銃器』『連射:3』『ダメージ1』

こちらから攻撃を行います。あなた→モータークワガタの順番に攻撃判定を行います。

◇攻撃方法

【カラテ】【ワザマエ】【ニューロン+ジツ】【LAN直結攻撃】【無線LAN攻撃】のいずれかで攻撃を行ってください。ダメージ計算は通常の戦闘と同様に行います。電子戦を行う場合、モータークワガタ側の【成功数】は2として扱います。『サツバツ!』が発生した場合は追加の判定は行わず、一律で【体力】への3ダメージとして扱います。

モータークワガタの【体力】が0になれば、あなたの勝利です。

【体力】が残っていたら、モータークワガタの反撃が行われます!回避を行ってください!

回避方法

「排除します!」モータークワガタの両腕と頭部からマシンガンが放たれる!

回避判定を行います。難易度はニンジャであればNORMALです。攻撃時に【精神力】消費による自動成功を行った場合、回避時には使えないことに注意してください。

モータークワガタの攻撃は『連射:3』を持ちますが、射撃攻撃であり『時間差』は持たないため、ニンジャであれば『まとめて連続回避』が可能です。

『まとめて連続回避』を行う場合、回避判定を1度行ってください。成功すればダメージは受けません。失敗した場合【体力】に固定で3ダメージを受けてしまいます。

例:ケヴィンの探索ニンジャは残りの【体力】が1しか無く、【精神力】も0だ。だが、回避ダイスを5個持つため、モータークワガタの銃撃を一度の回避判定でまとめて処理できる。ダイス5個を振った結果は1,2,1,4,3と危なかったものの、結果として攻撃全てを防ぐことに成功した。

モータルPCでプレイするなど『まとめて連続回避』が出来ない場合、回避ダイスを三分割し、それぞれで回避判定を行ってください。

例:エイミーの探索モータルヤクザは回避ダイスを3つ持っており、残り【体力】は2、【精神力】は3だ。攻撃時には【精神力】を使っていない。モータルが銃弾を回避するには連射3回を一つ一つ避け、なおかつ判定はHARDをクリアしなければならない。

エイミーは回避ダイスを2つに分け、そのうちの1つで【精神力】を使用して回避、残った攻撃1回は敢えて受けることにした。つまり、ダメージ1が確定し、1回の攻撃を2個のダイスで回避する可能性に賭けた。結果は……ナムサン!1,4の出目であり、回避しなかった分と合わせて総ダメージは2である。エイミーのPCをマシンガンの弾丸が貫く。エイミーのPCは【体力】が0になってしまった……。

こちらの【体力】が0になった場合、残念ながら冒険は失敗です。生き残ったなら、再びこちらの攻撃判定を行います。どちらかの【体力】が0になるまで、戦いが続きます!

戦闘中、以下のイベントが発生します。随時適用してください。

◇モータルPCを使用しており、【体力】が0、または【精神力】がマイナス値になった。

君の身体をモータークワガタの銃弾が貫いた。もしくは、君はハッキングに失敗し、ニューロンを焼き切られた。君は仰向けに倒れた。

通常であればここで冒険は終了です。ニンジャであれば、問答無用で爆発四散となります。ですがモータルでプレイしている場合は、望むならばダイスを1つ振ることができます。

ダイスを1つ振って、出た目が1か6の場合……あなたのPCに、異変が発生します!

君は仰向けに倒れ、目を閉じた。そして、カッと見開いた!「イヤーッ!」バネ仕掛けのように連続バック転を繰り出し、君は敵から距離を取る。そして、衝動のままにアイサツを行った!まるで伝説上の戦士……ニンジャのように!君はニンジャとなったのだ!

あなたのPCにニンジャソウルがディセンションしました。【ジツ】値を持たないPCであれば、ダイスを1つ振り、4以上の場合は-3した値を【ジツ】値としてください。ジツの種類はランダムもしくは任意で決めてください。

更に【カラテ】【ワザマエ】【ニューロン】のいずれかを選び、ダイスを1回振ってその値を新たにステータス初期値とすることもできます。気に入らない結果の場合は適用しなくとも良いです。

アーキタイプにより習熟系スキルを所持している場合は、それを失います(ニンジャは標準でそのスキルと同様の行為が可能です)。その他のスキルはすべて持ち越しできます。

【体力】【精神力】が全快した状態で戦闘を再開してください。

判定で2~5が出た場合はそのまま死亡となります。なお、この戦闘以前のバイオレオパルドやバイオピラニアとの戦闘などで条件を満たした場合は、この判定は発生しません。また、【精神力】消費による自動成功は行なえません

また、ニンジャとなった後に再び【体力】が0、もしくは【精神力】がマイナス値になった場合は再度のイベントなどは起きず、即座に爆発四散します。

◇モータークワガタの【体力】を残り9以下にした。

「ピガガガーッ!自己診断開始!自己診断開始!」モータークワガタの動きが鈍っている。破壊するには到底足りないが、チャンスだ!

【カラテ】【ワザマエ】【ニューロン】のいずれかで判定(難易度:HARD)を行ってください。これは【回避判定】ではないため、モータルPCも含めて【精神力】による自動成功も可能です。

君はモータークワガタの隙を突いて走り、虫取り網を構えた!そして!「イヤーッ!」ゴウランガ!オーガニックカブトムシ捕獲!素早く虫かごにしまう!「自己診断終了!」君をモータークワガタのマシンガン銃口が狙う!「イヤーッ!」君は窓から外に飛び出す!2階の高さから地面に落下!立ち上がり、駆け出した!君の後ろスレスレをマシンガンが襲う!走れ!ひたすら走れ!

成功した場合、あなたのPCは《オーガニックカブトムシ》を捕獲し、脱出に成功しました。《エンディング》へ進んでください。

失敗した場合、自己診断を続けたモータークワガタの攻撃は一度キャンセルされます。あなたの攻撃判定から戦闘を再開してください。

特別に望む場合、《オーガニックカブトムシ》ではなく部屋の隅の《茶色いヘルメットメンポ》を掴み、脱出しても構いません。

なお、望むならばオーガニックカブトムシを捕獲のみし、戦闘を続けても構いません。失敗した場合と状況は同じです。以後は脱出の機会はありません。また、一度の攻撃で【体力】を10以上から6以下にした場合、即座に以下のイベントが発生します。

◇モータークワガタの【体力】を残り6以下にした。

「ピガガガガーッ!ゼ、ゼゼゼ……ゼンメツアクションモード!開始!」ナムアミダブツ!オムラ・インダストリで開発中の新型に搭載される予定であるゼンメツ・アクションモードだ!数秒後には、対ニンジャすら想定された悪夢の攻撃が君を襲うだろう!君は必死に状況判断を行う……その時!視界の片隅、調査隊の死体の元に、何かが見えた!君は必死に走り寄った!

ゼンメツアクションモードによる攻撃が行われます。回避する場合、難易度はU-HARD(出目6が1つ以上必要、かつ【精神力】による自動成功不可)であり、また攻撃は【連射:6】となります。

『まとめて連続回避』が可能であれば一度の判定で回避を試みられますが、失敗時は6ダメージを受けます。不可能の場合、回避ダイスを6個に割り振って回避してください。回避ダイスが5個未満の場合は、下回った数だけ回避できずにダメージが確定します。

生き残ったらこちらの攻撃判定から通常の戦闘を再開してください。ゼンメツ・アクションはこの一度しか発生しません。モータルPCを使用しており死亡した場合、前述の死亡時の特殊イベントが発生します。

回避しない場合は……。

君はニューロンの導くままに走り、オーガニックカブトムシと同じ色に奥ゆかしく輝く『それ』を手に取った。そしてそれを……頭から被った!「ゼンメツ!ゼンメツ!」ガトリングガンが君を狙う!
君は……更に走った!モータークワガタの元へ!「ゼンメ……ピガッ!?」これは……これはなんたることか!?君は、頭から被ったそれを!ヘルメットのようにも、メンポのようにも見えるそれを!雄々しきY字のツノが生えたそれを!モータークワガタの胴体に突き刺す!まるでリキシ・リーグの小柄なオーガニックスモトリが、バイオ技術で巨大化した敵スモトリの懐に潜ったかのように!
「イィィィ……ヤァァァァアアアアッ!!」カラテ・シャウトとともに、君はモータークワガタを投げ飛ばした!カジバ・チカラと謎のヘルメットメンポが合わさったことによる奇跡だろうか!?「ピガ、ピガガガーッ!?」モータークワガタは逆さを向いて、大地に叩きつけられた!遅れて放たれたゼンメツ・アクションの銃弾が明後日の方向に撒き散らされる!
君は自然に悟った。君が手にしたそれこそ、この施設で開発されていたもの……レリック級の戦闘用ヘルメットメンポ《カブトムシの茶色》なのだ!《カブトムシの茶色》の高度にテクノロジカルかつ神秘的なパワが、君にヒサツ・ワザ『カブト投げ』を齎したのである!

『カブト投げ』は3面ダイスを2個振り、その合計分のダメージを相手に与えます。今回はカジバチカラによる補正で出目3が2つ出たものとし、モータークワガタへ固定で6のダメージを与えます!

もしなんらかの都合でモータークワガタの【体力】が残っている場合、戦闘を続けてください。なお、その場合は《カブトムシの茶色》の装備効果により、あなたのPCの【体力】【精神力】はそれぞれ上限を超えて+1されます。

◇モータークワガタの体力が0になった。

「ピガ、ピガガガ!?ピガガガーッ!?」完全に破壊されたモータークワガタは爆発四散した!ゴウランガ!ゴウランガ!ゴウランガ!

完全に脅威は去りました。オーガニックカブトムシを捕獲していなければ、捕獲します。イクサの最中も逃げないとは甲虫ながらタフな奴です。

君はモータークワガタの残骸の後ろに、光る何かを見つけた。なんと!輝くコーベイン(小判のこと)である!

更に【万札:10】相当のコーベインを発見しました。持ち帰ったら早速換金しましょう。

もしもあなたのPCが不確定なニューロンの囁きに身を任せず、自らの力のみでモータークワガタを撃破した場合は、追加で【万札:10】を獲得します。ついでに茶色く輝くヘルメットメンポらしきものも見つけました。せっかくなので持って帰りましょう。

エンディング

◇オーガニックカブトムシを捕獲した

持ち帰ったオーガニックカブトムシは、自分でペットとして飼うなり、売るなり好きにできます。そういえば、オーガニックカブトムシを欲しが……もとい、興味がある人がいましたね。

「エッ!良いのか!?……ゴホン。献上とはアッパレな心がけだ。褒美をくれてやろう。今後も僕や父上のために励むが良い!ムハハハハ!待っておれよヨルジ!ムハハハハハ!」

手放す場合、【万札:15】、【名声(ソウカイヤ):2】、【余暇:2】を獲得します。

「ア!スゴイ!オーガニックカブトムシですか!カッコイイ!スゴイ!」偶然通りがかったヤクザスーツの少女が、君の名を褒めそやす。「うーむ、渋い輝きだ」「ソンケイを感じるぜ」通行人達も同様だ。冒険を果たした君の名声は高まった。休暇も取れるだろう。

自分で飼う場合、【家具:*オーガニックカブトムシ*】、【名声(ソウカイヤ):1】、【余暇:1】を獲得します。

もしソウカイヤと敵対している組織のPCの場合は、適度に同一の値の【名声】を獲得してください。その他の獲得物は同様に得られます。フリーの場合はお好きなように【名声】を処理してください。

◇《カブトムシの茶色》を持ち帰った。

君は自宅に《カブトムシの茶色》を恭しく飾った。君の窮地を救ったそれからは、凄まじいアトモスフィアを感じる。

頭部装備《*カブトムシの茶色*》を入手する。装備せずにしまっておくことも可能。

◇《茶色いヘルメットメンポ》を持ち帰った。

君はネオサイタマへの帰路の途上、なんとなく持ち帰ったヘルメットメンポを何気なく被ってみた。そして本能的に理解した。このヘルメットメンポの銘を……《カブトムシの茶色》の名を!君は自宅に《カブトムシの茶色》を恭しく飾った。

頭部装備《*カブトムシの茶色*》を入手する。装備せずにしまっておくことも可能。

◇特に何も持ち帰らなかった。

君の冒険の成果は、形としては残らなかった。とはいえ、あらゆるものごとは決して無駄にはならない。君は普段どおりの生活に戻ったが、きっと何かが変わったに違いないのだ。

特に何も起きません。過程でアイテムを入手している場合はそのまま所持してください。

シナリオ終了

カブトムシを手に入れられてもそれ以外でも、冒険はこれで終了です。

ふわふわローンに債務がある場合は、【万札:10】を返済に当ててください。返済できない場合はキャラクターロスト、つまりあなたのPCは死亡となります。

その際に入手したアイテムを売却することができます。特に『*オーガニックカブトムシ*』このときのみ【万札:10】で売却できます。最初から売らなかったのは、きっとあなたにとって何か大事なことだったのでしょう。いっそカブトムシとともにオヒガンへ旅立つのもありかもしれませんね。カブトムシにとってはきっと迷惑だと思いますよ。

もしもモータルからニンジャになったとしたら、あなたのPCはどのような道を選ぶでしょうか?ソウカイヤやザイバツのスカウトを受けるのか、今まで通りに気楽で危険なフリーの道を歩むのか。せっかくです。好きに考えてみましょう!

うだるような暑さのネオサイタマだが、夏の終りは近づきつつある。カブトムシとクワガタムシの大流行も少しずつ鎮静化している。とはいえ、次の夏が来れば、また人々はカブトムシとクワガタムシを求めるのだろう。日本人にとって、カブトムシの茶色の輝きは、永遠のあこがれであるのだから……。

これにて本シナリオは終了です。楽しんでいただけましたか?それなら、何よりです。おつかれさまでした!ギンペイ=サン、ナイスなアイデアをありがとうございました!

アイテム説明

*オーガニックカブトムシ*:
家具。アジトに設置(1マス必要)することで、シナリオ開始時の【精神力】を+1する。
この効果を適用したシナリオ終了後にダイスを1回振ること。
6が出た場合は寿命で死んでしまい、このアイテムは失われる。

ブラックマーケットで【万札:7】で売却できる(ブーム沈静化で値が下がった)。
言葉の通じぬ狂人に襲われ命からがら逃げ延びたり、頭の固いヤクザに頭を下げなくてはいけなかったり、苦労して手に入れたレリックを二束三文で買い叩かれた日も、「あいつらは家でオーガニックカブトムシ飼ってないもんな……」と悦に浸ることでセイシンテキを保てる。

以下の装備を導入しシナリオに参加する場合、NMの非公式プラグイン使用許可を取ってから使用してください。

*カブトムシの茶色*:
頭部防具。雄々しきツノを持ち、茶色に美しく輝くヘルメット型メンポ。
内部のUNIX制御機構は封印状態にある。
【体力】+1、【精神力】+1。
装備すると以下のスキルを自動習得する(PC固有のスキルとは別にカウントする)

ヒサツ・ワザ『カブト投げ』:
『連続側転』を使用していない『近接攻撃』後に6の出目が3個以上あった場合、
『サツバツ!』の代わりにこの『ヒサツ・ワザ』の使用を選択してもよい。
モータルが装備時、『サツバツ!』は発生しない場合でも出目が3個以上であれば使用可。
使用する場合、巨大なツノで敵を投げ飛ばし、2d3(3面ダイス×2個)ダメージを与える。
『ボス級の敵』はこの『ヒサツ・ワザ』の『回避判定』を試みられる(難易度:U-HARD)。
ムテキ・アティチュード状態に対して命中した場合、D3ダメージを与える。
殺気に満ちて襲いかかってくる狂人から逃げ延びたり、ケチなヤクザからしょぼい報酬しか貰えなかったり、依頼人がカネを払う前にヤク中に頭を撃ち抜かれてタダ働きになった日も、「あいつらのメンポにはカブトムシのツノ無いもんな……」と悦に浸ることでセイシンテキを保てる。

頭部防具『*カブトムシの茶色*』『生体LAN端子』を所持している場合、【余暇】1日と【万札:20】を消費することで、胴体部サイバネ『カブトムシの茶色』へ強化可能。頭部防具としては失われる。

このメンポの……《カブトムシの茶色》の真価はただ被るだけじゃない。持ち帰った設計図を読み解くうちに、俺は気付いたんだ。身も心も《カブトムシの茶色》と同化することで、俺の強さは新たな次元へ到達するってことさ。
――あるバースにおける若き重サイバネヤクザの言葉――
▶︎▶︎▶︎カブトムシの茶色:装備前提「▶︎生体LAN端子」以上
胴体部サイバネとして扱う。【体力】+4、【精神力】+4、【脚力】-1。
頭蓋骨を《カブトムシの茶色》に置換し、秘められた本来の機能を解き放った姿。
そのパワーに耐えるために胴体もサイバネ化する必要がある。
以下のスキルを自動習得する(PC固有のスキルとは別にカウントする)

ヒサツ・ワザ『カブト投げG』:
『連続側転』を使用していない『近接攻撃』後に6の出目が3個以上あった場合、
『サツバツ!』の代わりにこの『ヒサツ・ワザ』の使用を選択してもよい。
モータルが装備時、『サツバツ!』は発生しない場合でも出目が3個以上であれば使用可。
使用する場合、巨大なツノと漲るカブト・カラテで敵を投げ飛ばし、
2d3+1(3面ダイス×2個+固定1)ダメージを与える。
『ボス級の敵』はこの『ヒサツ・ワザ』の『回避判定』を試みられる(難易度:U-HARD)。
ムテキ・アティチュード状態に対して命中した場合、D3ダメージを与える。
恐怖を煽るメンポやフェアリーのオメーンで顔を隠した狂人と相対したときや、こちらをナメてかかるファッキンヤクザにゲコクジョを挑むとき、カスミガセキ・ジグラットの国庫にカチコミをかけるときも「こいつらは《カブトムシの茶色》とひとつになってないもんな……」と悦に浸ることでセイシンテキを保てる。

▶︎▶︎▶︎胴体部サイバネであるため、ヘンゲヨーカイ・ジツなど変身系のジツを持つニンジャは装備不可能。破壊・修理時などの処理は、通常のサイバネのプラグインルールに準じる。

俺はニンジャソウルとヘンゲヨーカイ・ジツを得て、神に選ばれた気がしていた。でも《カブトムシの茶色》は俺を選ばなかった。俺は泣いた。そして衝動のままにジツを使い、ふと気付いたんだ。俺の姿は……クワガタムシじゃないか。理解したよ。こいつとは、《カブトムシの茶色》とは、むしろ……戦う運命にあったんだ。
――あるバースにおけるニンジャの言葉――

余暇にサイバネ手術を行い、以下の増設ユニットを追加で埋め込める。他の基礎サイバネに埋め込むことはできない。価格及び破壊・修理時などの処理は通常のサイバネのプラグインルールに準じる。

▷カブト・ナパーム
口から発射する小型ナパーム弾。攻撃フェイズに以下の能力で使用可能。装備スロットを占有しない。
『内蔵型』、『遠隔武器』、『銃器』、『ダメージ1』
▷▷カブト・ミサイル
頭部のツノに内蔵した2連装ミサイル。攻撃フェイズに以下の能力で使用可能。装備スロットを占有しない。シナリオ中1発のみ。
『内蔵型』、『遠隔武器』、『銃器』、『爆発(3×3)』、『ダメージ2』
または
『内蔵型』、『遠隔武器』、『銃器』、『連射2』、『ダメージ2』
▷▷カブト・磁力光線
頭部のツノから磁力を発する。近接攻撃を行う前に敵1体を指定し
【カラテ】で判定(難易度:NORMAL)を行う。
成功した場合、指定した敵を自分に隣接するように強制的に移動させ、続けてその敵に近接攻撃を行える。
更にこのターンの近接攻撃時、6の出目が1個以上で『カブト投げ』と名のつくヒサツ・ワザを使用可能。
シナリオ中1回限りの使用。
スキルやシナリオの都合で移動できない敵は指定できない。
『重サイバネ』『戦闘兵器』に対して使用した場合、判定難易度がEASYになる。
▷▷▷オオカブト・レーザー
頭部のツノから発射するレーザービーム砲。攻撃フェイズに以下の能力で使用可能。装備スロットを占有しない。
「追加エネルギーユニット」に対応するものとして扱う。
『内蔵型』、『遠隔武器』、『銃器』、『ダメージ3』、『移動後使用不可』、『シナリオ中1回限りの使用』

サイバネ『カブトムシの茶色』『生体LAN端子+』を所持している場合、【余暇:2】と【万札:40】を消費することで胴体部サイバネ『オオカブトムシの茶色』へ強化可能。サイバネ『カブトムシの茶色』は失われる。

▶︎▶︎▶︎▶︎オオカブトムシの茶色:装備前提「▶︎▶︎生体LAN端子+」以上
胴体部サイバネとして扱う。【体力】+8、【精神力】+6、【脚力】-1。
それは《カブトムシの茶色》の究極なる姿。《カブトムシの茶色》を越えた《カブトムシの茶色》。
以下のスキルを自動習得する(PC固有のスキルとは別にカウントする)

ヒサツ・ワザ『真カブト投げ』:
『連続側転』を使用していない『近接攻撃』後に6の出目が3個以上あった場合、
『サツバツ!』の代わりにこの『ヒサツ・ワザ』の使用を選択してもよい。
モータルが装備時、『サツバツ!』は発生しない場合でも出目が3個以上であれば使用可。
使用する場合、雄大なるツノと無双なるカブト・カラテで敵を投げ飛ばし、
3d3+2(3面ダイス×3個+固定2)ダメージを与える。
『ボス級の敵』はこの『ヒサツ・ワザ』の『回避判定』を試みられる(難易度:U-HARD+、出目6を2個以上)。
ムテキ・アティチュード状態に対して命中した場合、2D3ダメージを与える。
最早他者を気にする必要も、悦に浸るまでもない。日々何が起きても動じず、セイシンテキを保てる。

以上の3種の装備及びサイバネは以下のルールが適用される。

頭部装備『*カブトムシの茶色*』、サイバネ『カブトムシの茶色』、『オオカブトムシの茶色』は一切売却できない。
何らかの手段で手放した場合も、一晩寝て目が覚めると枕元に鎮座している。

もしも不要になった場合はアジトのトコノマに飾るなどすると良い。