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第73回 阪神ジュベナイルFの見どころ

明日は、阪神競馬場で阪神ジュベナイルフィリーズが開催されます。

今年は、なにより展開が読みづらいですし、枠の並びもかなり微妙ですから、果たして力通りの決着になるのかどうか、そこがひとつの注目点になってくるでしょう。

別の言い方をすれば、道中で口を割って行きたがったり、前に馬を置けずに脚が溜まらなかったりした馬は、その時点で即圏外と考えられますから、いかに道中をスムーズに捌けるかも、予想のポイントとしては非常に重要になってくる。そう思っています。

では、早速、レースの見どころを解説していくことにしましょう。


阪神11R 阪神ジュベナイルフィリーズ


ここは、まず展開の読みから入ってみようと思います。

逃げ候補としては、まず真っ先に太宰J鞍上の④トーホウラビアンの名前が上がりますが、前走のラップを振り返ってみると、仮にこの馬が主張して行っても、本当にハナに行けるのかどうか非常に怪しいんですよね。

この馬の逃げと読むなら、超スローになることは必至なんですけど、おそらく、外の馬たちのスピードが有り余っているので、スンナリと逃げの手には出られないのではないか。また、よしんば一旦はハナに出られたとしても、スピードのある外枠各馬に、途中からハナを譲る格好になるのではないか。個人的には、そんなふうに考えています。


そうするとハナ候補となるのは、逃げたほうが良さそうな⑪ラブリイユアアイズ、父親譲りの奇策を好む横山和Jに乗り替わった⑮ダークペイジ、ここ2走逃げて結果を残している大外⑱パーソナルハイ。このあたりに可能性があるのかな、と。

ただし、前走のレースぶりを見ていると、⑬ウォーターナビレラが外から他馬に被せられた場合、武Jが抑えきれずにガツンと行ってしまいそうな雰囲気もあるので、はたしてレース前半でスンナリと隊列が落ち着くのか、という点に関しては、かなり懐疑的ではあります。

なので、道中の並びがどうかとか、ペースがどうかも大切ではありますが、明日のレースに関しては、いかに道中を無駄脚を使わずに捌いてこられるか、そこに焦点を当てて予想を組み立てるのがベターなんじゃないかと思うのですよね。ただ枠の並びがかなり微妙な分、ここの読みが非常に難しくはあるのですが……。


今度は、馬のポテンシャルの部分に着目してみることにしましょう。

まず、時計面で評価できるのは、東京で行われたアルテミスステークスと赤松賞、それから阪神で行われたファンタジーステークスの計3レース。このうち、ファンタジーステークスに関しては、どちらかというとスプリント寄りの前傾ラップになっていますから、その分、ちょっとだけ割引が必要かもしれません。

そうすると、アルテミスステークスを豪快に差し切った⑩サークルオブライフと、先行して2着と健闘した⑯ベルクレスタの2頭。そして、赤松賞を横綱相撲で完勝した⑰ナミュールと、逃げて2着に粘った⑱パーソナルハイを加えた4頭は、当然、ここでも有力馬に数えていいことになるのではないでしょうか。

ただし、パーソナルハイに関しては、東京の芝がCコース替わりで内有利だった週に逃げ粘った格好ではあるので、少し評価を下げる必要がありそう。だとすると、シンプルに考えて、サークルオブライフ、ベルクレスタ、ナミュールの3頭が上位候補。そんな結論になりますね。


ということで、今日は先に、個人的な見解を書いてしまおうと思います。

中心は、⑩サークルオブライフ⑰ナミュールの2頭を横並びとし、少し離れた3番手に⑯ベルクレスタ。この3頭に絞り込むことにしました。


まず最初に、⑰ナミュールを強く推す根拠から解説していきます。

前走の赤松賞は、馬場の内目が有利な状況の中で、出遅れをリカバーする際に少し余計に脚を使ったにもかかわらず、ゴール前で外から豪快に伸びて完勝。その伸びやかなフットワークと合わせて、「これは、阪神ジュベナイルフィリーズでも十分に通用するな」と思わせてくれたものです。

また初戦では、ドスローの中、番手で折り合って究極の瞬発力勝負を制していますから、まさに流れて良し、スローで良し。このように、スイートスポットが広いタイプであることも、展開が読みづらいこのレースでは、大きな強調材料になってくると考えます。

なので、本当はこの馬を中心視する予定だったのですよ、この枠順を見るまでは……。ただ、いくら外が伸びる馬場とは言え、なんだかんだ、この枠順がプラスとは思えないのですよね。C.デムーロJなら、なし崩しに脚を使って惨敗という可能性は少ないのかもしれないですけど、それでも多少の割引は必要だろう、そう考えて、あえて2頭横並びというところまで下げた。そんなふうに理解してもらえたらと思います。

まともに走ったら、現状はこの馬が一番強い。その考えに、変わりはありません。


次に、⑩サークルオブライフ

こちらは出脚が鈍いタイプなので、小細工しようにも打つ手がないですし、この枠なら、自然と後方で脚が溜まる位置に収まるような気がするのですよね。怖いのは、ここ最近は定番となったM.デムーロJの早仕掛けですが、この馬は長くいい脚を使えるので、多少の早仕掛けなら、ギリギリ我慢してくれるでしょう。

また、アルテミスステークスのレースぶりを振り返ってみても、後半に一気にラップを上げて勝ち時計を押し上げたのは立派ですし、ここもシンプルに大外から差し込む形に持ち込めば、自然と結果はついてくるのかな、と。

ナミュールに完璧な競馬をされたら敵わないと思いますけど、安定味という意味ではこちらが上。だからその分を評価して、少し序列を上げて横並び。そう理解してください。


3番手とした⑯ベルクレスタは、どの位置でもスムーズな競馬ができるのが魅力ですね。

悪く言えば、器用貧乏とも言えなくはありませんが、乱戦となることも予想されるこのレースでは、その器用さが大きなアドバンテージになるんじゃないか、と。外枠主導のレースになれば、その後ろで脚を溜めればいいですし、みんなが控える展開になれば、スッと先行してもいいというのはやはり大きな武器にはなるでしょう。

ポテンシャル的に、正直、勝つまではどうかと思いますが、今回はこの馬の器用さを高く評価したいですね。新馬戦でセリフォスと互角の内容のレースをしたことも、この馬を推す補完材料にはなりそうです。


ということで、今日は先に個人的な評価を書いてしまいましたが、ここからは、これまでに名前を出さなかった馬についても、その評価を書き綴っておこうと思います。


まずは、⑧ステルナティーア。

この馬は、新潟の新馬戦の内容が圧巻でしたし、その時点では、個人的にもこの阪神ジュベナイルフィリーズを強く意識させる馬ではありました。ただし、、、なんです。前走のレース映像を何度も見直してみたんですけど、やっぱりレースぶりがもの足りないよな、と。

素質馬コマンドラインに敗れたのは仕方がないとして、2着を確保した点は素直に評価できるのですが、ゴール前の持続のところで3着スタニングローズに迫れられているのが、どうしても気に入らないのですよね。大きく出遅れたウナギノボリとも大きな差はありませんでしたし、スタニングローズやウナギノボリのその後のレースぶりを振り返ってみても、あの2着って、本当に内容の濃い2着だったと評価していいのかなって、疑心暗鬼になってしまったのですよ。

信用できない人気馬は買わない。これが私のポリシーでもあるので、枠もいいところを引けましたし、ルメールJなら確実に力を引き出してくると思いますけど、敵失がない限り馬券に絡めそうもないと評価するなら、ここは結果を恐れずにスパッと消しでいい。そう判断しました。


次は、⑬ウォーターナビレラ。

う~ん、こちらは純粋に強いという感じがしないのですよね。先行できるのはいいですけど、これまでは相手関係と展開にずっと恵まれてきた印象が強いですし、阪神外回りの力勝負で最後まで残せるかというと、ちょっとそのイメージが湧かないな、と。

これが千二とか千四のレースなら別ですが、前走の内容が当時3着だったママコチャと同等くらいだったのなら、このメンバーに入ると力関係的にちょっと苦しいと考えていいように思います。


その他の面々は、基本、敵失待ちになりますし、それでもどうかという力関係ならば、あえて狙う価値はないのかなと考えます。

ということで、ここは上位を⑩サークルオブライフ、⑯ベルクレスタ、⑰ナミュールの3頭まで絞り込んだわけですが、冷静に考えて、3頭揃って力を出し切るというのは、さすがにハードルが高いような、、、

なので、このうち2頭がしっかりと走ってくれれば、まずは御の字。そんなイメージを持って、明日はレースを楽しみたいと思います。

若駒のレースでもあるので、まずは全馬無事に、ですね!

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