見出し画像

第28回 秋華賞のみどころ

本日は多忙につき、やむを得ず全出走馬解説はお休みとし、通常モードでのみどころ解説となります。どうかご了承くださいませ。


京都11R 秋華賞


まずはじめに、牝馬現3歳世代の力関係を振り返っておくことから始めましょう。


阪神ジュベナイルフィリーズ、桜花賞、オークスと、着差はともかくレース内容ではリバティアイランドが他馬を完全に圧倒してきたわけですが、それに次ぐ馬たちを見て行くと、シンリョクカ、ドゥアイズ、ハーパー、ドゥーラの4頭が、それぞれ適性のあるレースで上位争いをしていることがよくわかります。

桜花賞だけは、内目が有利なやや極端といえるトラックバイアスがあった影響もあって、マイル適性が高くレース上手なコナコーストとペリファーニアが間に刺さり込んではきましたけど、大枠で見れば、過去GⅠ3レースにおける力関係に大きな変化はなかった。そう表現してもいいのではないでしょうか。


次に、この点を踏まえてトライアルの紫苑ステークスを振り返ってみると、勝ったモリアーナは、2月のクイーンCでハーパー、ドゥアイズに続く3着と好走していましたし、2着ヒップホップソウルは、オークスでシンリョクカと僅差の6着でしたので、舞台設定が大きく異なるとはいえ、特段の真新しさはなかったという見方もできるでしょう。

ついでに言えば、紫苑S5着ミシシッピテソーロにしても、振り返ってみれば、阪神ジュベナイルフィリーズの5着馬なわけですし……

そうすると、春のクラシック組との力関係が未知数なのは、ローズS組とピピオラくらいのもの。そんな言い方ができるのかもしれないですね。


このように考えてみると、もしも力勝負で春のクラシック組に肉薄できる可能性がある馬がいるとすれば、ローズSを圧勝したマスクトディーヴァただ一頭。そんな評価もできるのかな、と。

もちろん、舞台が京都の内回りであることを考慮すれば、一定の紛れが起こると考えるべきではありますけど、仮にその点を除いて検討するのであれば、とんでもない人気薄馬の一発というのは、にわかに考えづらい力関係になっていることは明らかでしょう。

だとすれば、あとは枠の並びと展開面を精査し、最後に「地力+立ち回り」を総合的に評価するのみ。今年の秋華賞は、そんなアプローチで予想を組み立てればいいのではないでしょうか。


ということで、中心には⑥リバティアイランドを推します。

懸念材料だった枠も理想的なところを引けましたので、これで不安材料が明らかに一つ減りましたし、枠の並び的にも、勝負どころで馬群が凝縮しそうな雰囲気が薄まりましたので、ならば圧倒的地力上位と言えるこの馬の3冠達成が濃厚となった。そう判断しました。

まあ、この枠を引いてこの馬が負けるとすれば、ドン詰まりになって脚を余したとき以外に考えづらいわけですから、ならば断然の一番人気でも、あえて逆らう理由はないと思っています。


2番手は、②ハーパー

春シーズンは、まだ素質だけで走っているイメージでしたから、夏を越しての成長度という面を考慮に入れるならば、春のクラシックでリバティアイランドに続いた勢力の中では、秋になってこの馬が頭一つ抜け出している可能性も十分。そんな気がするのですよね。

また、フェステスバントの鞍上が酒井学Jであることを考えると、同馬が最内枠からハナを主張していくと考えられるわけですが、もしもハーパーが好スタート切れるようだと、ルメールJが番手外を強気に狙っていくのではないか、とも。仮に外からコンクシェルあたりが玉砕覚悟で出してくるにしても、好位でうまくスペースを確保することはできそうですので、展開面を含めた総合評価では、この馬が抜けた2番手というところにスッと落ち着きました。


3番手は、⑦マスクトディーヴァ

もしも、ほぼほぼ力を出し切ったリバティアイランドが敗れる可能性があるとすれば、この馬をおいてほかにいないという評価でいいと思います。走破時計はともかくとしても、「ブレイディヴェーグ相手に大外から一気に突き抜けて完勝」というのは、相当インパクトがあるレースぶりでしたから。

加えて、京都の2,000mにも特に不安は感じませんので、あとは道中の位置取りと立ち回りだけ。仮にリバティアイランドにフタをする形で好位置に収まることができれば、この馬が勝ち切るシーンまで頭をよぎりますので、安定感という意味ではハーパーに譲るものの、一発の魅力では間違いなくこっち。そんな判断となりました。


上位は、この3頭に絞ることにしました。

ドゥアイズ、ラヴェル、ヒップホップソウルの各馬は、内枠を引いたら怖さもあったのですけれど、この枠の並びならまとめて消してしまっても大丈夫かな、と。

一方でコナコーストは、理想と言える枠を引けたので怖さがないと言えば嘘になりますけど、2,000mでは最後のひと押しが利かないのではないかと考えて、少し迷った中で最後に消すことにしました。

ドゥーラは、京都の芝に対する適性面と、スタートの不安を嫌った格好になります。好スタートを決めてインのポケットで折り合う競馬になれば、おそらく馬券圏内争いには絡んできそうですけど、そうなる確率はさほど高くないんじゃないか、と。

モリアーナは、ハマっての2,3着なら十分にありそうですけど、ハーパーとマスクトディーヴァが好枠を引いたので、この馬まで手を回すメリットは少なくなった。そう判断したところです。


サポートは任意です。 この記事があなたのお役に立てた時だけでかまいませんので、サポートしてもらえたら励みになります!