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第38回 根岸S/第29回 シルクロードSのみどころ


東京11R 根岸ステークス


今年のこのレースは、ダート重賞の常連と言える古馬勢に対し、明け4歳の新興勢力がどこまで戦えるのか。大まかにはそんな図式となりました。

ただ、一歩ずつ階段を上ってきた5歳馬、アルファマムやフルムあたりでも、まったく勝負にならないという相手関係ではありませんので、総体としては、有力馬が五指の余る混戦模様と捉えるのが正しいのかもしれません。


さらに言うと、今年は前の並びが非常に読みづらいのですよ。
特に、砂を被りたくないエンペラーワケアが、初めてのオールダートとなるこのシチュエーションにおいて、はたしてどんなレースメイクをしてくるのか。そこが不透明でもあります。

エクロジャイトの横山武Jが、エンペラーワケアをインの閉じ込める戦略でゲートから出してきた時に、川田Jがどのように進路を確保しようと策を講じるのか。「みどころが多い」と言えば聞こえはいいのですけれど、それらをすべて完璧に読み切るのは至難の業と言っていいように思います。


ということで、このレースはバントをしに行ってもスリーバント失敗になることが最初から目に見えていますので、ならばバットを目一杯長く持って、三球三振覚悟のフルスイングをかけてみることにしましょう。


中心には、⑥シャマルを推します。

この馬にとって左回りの千四という条件はほぼベストですし、冷静に見れば相手関係がかなり楽なように感じられますので、アクシデント明けのレースであることを承知の上、ここはこの馬の地力の高さに賭けてみることにしました。

もちろん、この馬自身にもいろいろと死角はあるわけですが、人気上位の馬たちにも同じようなことが言えるのなら、あえて日和るべき理由はまったく見当たらないのかな、と。


2番手は、⑤ベルダーイメル

この馬にとって千四の距離はベストと言えますし、もともとが新潟コース偏重だったこの馬のキャラクターを思い起こせば、ここ最近、東京のこれくらいの距離で安定した成績を残していることも腑に落ちるのですよね。

3走前は60kgの酷量を背負ってペリエールに先着、武蔵野Sでは道中の捌きにロスがあった中でタガノビューティーとはコンマ5秒差でしたので、当時から距離が1ハロン短縮となり、枠の並びもこの馬向きになったことを踏まえれば、ここはこの馬でも十分に勝負になる。そう判断しました。


3番手は、①アイオライト

この馬はどちらかという地味な存在に映りますが、この距離では後続を突き放す圧勝劇を複数回見せた実績があります。

つまり、千四の距離でレースをする以上は、重賞でも力はまったく見劣りしないということになりますので、最内枠を引いてしまった分だけいくらか評価を下げましたが、それでもこの位置では拾っておきたい馬。そんな評価になりました。


4番手は、⑫タガノビューティー

この馬は、この条件ではとにかく堅実に走ってきますので、ドスローからの上がり勝負にでもならない限り、大きく崩れることはないのかな、と。

ただしここは、あまりペースが上がりそうなイメージが湧いてきませんので、差して届かずの絵面を想像しつつ、評価はこの位置にとどめることにしました。


その他、エンペラーワケアは、力を出し切れればこの相手にも通用するのでしょうが、スタートに課題が残っていて、砂を被った時の不安も拭いきれないことから、今回は目をつむって消すという判断に落ち着きました。

サンライズフレイムは、こちらも力は通用するはずですけれど、ここ最近、左にもたれる面が出てきたのがどうしても気になってしまって……。この馬は、好走するとすれば直線で大外に持ち出す形になるのでしょうが、そこから内にもたれることなくまっすぐに伸びて来られるのかという部分で、どうしても信用し切れませんでした。

アルファマムは、千四の距離がギリギリという印象ですので、前走くらいの相手関係ならともかく、このメンバー相手だと鋭く伸びてきて最後に伸びが止まってしまうのではないか、と。実のところ、このレースが仮に千三の距離で行われるのだとしたら、迷わずこの馬を狙い撃ちしたくらいなのですけれど……。

ヘリオスは、間違いなくこの条件がベストですので、楽な単騎逃げに持ち込めれば、十分に勝ち負けのチャンスがあるのでしょう。ただ、さすがにここは外からのマークが厳しくなりそうですし、インからアイオライトがゴリゴリ出して来たりすると、この馬にとっては余計に苦しいレースになってしまうような気がしています。


京都11R シルクロードステークス


今年のこのレースでキモとなるのは、レース時点でのトラックバイアスと、リバーラとテイエムスパーダによるハナ争いがどんな形で決着するのか、その2点と見ていいように思います。

加えてここはハンデ戦でもありますし、上位人気となりそうなルガルやジューンオレンジにゲート難がつきまとうことも、このレースの予想をよりいっそう難しくしている。そんな気がしてなりません。


ということで、ここは⑫メイショウソラフネを中心視することにしました。

この馬は、スッと前に付ける脚があって、そこで一旦息を入れられる展開になると、終いまでしっかりと脚を使える馬。
ここは、前2頭を見る位置で脚を溜め、絶好の手応えで直線を向く競馬ができそうですので、やや人気の盲点になっている印象もありますが、意に介さずビシッと強気に狙ってみたいと思います。


2番手は、⑨サンライズロナウド

今のこの馬なら、この距離でも追走に苦労することはなさそうですし、一頭になると気を抜くクセのあるキャラクターであることを踏まえれば、ゴール前で混戦模様になりそうな点もプラスに作用するのかな、と。
前2走は時計以上に内容の濃いレースができていましたので、このハンデなら一気の差し込みを期待していいのではないかと考えています。


3番手は、⑦ジューンオレンジ

この馬は、時計勝負にも対応できる馬ですけど、荒れた馬場でも自分の力を出し切れるタイプであるとみました。
距離も、むしろ千二でいい気がしていますので、ゲートさえ五分に切れれば、上位争いに絡んで来られるのではないか、と。


4番手は、⑬アグリ

この馬からすると、ここはかなり相手に恵まれた印象がありますので、スプリント戦ではスッと位置が取れなくなった現状を踏まえても、ノーマークにはできない存在ではあるのでしょう。
その一方で、人気ほどの信頼が置けないのも事実ですから、やや玉虫色の結論になってはしまいますが、最後のひと枠で拾っておくことにより、さらっとお茶を濁すことにしました。


その他、ルガルは、ここ最近ゲートの出が遅くなっていますので、西村淳Jがおっつけて位置を取りに行く形が想定されるわけですけれど、今の京都のトラックバイアスだと、馬場の悪いインを通らされて終いの伸びを欠く結果につながる。そう決めつけて、今回は消すことにしました。

エターナルタイムは、ここが初の右回り&関西遠征ですからねえ~。距離短縮自体には対応できそうですけれど、克服すべき課題が山積している中でのこの人気ですから、やはり積極的に狙いたいとは到底思えませんでした。

バースクライとオタルエバーの両頭に関しては、ここだと相手関係が厳しいのではないか、と。ハンデ戦の分、上位進出の目がないとは言えませんけど、穴人気しているこの馬たちには、とても食指は動かなかったですね。

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