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第34回インターナショナルS(2005年) [競馬ヒストリー研究(6)]

今月18日から21日にかけて行われる英国競馬夏のビッグイベント、ヨーク競馬場のイボア開催。

メインカードで初日の18日に行われる芝10F56yのGIインターナショナルSは、2019年にシュヴァルグランが出走するなど日本人にもお馴染みのレースだ。そして、その名が知れ渡るきっかけとなったのはゼンノロブロイが出走した2005年の一戦であろう。


1972年に創設された、同国の大レースでは比較的歴史の浅い競走であるインターナショナルS。

1985年までついたスポンサー名を冠し、ベンソン&ヘッジズゴールドCというレース名で行われたその第1回は、Brigadier Gerardがデビュー16連勝の欧州記録をRobertoに阻止されるという世紀の大波乱が起きたことでも知られる。

IFHA発表の年間レースレーティングによるランキング「世界のトップ100GIレース」では上位10傑の常連で、2020年には1位を獲得。正に世界トップクラスのレースだ。


当レースに日本から初めて出走したのが、2005年のゼンノロブロイ。前年に天皇賞秋、ジャパンC、有馬記念の秋古馬三冠を制覇し、当時騎乗したO.ペリエからも、欧州で勝つ力を十分に持っているとのお墨付きを得ていた最強古馬だ。

アスコット競馬場の改修工事に伴い同コースで行われたプリンスオブウェールズSを2着したクールモアの4歳馬Aceが1番人気。あとは前年のキングジョージVI&QES勝ち馬Doyen、前走ミラノ大賞でGI初勝利を挙げたイタリア調教馬Electrocutionist等で、同年に英・愛・仏国のGIを制した馬はおらず低調な顔触れとなった。

海外遠征を見据えて始動戦に選んだ宝塚記念を3着して渡英したゼンノロブロイにも好勝負が見込まれ、現地のブックメーカーでは2番人気のオッズが付けられた。

初めて走る英国の馬場にノメりながらも、7頭立ての後方2番手から直線で馬群の真ん中を突いて差し込み、鞍上の武豊は騎乗停止覚悟でステッキを連打。5頭並ぶ接戦を制したかと思われた次の瞬間、Electrocutionistに外から差し切られ2着に惜敗した。

当日のコース確認を入念に行うとともに、戦前には英・愛国勢の5頭を映像で研究して臨んだという武。しかし結果的には唯一情報を得ることが出来なかった伊国馬にしてやられる形となった。


凱旋門賞との間隔がそう遠くない1か月半前に行われ、賞金も大きく水を開けられているが、そのレベルは勝るとも劣らないものがあると言っていいインターナショナルS。

日本馬にとっては比較的走りやすいヨーク競馬場で行われ、日本の血統が英国でも活躍する現在だからこそ、再び我が国からトップホースが参戦することを期待したいレースである。


今年のインターナショナルSはエクリプスSに続くSt Mark's BasilicaとMishriffの激突が注目ですね。他にはLoveやAlcohol Free等が登録しています。

グリーンチャンネル「Go Racing!」の企画「POGザ・ワールド」で指名しているSt Mark's Basilicaを個人的には応援したいですが、早い段階からここに目標を定め、ヨークの速い馬場に替わって条件が好転するMishriffも侮れません。

また、Loveの名前は同じクールモアの3歳牝馬Snowfallが登録している19日のヨークシャーオークスにも残っています。直接対決はないと思われますが、どちらの動向も要注目です。


小倉記念は、亀谷敬正氏が言うところの"ハンデディープ"になりつつあるファルコニアに、関屋記念は時計が掛かって良さそうなシャドウディーヴァに注目します。

それではー

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