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ギアがなければ踏めばいいじゃない

「ギアがなければ踏めばいいじゃない」

まったくもってその通りだ。
私のDAVOS D604ネオランドナーにはブレーキローターにも引けを取らない存在感のある40t以上のローギアを備えている。だが横を走る小林は30t前後であろう小ぶりなローギア、そりゃ踏むのも辛いだろう。
しかし目の前には壁のようなグラベルの登りがそびえ立っている。

とにかく寒い野辺山の711
身体が寒さに慣れていない

ここは信州は長野県と山梨県の境に近い野辺山高原一帯。
お馴染み滝沢牧場を拠点に開催された”第2回野辺山グラベルチャレンジ”にやって来た。

DAVOS D604ネオランドナー
見てよこのシルエットの纏まり

ニセコ以来のグラベルイベントとあって楽しみが止まらないのだが、今回は前述の通りDAVOS D604で参加した。
もう一台のD309ネオスポルティーフはアルテグラ12sを備えてはいるが、長野のグラベルは斜度もキツいという事は古くから言い伝えられ、古事記にもそう書いてあるほど有名だ。
その為、ギア比の幅に不安があるD309ではなくD604でやって来たわけだ。
このD604はグラベルバイクではない、ネオランドナーと謳ってはいるがタイヤ幅は選ばないし質実剛健なそのチュービングと頑丈さは目を見張るものがある。
また個人的にフルGRXで組まれたコンポーネントとDedaのGERAカーボンハンドルを試してみたかったのもある。
そんなわけで多少の重量は覚悟のうえで野辺山のグラベルへと散っていく。

アバンギャルド

土日開催と2日間に行われたGCは朝は一桁前半の気温で心身共に凍り付く寒さ、想像に容易いであろう。
両日とも秋晴れの突き抜けた好天。
だがアホな自分はレッグウォーマーを忘れるという失態をメイク。
しかし2日目についにサバハラの究極系サバジャージことSAVATINI AthleticDeptのローンチライドも相まって気分が良い。

さてコース以下の通り
チャレンジグな設定のDay1:総距離:75.7km、獲得標高:約1,940m、未舗装率:41% - 約30.5km
風光明媚な気持ちよいDay2:総距離:44.8km、獲得標高:約1,229m、未舗装率:約61% - 27.5km

Day2
距離は短けど坂は多い

Day1とDay2でルートのキャラクターがしっかり分かれている。距離はそれほど長くないが、しっかり登るレイアウトであることは間違いない。
野辺山近郊に平地なんて存在しないって万葉集にも書いてある。

私自身、基本的なスタンスとして最近全く自転車に乗れておらず、フィジカルが地の底にまで落ちている為、タイムを狙わず楽しんで走る事を優先する。
レース部門ではあるがタイム計測地点以外は基本サイクリングペースでその土地を感じながら走られるのが、このイベントフォーマットの良い所だ。
もちろん一緒に走ったメンバーはSS区間に入ればカッとんで行ったが私はずっとマイペース、それでいて下りは攻めてみるのも楽しいものだ。

お分かりいただけるであろうか?

前述のDedaのGeraハンドルは前に一度オフセットするユニークなスタイル。その後、グラベルハンドルらしくフレア形状でドロップしている。このフレア形状がすこぶる調子よく、下りは基本下ハン派の私は、フレア形状のおかげで腕がハンドルに当たらず上半身の自由度が高い恩恵により、下りの気持ちよさは最高であった。

また重さがネックになるかと思っていたD604ではあるが、下りでの安定感は重量から来るドッシリ感も相まって非常に安定していた、故に攻め甲斐があり面白さレッドゾーン。

タイヤもIRC Tire BOKEN double cross38cでノートラブルだったことは言うまでもない。比較的重そうに見えるdouble crossではあるがセンターの転がりが良く、舗装登坂でも軽快に上って行ってくれたのは嬉しいポイントであり、サイドのノブとコシの強さはコーナーでの絶対的グリップ感がメンタルに優しい。

フカフカに見えるでしょ?
コレで枯葉の下は岩だらけなんだぜ

そんな気持ちよい装備で走り出せば気温は一桁後半をキープし続け、グラベルの高強度ではちょうど良い気温が続く。Day
2は特にコースが良く、写真スポットや極上の路面コンディションも味わえる。
ニセコのように緩くて長い下りはないものの、急こう配でコースターのように堕ちていく感覚を味わいながら、バイクを路面に沿わせていく行為は何時だって最高に楽しいものである。

言うまでもなくグラベルは楽しい、それも野辺山の地であったりニセコであったり。より自然に近い所を走れる、非日常への近道がグラベルであることの再確認がしっかり出来た良い2日間であった。

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