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勉強は自分でしなさいよ。

君たち全員に優の成績をあげるけれども、勉強は自分でしなさいよ。

wikipediaより

上記はノーベル賞学者の湯川秀樹さんの言葉であるが、本当に久しく勉強とは縁遠いものであった。
仕事で自社研修などは頻繁に受けるがどちらかというとセミナー的な内容が殆どで考え方の方向性などであるため、方程式や決められた数値を暗記するといった通常の勉強とは少し毛色の違う内容のものばかりであった。

ここにきて何の話かと思われてもしょうがない。俗にいう”乙4”所謂、第4種危険物取扱者の資格について取得の必要性が出てきたのだ。
何を隠そう私は根っからの文系畑であり、元素記号や化学反応、はたまた数式なんて類は拒否反応が出るほどに苦手であり、見た瞬間に胃がキューと締め付けられる思いをするのだ。
実際にピロリ菌による慢性胃炎で、胃がずっと調子悪いのは事実としてあるのだが。

さて、そんな私も乙4取得を目指し、まずは手短に過去問題集を公式webページからDLしてきて早速解いてみるのだが、案の定全く分からない。
そりゃ国家資格であり、一般常識で解けるような問題では無いのは承知の上、しかしここまで無力で無知だとは思わず、急いで書店に足を運び、資格取得本コーナーへ向かうが、同様の本が多すぎて怯む。
悩んでも仕方ないし本になってるぐらいならある一定の質は保たれてあるだろうという希望的憶測を元に直感で選んだ一冊抜き取りレジに「私、今からこの資格取得を目指します!」と高らかに宣言するかのように支払いを済ませるに至った。
なぜその本にしたかって?表紙に「1回で受かる」と堂々と記載されていたからである。

しかし参考書を購入したのは試験日の1週間前、私の性格上、期間があると怠ける為だ。自分のことは自分が一番よく知っている。
昔から短期間詰込み型で今までやってきた、今回もその前例に沿ってギリギリにて取り組む訳だが、前述の通り暗記する数字と似たような言葉、そして方程式に阻まれる合格への道と私のモチベーション。

例題では悩まず、すぐに答えを見に行くスタイルでこなしていく。
これは悩んで答えが出れば簡単なものであり、解らない問題に関しては悩んだところで答えにはたどり着かない。
であればすぐに解説を読んで「そういうものだ」と叩き込んで次に行った方が効率的と思っているからだ。

文系の私には宇宙語に見える。
宇宙語見た事ないけど。

毎日5時間、計5日間(1日は飲みに行っちゃった)ほぼ毎日机に向かい勉強した結果を発揮するため先週日曜日に幡ヶ谷にある消防学校に出向き、いざ試験本番。
しかしどうした物か、例題をみっちりやりこんで正解率も9割5分まで上がっていたが最初の問題で躓く。
問題の文面がとてもいやらしいのだ。
大江健三郎の如く読みにくい文面なので、読み取り方によってはどちらとも読み取れてしまう受験者を試している様にしか思えない書き方である。
そりゃ受験者の試しているのだから致し方ないが、にしてもだ。

そうこうしているうちに試験開始から35分経過し「終わった方から退場していただいて結構です」のアナウンスが試験場内に鳴り響く。
ガガッという椅子を引きずる音で一斉に立ち上がる受験者たち。
「おぃおぃ、そんなに大勢が30分そこらで全問解けたのかよ!」
焦りは禁物だ。時間の猶予は2時間ある、私は一問一投足すべて確実にこなしていこうじゃないか。と60分かけて一通り通しで答え見直しにさらに30分費やした。

消防士さん、文武両道ほんと尊敬します。

手応えは全くなかった…

試験場を出た幡ヶ谷の街の空は参考書の表紙のようにとても青かった。
試験場を出たその足で向かったのは、上野公園にある国立博物館の無料公開だ。自分へのご褒美としては聊かわずかではあるが。

勉強はじぶんでしなさいよ。


試験結果発表は8月上旬である。

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