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生き別れのアダプター

「良し、これで大丈夫だ。」
私はなんの疑いもなく3.5mmステレオミニプラグ(フォーンプラグ)を端子に差し込んだ。しかしiPhoneに音が入力されている気配がない。そんなバカな。
3.5mmステレオミニプラグ、ご存知ミニプラグ端子界の代名詞。しかし3極もあれば4極もある。3.5mmではない物まである。端子地獄、端子沼だ。
私は素早くヨドバシドットコムのサイトを駆け回る。

事の発端はたわいもない呟きから始まった。

bikinTV樋口さんからの突然のリプライ

昨日行われた第28回 全日本自転車競技選手権シクロクロス大会1日目の夜のことだ。
私は家で初日のbikinPOV(point of view一人称視点)配信でSSクラスを眺めていた。激しい先頭争いに夢中になり画面を見ていたが、ふと「誰かと騒ぎながら話をしたい。という欲が沸々と湧いてきたのだ。
じゃあ自分から話せばいい。
そんな安直な気持ちで文字通り呟いたらbikinTV樋口さんからリプがきた。
「明日の映像からしてみたら?」
一瞬ひるんでイモを引きリプをしてしまったが、改めて考えて”やりたい”と思ったら止まらない。
私のPodcast収録配信機材ZOOM P8の出力端子は6.3mm、スペースで話すにはiPhoneのLightning3.5mmヘッドフォンジャックアダプターに入力するため、6.3mmを3.5mmに変換するケーブルが必要だ。

我々の味方。なんでも揃う古の電気街。
そう、秋葉原ならね

東西線に飛び乗り目指すはヨドバシ秋葉原、思い立って20分もあればヨドバシだ。店内をウロウロ、あれも欲しい、これも欲しい、もっと欲しいもっともっと欲しい。いや違う、ケーブルが欲しいのだ。ヨドバシは本当に危ない。
お目当てのケーブルを見つけ、なぜかガンプラまで買ってご満悦で家に帰る。これで配信は可能だと意気揚々に機材テスト。
音が出ていない。冒頭の話だ。

白くてわかりずらいがEarPodsは4極だ

当たり前だ。よくよく考えなくてもiPhoneのEarPodsにはマイクがついている。マイク付きの3.5mmイヤホンジャックは4極なのである。
手元に3.5mmのジャックがある方は見て頂きたい。2本の黒い線(EarPodsは白い線)によりジャックが3分割されているのであれば、それは3極である。
3本の線で4分割されているのであれば4極となる。
今欲しいのは4極のジャックなのだ。盲点であっったというか完全に失念していた。

時計はもうすぐ22時、ヨドバシ閉店のお時間である、蛍の光でも流れている頃であろう。今からは行けない。
寧ろもう一回行くなんて正直行きたくない。負けを認めたくない。小さなプライドが邪魔をする。
であればエクストリームお買い物だ。
Webで注文、在庫があれば24時間店頭受け渡し可能なのだ。
早速3極4極変換アダプターを注文、受け取りを深夜窓口にするがもう眠い。
寝よう。

翌日7時過ぎに、早朝の都内を秋葉原に向かって自転車を漕ぐ。休日の早朝時間帯での都内の道は好きだ。警備員に案内され受け渡し窓口で無事アダプターを購入。早速家に帰りライン入力を試みる。

P8の6.3mmを3.5mmに変換した3極ジャックを赤色(マイク入力)へ刺す
反対側の3.5mm4極ジャックをLightningアダプターへ刺す
LightningをTwitterスペース配信母体であるiPhoneに刺して無事完了
もう何が何だか、もはやムカデ人間

これにより無事、変換に変換を重ねたマイクの声はP8でRecしながら通過しiPhoneへ出力されていった。
突然解説のアサインをしたgyoさんも突貫で選手の情報をかき集めてくれたし、bikinPOV樋口さんも映像利用について快諾してくれた。
そのおかげで日曜日の男女エリートのレースは多くのリスナーと共有しながら見ることができた。

おじさん達の戯れ

MCは本当に大変な役割だ。現場の空気感の大部分を声で担うその大役。
性格無比な選手情報の提供と、現場を細かに伝える言葉のスキルと語彙力。そしてレース展開を見極める洞察力。それも全カテゴリー行うなんて大変な仕事だ。所詮私はwebで好き勝手に話をしているに過ぎないが、情報を伝えたい、レースを共有したいと思う。
何も現場だけが全てじゃない、何かしら出来ることはあるはずだ。

bikinさんのPOVはpoint of view(一人称視点)ではある。
しかし今回の私にとってはPoV(Proof of Value)所謂”価値実証”やることに価値があるのかな?であった。

https://podcasts.apple.com/jp/podcast/radio-rueda/id1490877459

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