はじまりの手紙

そう僕ら ポツンと放り出されたまま
浮かぶ小舟はふわりふわりと浮遊して 
まじりあっては はなれていく
人の行き交う四つ角で

背中合わせにみるこのまちは
ひとりで見渡すよりも
孤独で灰色な小舟漂うまち

同じ空間時間を共有する奇跡 それは
時計や仕切られた空間に収まることはなく
響き合う音 紡ぐ言葉たちは
時を渡り その隔たりを越えていくから

時間よりも時計のほうが早く
傷みはいつしか祈りに変わる  
君には君の旅があり 僕には僕の旅がある
違う景色の中にも 同じ色が輝いて
重なり合う車窓には新たな景色が宿る

背中合わせにみるこのほしは
きっとひとりで見渡すよりも
広くて大きいはずだから

この道は この空は この世界は
求める限り どこまでも つながっている
想像力という翼で羽ばたくことを忘れさえしなければ
どこへでも どこまでも 翔んでいけるんだ

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