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2023年のThinkPad

2023年モデルのThinkPadが最近発表された(おそらく一部のみ)。

現状ではX/TのAMD向けがまだ未発表だし、ワークステーションモデルもまだないが、ここではとりあえず現在(2023/4/20現在)発表されているものだけを取り上げて、前年から何が変わったのかなどを取り上げたい。

 なお、今回発表されたのは以下の15モデル。各モデル名をクリックすると、最近できたらしい『Lenovo Tech ブログ』というページの紹介記事に移動する。

・ThinkPad X1 Carbon Gen 11
・ThinkPad X1 Yoga Gen 8
・ThinkPad X1 Nano Gen 3
・ThinkPad X13 Gen 4
・ThinkPad X13 Yoga Gen 4
・ThinkPad T14s Gen 4
・ThinkPad T14 Gen 4
・ThinkPad L13 Gen 4
・ThinkPad L13 Gen 4(AMD)
・ThinkPad L13 Yoga Gen 4
・ThinkPad L13 Yoga Gen 4(AMD)
・ThinkPad L14 Gen 4
・ThinkPad L14 Gen 4(AMD)
・ThinkPad L15 Gen 4
・ThinkPad L15 Gen 4(AMD)

  ※完全に余談だが、このブログの記事巻末にはPSREF(仕様や固定モデルの構成が一覧できたり、各ドキュメント等のリンクがある)やその他の便利リンクが書いてあり、非常に有用なブログに思えた。
 レノボジャパンの社員がこの記事を見てるとは思わないが、もし見ていたら今すぐ大々的に広報・活用するよう広報部門に進言してほしい。法人向けに役立つとは思えないが、個人でThinkPadを買うようなオタクはこういう記事が大好物である。

2022年モデルからの(大きな)変更点

①メモリ搭載量の増加(X1 Carbon/Yoga、T14 Gen 4)
 X1 CarbonやX1 Yogaのようなオンボードメモリのみのモデルですら、ついに64GBメモリを選べるようになった。仕様上16/32/64GBが用意されており、いよいよこういう時代がきたかという感じ。実際に買えるようになるのかは不明だが。

X1 Carbonもついに最大メモリ64GBの時代
システムボードにも64GBオンボード搭載のSKUがある

 細かく見ると、動作クロックは搭載メモリ量で違うようで、64/32GBではLPDDR5x-6,000MHz、16GBでは6,400MHzとなるっぽい。この辺はメモリコントローラーの仕様によるところかもしれない。

内部的には8チャンネル接続らしい。ホンマか?

 T14は、先代だとオンボード16+SODIMMで32GBの計48GBが最大だったが、今回のGen 4ではオンボード32+SODIMM32GBのこちらも計64GBが仕様上の最大となった。以前、筆者がT480を使っていた時は動作保証外とはいえ64GB搭載できていたので、ようやく元に戻ったともいえる。
 なお、逆にX1 Nanoのように最大メモリが減っているものがある。先代のGen 2では最大32GBまでだったが、今回のGen 3は最大16GBだった。動作クロックがLPDDR5-5200から6400MHzに上がったのも影響したのかもしれないが、メモリが物理的に載らないとかだろうか。

②OLEDディスプレイ採用機の増加(X13、T14)
 一部モデルしか採用されていなかったOLEDディスプレイだが、X13 Gen 4やT14 Gen 4でも解像度2,880×1,800のOLEDパネルが仕様上用意されるようになった。ただしT14はOLEDの代わりに解像度3,840×2,400のパネルが仕様からなくなってしまい、いいのか悪いのかは人次第という感じ。

③Pプロセッサーの消失(X13/T)
 2022年モデルのThinkPad X13やT14は、CTOでP型番(i7-1270Pなど)のCPUを選べたが、2023年モデルでは上からPプロセッサーがなくなり、U型番のみのラインナップになっている(ように見える)。別に第13世代のIntelプロセッサーからP型番がなくなったわけではなく、単にUプロセッサーでも性能が担保できるようになったのか、Pプロセッサーの発熱を捌くのが厳しいのか、実際は仕様にあるが日本向けのリリースには書いてないだけなのか、その辺の理由は不明。

追記:ThinkPad L14 Gen 4のPSREFによると、仕様上はPモデルも存在することになっていた。訂正しお詫びします。L15も同じでした。
ただし発売後に選べるのかどうかは不明。


よく見るとP型番のCPUも仕様には載ってた




その他細かい変更

①筐体の小型化、軽量化(X13 Gen 4)
 Gen 3から幅約4mm、奥行き約3mm、厚みが約2mm薄くなり、重量も約200g(構成によって異なる)軽くなった。正直軽いとか小さいとかは富士通に任せておけばいいと思うんだけど、世間的にそういうのが求められる世の中なので仕方ないのかもしれない。
 なおX13 Yogaの方は幅だけ4mmほど小さくなり、他は大差なし。

②AMDモデルのCPUについて
今のところ発表されているAMDモデルはすべてLシリーズで、同じCPUを使っている。型番が7000シリーズになったので一見新しくなったように見えるが、いずれもZen 3/3+世代であり、雑にいえば2022年モデルと大差はない。これは2023年からモバイル向けCPUの命名規則が変わったからであり、少なくともLシリーズのAMDモデルに使われているものはZen 4世代に見せかけたZen 3世代である。詳しいことは以下のページを見ると一目瞭然。

GPUについてはIntelモデルより強力だったと思うが、CPUのことまで考えるとIntelモデルの方がいいのか、でもLのIntelモデルもCPUはUモデルだけのように思える(PSREF上はPモデルも存在するが)し、うーん悩ましい。

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