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小さな願いを大きな力に。 -インドのパッドマン-

こんにちは。
最近、パッドマンという映画がキテる!面白い!という声を聞いたので早速見てきました。
実際、めっちゃ面白かったです。
そして色々と考えさせられる内容だったのでネタバレ全開ですが個人的に考えたことをシェアです。


そもそもパッドマンとは?
ものすごくざっくり説明すると、
インドでは生理用ナプキンの値段が高く、多くの方が使用できず病気や命を落とすということが問題になっていました。
主人公ラクシュミは妻のために安価で安全なナプキンを作ることを決意し、数々の困難を乗り越えながら奮闘していく実話を基にした物語です。

この段階で映画が気になった方は是非とも劇場へ。
見終わったらまた僕の文章を読みにきてください。笑

ここからはネタバレ込みの内容になります。

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この作品から僕が受け取ったメッセージはこの3つです。

周りから非難されても続ける胆力
・1人のバカを英雄に変える存在
・1人で笑うのではなく、みんなで笑う

作品のメッセージを解説する前にインドの生理用品やそれに付随する内容をもう少し補足すると、
インドでは生理の期間中、女性は家に入ることが許されず外と中の廊下のような場所で食事や睡眠をとります。
そして多くの女性が生理用のナプキンが使えず、使い古しの布で代用させています。
そのため、感染症になってしまったり、最悪の場合死に至ることも。
しかしながら、劇中2001年のインドではそうした女性の生理を穢らわしいと捉えたり、古い習慣に囚われている状況でした。

生理用ナプキンが利用できない一番の理由はその値段では1セット55ルピー。

この値段がどのくらいのイメージを映画のホームページが解説していて、引用すると

2001年にもらったチェンナイの中華ファーストフード店「ヌードル・キング」のチラシでは、「野菜焼きそば」が23ルピー、「チキン焼きそば」が32ルピー、そしてソフトドリンクやコーヒーが1杯5ルピーとなっている。55ルピーあれば、菜食主義者なら2人がドリンク付きの焼きそばを食べられる、という計算だ。「ナプキン55ルピー」はドリンク代の11倍の値段なので、今の日本に当てはめてみると、マックのドリンク類が1杯100円としてその11倍、「ナプキン1100円」ということになる。

とのこと。この値段設定では消耗品であるということも含め買いづらいとなるのもわかる気がします。

周りから非難されても続ける胆力
主人公ラクシュミは妻を救うために高いなら作ればいいという考えのもと、生理用ナプキンの自作を開始します。
ところが、これが大失敗。それにもめげず改良を重ねます。
妻だけでなく、妹たち、医大の女子生徒、初めての生理が来たばかりの女の子など様々な人にヒアリング調査を行いますが、周りの人からは完全に気が狂った変人扱い。(そりゃそうなるよね、とも思いますが。笑)
やがて、家族はそんな辱めに耐えられなくなり、最終的には妻もラクシュミの元から離れていってしまいます。

このパッドマンの最初のターニングポイントがここだと個人的には感じていて、それでもラクシュミは生理用ナプキンを作ることを諦めなかったのです。
最初は妻のためだったけれど、それがこの国全体の問題であると気づいたラクシュミはその問題から決して目を離さなかったのです。
どんなに逆境でも決して諦めない胆力、村を追放され1人になっても、なぜ失敗するのかその原因を追求し続けます。
そうして向き合い続けたからこそ、値段が高いのは大型の機械を使った大会社の搾取であると気づき、安価に生産できる機械の発明に成功します。

・1人のバカを英雄に変える存在
完成したはいいものの、相変わらず気味悪がられて発明は全く日の目を見ません。
しかし、ある時パリーという1人の女性が彼の発明に共感し様々な手助けをしてくれることになりました。
彼女はその発明を発明コンテストに出してみないかと持ちかけ、見事優勝を勝ち取ります。
コンテストから戻るとラクシュミの発明が村でも話題になり、英雄扱い。
しかし、村人はどんな発明をしたのか理解しておらず、それが生理用ナプキンだと知り態度が急変。
穢らわしい変人とまた見放されてしまします。
この状況を一変させたのが先ほどのパリー。
女性同士だからこそできる話を村人と交わし、1人、また1人と利用者を増やしていったのです。

このパリーの最初のフォロワーという役割があったからこそ、パッドマンはパッドマンとして成功することができたのです。
こうした最初のフォロワーの存在についてデレク・シヴァーズさんという方が3分でスッキリと解説してくださっているので是非ご覧になってください。

・1人で笑うのではなく、みんなで笑う
最初はタブーな領域であると中々反応を示さなかったけれど、少しづつ理解が広がり、多くの女性が発明をインド中に広めることに協力してくれるようになりました。
そうしたことで雇用も生まれ、女性の生理問題と雇用の問題を一石二鳥で解決していくことになりました。
映画の終盤、国連に呼ばれてスピーチをするラクシュミはこんな内容を話します。
発明を完成させ、稼ぎ、1人で笑っていれば僕はパッドマンではなくマネーマンになっていた。
でも、みんなを笑顔にしたかった。だから僕はパッドマンになることができたし、インドで生理用ナプキンの使用率を100%にするのが今の僕の使命である。
(細かいセリフは異なるかもですが、大まかなニュアンスです、ご容赦ください。)

映画のラストには妻とも再会を果たし、ハッピーエンドで物語が終わります。


改めてこの映画のポイントをまとめると、
個の努力を最大限こなし一つの成果を出したこと、
そしてその価値を理解した最初のフォロワーがその成果を世に広げ、
最後には全員が幸せになるという結末につながったのです。

このように大きく社会を変える出来事も最初は大切な人を守りたいという小さな願いから始まったのです。
願いを形にするために行動を惜しまない、どんなに逆境でも諦めずに結果を出す。
結果を出して初めて周りの理解が生まれ、仲間ができる。

こういった考え方は決して特別なことではなく、僕たちの日常にも必要なことなのではないかな、なんて思います。

最後に実際のパッドマンのスピーチがあるのでこちらも載せて終わりたいと思います。


今回の内容はここまでになります。
改めて、本当に素敵な映画だったので是非皆さんもご覧になってください。
投稿面白いな、この人を応援したいな、と思ってくださった方は応援のコメントやシェアなどしていただけると幸いです。
そこは違うんじゃない?などの意見やスキを押してくださるのも大歓迎です。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

ライ

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