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VIVE XR ELITE を体験してきた。

はじめに

はじめましてraikohGTです。
普段VRプラットフォームでVRコンテンツ作ったりしている者です。

2023/02/13にこちらのイベントに参加させていただき、発売前のVIVE XR ELITEを体験してきました。

VIVE XR ELITE

イベント

結論としてはかなり出来の良いデバイスだと思いました。
装着感がとにかくすばらしいです。

私が普段使用しているHMDはQuest2で、ゲーミングノートPCにケーブルで繋いで使用する事が多いです。バッグ1つに雑に全部まとめて持ち運んだりしています。
スタンドアロンでVR使用する用途はあまりなく、PCVRメインで使うことが多いです。VR酔いはしませんが、だいたい2時間以上HMD装着していると頭が痛くなってくるので長時間使用するのが厳しいタイプです。
そのようなユーザーの視点で書いてると思ってください。

レッツゴー!

メガネ型とバッテリー型

見た目

オタクブラックを基調にした高級感のある質感。
全体的に手触りがよい。

メガネのレンズのような部分 カメラを塞がなければ光沢部分は覆ってしまっても特に影響はないらしい

変形する

このデバイスの面白いところはパーツの着脱によって用途に合わせた変形ができるという点。

パーツ着脱で形状変化できるおもしろガジェット たのしい
押して引っ張ると外れる

これによってバッテリーを使用装着したモードとメガネモードを切り替えることができる。

この電源との接続が物理的に取り外せるようになっているのも地味にありがたい。
Quest2を使用しているときによくあったのが、電源を切ったつもりだったが、いつの間にかスリープ状態になって充電が空になっていたという現象。
慣れていてもよくやってしまうので、こういったヒューマンエラーが構造上起こらなくなってるのはいい。

フェイスカバー

マグネット式着脱 材質はメッシュなので汗を吸いそう
肌触りの良いメッシュ材質

フェイスカバーの材質はメッシュ性。
マグネット式で本体にとりつけるようになっており、片手でも着脱できる手軽さ。
汚れがちな目の周りの部分のメンテナンスもしやすくて良い。

メガネ型

フェイスカバー外している状態
フェイスカバーあり

かなりコンパクトで良い。
体験した感じでは個人的に一番使いたいタイプ。

バッテリー部分のパーツが(本体以上に)重いため、それが無いメガネ型はとても軽くてコンパクト。
フェイスカバーをつけたままだと干渉するので外す必要があるが、ツルの部分をメガネのように折り曲げることができる。
この状態だとスキーゴーグルなどより小さくなる。すごい・・・

折り畳める
ツルの部分のパーツは電子的な機構は入っていない単なるパーツ

(3Dプリンタでこの部分の自作ガジェットを作るのも楽しいかも・・・)


ホットスワップ対応なので電源を切らずにモバイルバッテリー交換ができる。長時間イベント稼働などの用途でも安心

メガネ型で動かす際はUSBポートから給電をする必要がある。
モバイルバッテリーを服のポケットに入れて使用する形だと、頭部に重さを殆ど感じずに快適だった。

つけたまま頭を振り回しても本体が軽いのでそれほど遠心力がかからず安定している印象だった。

長めのケーブルを使用すればコンセントからも給電可能。

バッテリー型

コンパクトなゴーグル部分より後頭部のほうがデカくてどっちが本体かわからないレベル

フェイスカバーと後頭部で保持するタイプ。
かぶった後に、背面のダイヤルを回して締め付ける。

バッテリー部上部にUSB typeCのポートがある

この状態の給電、PCとのケーブル接続はこの部分のtypeCコネクタで行う。
ポートが上向きなので、L字型のケーブルと一緒に使うのがいいのではないかと思う。

湾曲したプレートになっており、後頭部の広い面でしっかりと保持される。
頭頂部のバンドはなく、前後のみで保持する形になっている。
頭部バンドがあるとかぶったときに髪がぐちゃぐちゃになるので、なくてもしっかり保持されるHMDなのはありがたい。

このバッテリー持続時間はスタンドアロンで2時間ほど。
急速充電30分で50%まで充電することができるらしい。
このバッテリー部分だけの取り扱いもするかもとのことだったので、2つ用意しておけばバッテリー切れで電源を落とすことなく長時間稼働することもできそう。

視力調整機能

かなり装着感や手触りに力を入れているなという印象。快適なHMDを探している人には良いと思う。

視力が悪くても裸眼で使用できる

かなりありがたい機能。
近視の人はこの機能で裸眼でもはっきり見ることができる。
眼鏡かけなくて良くなるのでそれだけで快適度が上がる。最高。

(医療器具ではないので、厳密に視力いくつで使用できる とは明言できないらしい)

参考までに私は両目とも視力検査で一番上が見えるか見えないかレベル(およそ視力0.1)である。
どちらもデバイスの設定で最大設定の6に設定することではっきり見ることが出来た。
これ以上目が悪い人だとこの機能だけでは厳しいかもしれない。

0~6の目盛りがついており、回して調整できる
視力補正と眼球間距離の設定値カード

体験会では視力調整用に別のデバイスが置いてあり、そちらで調整した内容をカードに記載してコンテンツ体験ブースに持っていき設定してもらうという方式だった。
この方法イベント運用だとわかりやすくていいかもしれないなと思った。

設定はガイダンスのアプリの内容に従う形で、デバイスが片目ずつ自動で暗転し、視力検査のような感じですすむ。

眼球間距離は本体右下にあるスライダーを移動させて調整する。
54~73 mm
装着したまま調整できるのでわかりやすい。

逆にメガネを掛けたままの使用は?

普段使用時はQuest2(アタッチメント等はなし)で眼鏡をかけたまま使用しているので、眼鏡を掛けずに使用できるだけでかなり快適。

では、眼鏡を掛けたままデバイスを使った場合はどうか?

試してみたところ、デバイスがコンパクト故に眼鏡を装着したままだとフェイスカバーの幅が干渉してかぶることが出来なかった。
Quest2の標準カバーよりも横幅が1cmぐらい短くなっている印象。

裸眼でデバイスを付けられるので使用には何も問題ないが、開発者あるあるのデバイスの下からちょっと隙間を開けて覗くというのをやってみたら、目が悪くて何も見えなかった(それはそう)
後述のパススルー機能がようやく実用的なレベルになってきたかなと感じたので、こちらを使うようにしたほうが良いかもしれない。

フェイスカバー部分の着脱はマグネットで容易に行えるので、眼鏡対応カバーなどが出れば眼鏡を装着したまま使うこともできそう。
(サードパーティ製が先になにか出すんじゃないですか? といった話)


デバイスの各構造と機能

マイク

マイクは本体の上下に1つずつ付いている。
体験会ではマイクを使用したコンテンツはつかっていないので、詳細は分からない。
ノイズキャンセリングするのでスピーカーのハウリングもしないようになっているらしい。


スピーカー

空間位置の情報がはっきりわかるスピーカーだった。

体験会ではYORIMIYA氏のパーティクルライブを見た。
スピーカーがプレイヤー初期位置の頭上に置いてあるようで、ライブ中に空間で自身が移動するとちゃんと鳴っている箇所がわかった。

音源を探すという遊びもできそう。

パススルー

ゴーグルフロントにあるカメラ、深度センサーを使ってカラーのパススルーができる。
変な色飛びや遅延は感じなかった。

解像度も高めで、手元の文字等も読めた。
ようやくパススルーが実用的なレベルになってきたような気がする。

ただ、このパススルーの映像は立体視というわけではなく、シングルカメラの映像を天球に投影する形だった。
正面側はあまり違和感がないが、天井や足元を見たときには距離感がおかしいな?と感じた。

HMDをかぶったまま歩く、などは全く問題ないのだが
違和感のない現実空間の映像というわけではないので、この機能を使って没入感の高いARコンテンツを作るのはやや難しそうだなと感じた。

バッテリー

2時間の連続使用が可能。
フル充電するのに2時間。
急速充電で30分で50%まで充電することが可能。

ケーブルで充電しながら使用することも可能。
(ただしバッテリーの劣化は早まる)


前方のゴーグル部より重かったかも?


使用しないときはこの部分を外しておけば物理的に切断できるため意図せずバッテリーが消費されることもない。


typeCの接続部分
アタッチメント内部にケーブル余りが巻き取られてたるまないようになっている。

TypeCのケーブルで接続すればこのバッテリーアタッチメントでなくても大丈夫、モバイルバッテリーも使える。
ただし18W以上のものでないと供給電力が足りないので注意。

この純正バッテリークレードルの供給電力は24.32 Wらしい。

ホットスワップ

ゴーグル側にも微量のバッテリーが搭載されているため、メインバッテリー残量が少なくなった場合に電源を切ることなく、バッテリー交換が行える。
イベント時の使用など、電源切ることで結構デバイス周りのトラブルが発生することも多いので、この機能はありがたい。


コントローラ

VIVE XR ELITE専用ではなく、VIVE Focus 3のものと同じ製品。
typeCで充電し、使用可能時間は15時間。

初めて使ってみたが、かなり軽かったのでよさそう。
普段Quest2のコントローラを使用しているので、グリップ部が結構長めだなという印象だった(持ちやすくて良い)

また、Androidにアプリを入れることで、スマホをデバイスのコントローラとして使用することもできるらしい。

ハンドトラッキング

特に問題なく使えた。
不満点は特になし。

カメラが下方向の広い領域をカバーしているので手をロストしにくいとのこと。

コントローラとの認識が切れると自動でハンドトラッキングに切り替わるようになっているようだ。

PCVRするときは

有線で接続する場合、
メガネ型のときはツルの部分からケーブルを伸ばす。
バッテリー型のときはバッテリー上部からケーブルを伸ばす

メガネ型
バッテリー型

無線でPCVRするときは、初回時のみPCとHMDをペアリングする必要がある。
ペアリングはPC画面に表示されるQRコードをHMDのカメラで読み取るだけで連携できる。
ペアリングが完了すればあとはPC側のアプリケーションでストリーミングすることが可能。

PC起動時にアプリケーション自動立ち上げをしておけば、HMDデバイス側だけの操作でPCVRの起動ができる。

ペアリングしたデバイスを自動で探して接続してくれる


メガネ型で扱うのが一番軽く快適だったので、この状態でPCVRに有線で繋ぎっぱなしにしたいと相談してみた。

この一番軽量な状態でPCVRしたい

できる 
とのことだったが、電力供給が18W以上が必要なので、供給電力の大きなポートに繋がないといけないそうだ。

そのため、PCに直繋ぎするよりは強い電源(コンセントや強いモバイルバッテリー)に繋いで、無線でPCに接続する方法がいいかもという話だった。

拡張余地

フェイシャルトラッキング

フェイスカバーを外すとここにもtypeCポートがある

普段はフェイスカバーに隠れているが、カバーの内側にもtypeCポートがある。
ここは今後フェイシャルトラッカーなどの拡張デバイスができた際に使う可能性があるとのこと。

着脱センサー

着脱センサー部

着脱を感知して自動でスリープする。
個人的にはHMDを外してもスリープしてほしくない場面が多い。
センサーをシールなどで塞いでおけばOKとのこと。いつものDIY。

Quest2でよく使っていた方法だが、スマホカメラ用のスライド式セキュリティシールを貼っておくのがよさそう。

さいごに

かなりいいデバイスだな~と思いました。
軽くて装着感が最高。結構視力悪いので不安でしたが、裸眼でもはっきり見えることが確認できたのが良かったです。

体験会の時間は15分程度だったので数時間装着したらどうなるかはわかりませんが、HMDの締め付けなどは感じなかったのでかなり期待できます。普段使っているQuest2だと布バンドが緩んできて固定がガタつくことが多いのですが、本体パーツでしっかり固定できるタイプだったので緩んだりはしないかなと思っています。

MR周りにかなり力を入れてるなという印象です。個人的にあまりスタンドアロンで使用する場面がなさそうなので、宝の持ち腐れになってしまいそうという面もなくはないですが・・・

お値段は18万円! 安い!(高い!)
18万円という金額は決して安くはないですが、この機能でこの価格は決して高くないかなと思いました。

2023/02/15までに予約すると色々特典がもらえるそうです。
前日の2023/02/14の時点で納期未定だけど・・・

記事書いてる時点だとすべてが未定かもです


予約順に順次注文を受け付けるとのことでした。


VIVE XR ELITE


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