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あの虹を超えたら――"Over the Rainbow"

こんにちは。こんばんは。
かみなりひめです。

ここまで劇場版ラ!サ!!について書いてきましたが、
今回は副題について触れてみます。
題して、

「Over the Rainbow」問題
(結構そのまんまですが……)

実は、劇場版の要所要所で
「虹」にまつわる描写がなされていました。
まずは、それらを順に押さえていきます。

① 劇場版冒頭
子ども時代のようちかが、三津浜で
紙飛行機を飛ばしているシーンですね。

そのとき千歌が飛ばした紙飛行機が、
梨子とおぼしき白い帽子の少女のもとに着地。

梨子「もっと遠くまで飛ばせる?」
曜「飛ばせるよ! もっと! 虹を超えるくらい!」

② 『Next SPARKLING!!』の前日
鞠莉の誘いで浦の星の校舎に行ったAqours。
思い出は胸の中にあることを確認した千歌が、
開いている校門を閉めました。

いつもの円陣、掛け声(点呼?)を済ませ、
三津浜へとダッシュするメンバー。

たどり着くと、今度はAqours全員が
子ども時代の姿で現れるのです。
またも紙飛行機を飛ばした千歌が一言。

あの紙飛行機も、虹を超えて飛べたんだ。

③ エンドロール後
ホントにラストのラスト。
三津浜に描かれた「Aqours」の文字、
そして紙飛行機が飛ばされていきます。

ここで、紙飛行機の素材に使われた
紙の正体が分かることになります。

これは、1期8話「くやしくないの?」で、
TOKYO SCHOOL IDOL WORLDなるイベントの
スタッフから渡された投票結果用紙でした。

Aqoursのはじまりとなった、
「30. Aqours ………0」というやつですね。

①~②に登場する、子ども時代のメンバーは、
自分たちが未熟であったことの象徴です。
まさか、子ども時代から梨子ちゃんが内浦にいた
ということではないでしょう。

未熟なAqours、を手っ取り早く表現するには、
ああするのが最善だったのではないかと感じます。

そんな未熟なAqoursも、
9人みんなで一緒にやり抜くことで
「もっと遠くまで」飛んでいけたのです。

注目すべきは③です。

最後に飛んだ紙飛行機が
「0」の投票結果用紙だったことには
何らかの積極的な意味があるのでしょうか?

前にも述べた通り、
劇場版が2期13話と地続きであることも踏まえて、
アニメ版をも視野に入れつつ、考えてみましょう。

「虹」というと印象的なのは、
やはり2期3話なのではないでしょうか。

学校説明会とラブライブ予選が重なり、
予選を終えてから学校説明会へとダッシュ。
途中でみかん畑でトロッコをぶっ壊す果南
印象的なあの回です。笑

そんな2期3話で、
千歌には次のようなセリフがあります。

(奇跡は)起こるよ! だって、虹が掛かったもん!

奇跡が起こるということの証左として、
掛かった「」を挙げています。
冷静に見れば、なかなかに意味不明です。笑

そして、話は飛んで2期13話。
ラブライブ優勝を成し遂げたAqoursたちに
やって来る卒業、そして閉校式。

学校への感謝を込めて、校舎に寄せ書きが始まっていました。そこでAqoursたちが校舎に描いたもの。
そう、やはりだったのです。 

最後のシーンにて、
名曲『WONDERFUL STORIES』を歌い終えた
Aqoursの上空にも、

ここまでを総合すると、
虹 = 9人揃ったAqoursそのもの、
と言えるでしょう。

千歌の論法でいくと、

「虹が掛かると、奇跡が起こる」

ここで起きた奇跡は、ラブライブ優勝
優勝への前提条件は、Aqoursのメンバーが揃うこと
すなわち、スクールアイドルになること。

ここまでを踏まえると、「虹」というものは、
9人揃ったAqoursを指していると考えられます。
そのうえで、

「0」の投票結果用紙で折った紙飛行機が
虹を超えていくというのは
いかなる意味を持つのでしょうか?

思い起こしてほしいのです。
「0」という得票数であったAqours、
つまり1期8話時点でのAqoursは、
まだ三年生合流以前のAqoursでした。

このときのAqoursは
劇場版で散々取り上げられていた
「6人のAqours」だったのです。

……ここまでお読みになっていただければ、
もうお分かりですね?

あの紙飛行機が虹を超えることには
三年生なき6人でのAqoursが
ラブライブ優勝を果たした9人のAqoursを
超えるという意味が
あるのではないでしょうか。

そう、新生Aqoursへの最大の予祝だったのです。

ただ、声優グループの方のAqoursが
実際に三年生を卒業させるとは思いません。

4thの『想いよひとつになれ』で、
シンクロを崩してでも、オタクは声優固有の物語を
受け入れると分かってしまったので。

ここまでの三回、劇場版ラ!サ!!の感想を
つらつらと述べてきました。
こういうのは鮮度が大事であって、
忘れてしまうと何の意味もないので。笑

また気が向いたら、ラ!サ!!についても書きますね。

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