見出し画像

頭は使ってナンボです――私のプレイリスト②「頭を使う系ソング」

こんにちは。かみなりひめです。

先日から更新を始めております
この「私のプレイリスト」企画。

今回はその名の通り、
頭を使う系ソング」たちを
私のWALKMANから集めました。

たまたま今日の仕事においては
頭を使うことが多かったもので……。

聴き終わったときにはきっと、
心地よい疲労感に包まれている
ことでしょう。たぶん。

今日は頭脳労働しなかったな‥‥
なんか頭を動かしたいな!
なんてときにオススメの楽曲です。

1. スタァライト九九組「再生讃美曲」

小泉萌香さん、ガラ悪いのに
文字が結構うまいところ、好きです。

さて、そんな小泉萌香さんが演じる
キャラクターが大場ななちゃん。

彼女は、九九回の聖翔祭で上演された
スタァライト」の再演を願い続け、
同じ時空をループし続けています。

さて、ループという事象には、
選ばなかった」=「そうではない
未来もあり得た、という発想が
必ずついて回るモノです。

ゲームでいうところの、
もうひとつの選択肢を選んでいた
 ときのルート
」みたいな感じです。

ループを選択する登場人物は、
往々にしてその「選ばなかった」方の
ルートを選ぼうとして、タイムリープを
することになります。

この「選ばなかった」、すなわち
そうでありえた」という感覚のことを
偶有性」と呼んでいます。

それを踏まえ、出だしの歌詞をどうぞ。

(これを神楽ひかり役のみもさんが歌うからエモいのだ)

曲の冒頭からさっそく「偶有性」の
概念に触れていくのです。

そして、サビ。

(作詞者本人の言葉としてのしかかってきます)

歌に乗せて届けられる言葉が、
まるで弾丸のように胸に刺さります。

その一発一発は、あまりに重く、
詞の意味をくみ取るのも一苦労です。
加え、転調に次ぐ転調‥‥。

崇高で、まぶしくて、
手を伸ばしても届かなくて、
それでも届きたくて。

スタァライトの楽曲のなかでも
一番好きで、一番苦手な曲です。

2. アンジュルム「人生、すなわちパンタ・レイ」

リーダー、いい顔してますね。

冒頭の歌詞(セリフ?)にある

魂にとって、水となることは死である。
また水にとって、土となることは死である。
しかし土からは水が生じ、水からは魂が生ずる。

アンジュルム「人生、すなわちパンタ・レイ」

は、古代ギリシアの哲学者である
ヘラクレイトス「断片集」にある
一節なのだそうです。

ヘラクレイトスといえば、
■万物のアルケーは「火」である
■世界の秩序:「ロゴス」

などの内容を高校倫理で勉強した
方もいらっしゃることでしょう。

これとともに、そして最も有名なのは
万物は流転する(panta rhei)
という言葉ではないでしょうか。

これはヘラクレイトス自身が残した
言葉でないという説もあるようですが。

さて、
そんな西洋哲学の香りを楽しみながら
曲を聴き続けていくと、歌詞の構成が
具体と抽象の往還であると気づきます。

万物は流転するらしい
ぐるりぐるり 形を変える

あの頃 通ってたコンビニも
知らぬあいだに レストラン

変わることは 時に恐怖ね
「わたし」が消えちゃうような感覚

髪を切って機種変して
引っ越して年かさね
ねえ 「わたし」ってなんでしょね?

アンジュルム「人生、すなわちパンタ・レイ」

上の歌詞において、
太字の箇所が抽象的な部分
そうでない箇所が具体例となります。

髪を切ったり、スマホを機種変更したり、
といった具体的な動作はすべて、
”万物が流転することによって生じる、
「わたし」が消えちゃうような感覚”
の説明に
なっているのです。

そして、曲のクライマックス直前。

嗚呼ゆく河 流れは絶えないけど
おんなじ 水ではないの

アンジュルム「人生、すなわちパンタ・レイ」

これはもちろん、

ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にはあらず。

新編日本古典文学全集「方丈記」

鴨長明『方丈記』がもとになっています。
方丈記』を貫くテーマは「無常観」。
パンタ・レイ」とも相通ずる部分がある
考え方のひとつです。

こんな詞が書ける人って誰なんだ‥‥?
と思ったら、前山田健一さんでした。納得。

3. 水樹奈々「アパッショナート」

ここまで文字を書き連ねてきたので、
最後はしっかり「頭の体操」です。

サビの部分を聴いてみてください。
もうそれはそれは、燃えたくなるでしょう。

実際のライブだと、楽曲のトドメでは
花火を大胆に焚き、燃やす演出があります。

こういうアツい楽曲に出会うと、
あることをしたくなってしまうワタクシ。

それこそ、
ヘッドバンキング
そう、ヘドバンです。

先日のLIVE HOME 2022でも、
連番者と隣のお兄さんを含めて
5人で頭を振り続けました。

ね?確かに頭を使うでしょ?(物理的に)

4. おわりに

思いつかなくて最後はまさかの
(物理的に)」という文言をつけることに
なってしまいました‥‥。

ま、小難しいことを考えるのも、
情熱に身を任せて動いてしまうのも、
両方ワタクシであるということで‥‥。

(これまでのプレイリスト記事もよしなに)

この記事が参加している募集

私のプレイリスト

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?