記憶喪失の男
男性「私が最初に意識を取り戻したとき、とにかく怖かったのを覚えています。自分の周りに見知らぬ人たちがいて横たわっている自分を見下ろしているのです。この人たちは自分を傷つけるのか、それとも助けてくれるのか分かりませんでした。彼らが何者なのか、自分が一体どこにいるのか、自分自身が何者なのかさえ分からず混乱しました。その時自分の頭は真っ白になっていたのです」
怖いです…、怖いです…と繰り返す彼に、病院のスタッフは、あなたは病院にいます。ここは病院ですと根気よく伝えました。
男性は記憶喪失でした。彼は自身の年齢も自分に家族がいるのかどうか、どこから来たのかも全ての記憶を失っていました。
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