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ハイジャック機ともう一つのミステリー

2018年8月10日に奇妙な事件が起きました。

アメリカワシントン州シアトル近郊にあるシアトル・タコマ国際空港で、飛行機がハイジャックされた後に墜落した事件です。

この飛行機にはハイジャックした犯人1人が乗っていました。

そしてシアトルタコマ国際空港は、ハイジャック犯は同空港に勤務する男だったと発表しています。

ちなみに、シアトルタコマ国際空港は短くシアタックエアポート(SeaTacAirport)と呼ばれています。


ハイジャックされた飛行機と同型機、ボンバルディアDHC-8-Q400型機(アラスカ航空所有)


速報で、同機を所有するアラスカ空港から緊急発表が出されました。

「シアトル・タコマ国際空港の南側に住む女性が撮影したビデオにより、許可されていない離陸が確認されました」という内容です。

この時点で同機が何者かによって盗まれたとして緊急発表を行っています。


そして、ワシントン州(シアトル・タコマ国際空港)の隣に位置するオレゴン州から、米軍戦闘機F15がスクランブル発進をしました。


オレゴン州ポートランドからスクランブル発進したF15 戦闘機


スクランブル発進とは軍用機(戦闘機)を緊急発進させることです。

ちなみに日本の航空自衛隊は、年間で実に1168回(2016年度発表)に及ぶスクランブル発進を記録しています。

中国の戦艦、漁船などがたびたび領海侵犯(日本の領海に無断で侵入すること)を犯す沖縄の尖閣諸島周辺に向けて空自からスクランブル緊急発進をしています。

航空自衛隊那覇基地からは計803回とそのほとんどが那覇基地からのスクランブル発進になっていますが、

全体では尖閣沖にスクランブル発進が1年で、1168回もあります。

これは計算すると、1日あたり3回はスクランブル発進が行われているということで、いかに日本がギリギリの状況で守られているのか分かると思います。

日本の報道はもう少しこういった事実を報道してほしいと思います。


航空自衛隊那覇基地からスクランブル発進するF15戦闘機


アメリカも日本もF15戦闘機を主に使っていますね。


話をシアトル・タコマ国際空港ハイジャック犯に戻します。

男は誰も乗っていない飛行機Q400を盗み、一人で飛んでいきました。

シアトル・タコマ国際空港から約40km離れた小島に墜落し男は命を失いました。

自殺と報道されています。

男がハイジャックしてから約一時間、空港は混乱しました。

Twitter等のSNSには空港で足止めを食らった乗客たちが発信していました。

「何かが起きたみたいだ。離陸許可が下りなくて、待機させられている」

管制官も男を説得しようと通信を試みました、そこでの会話で男が自殺願望があると判断されたようです。

ハイジャックした男は29歳で、アラスカ航空所属でシアトルタコマ国際空港に勤務していた整備士でした。


管制官とのやり取りから、男は航空機ゲームで航空機の操縦を学んだとしているのですが、パイロットの見解ではゲームだけでは実際にどうやって動かすのか詳細は掴めないため、男が独学で学んだじゃないかということです。

管制官は男の名(リチャード)と呼びかけ、またはリチャードの愛称リッチと呼びかけたりしてどうにか男との意思疎通をはかっていました。

その上で、人に危険が及ばない水の上を飛行してほしいと交渉したり、近くにある米軍基地への着陸をお願いしたりしていました。

残念なことにそれらは聞き入られることはなく、男が飛行機を盗んでから約一時間飛行したあとにシアトルから約40km離れた小さな島に墜落し男は死亡しました。

不幸中の幸いでしょうか、島に墜落したときに巻き込まれた人はいません。

完全単独犯行で、動機も不明のままです。

現在は、【FBI 米連邦捜査局】、【FAA 米連邦航空局】、【NTSB 米国家安全運輸委員会】という3つの組織が捜査を継続して行っています。

そしてアメリカの空を守るコロラド州にある地下基地【NORAD 北アメリカ航空宇宙防衛司令部】がスクランブル発進した2機のF15 戦闘機から爆撃は行われていないと発表されました。


【ノーラッド NORAD 北アメリカ航空宇宙防衛司令部】についてはこのターロウnote記事のデンバー国際空港の怪でも触れています。


ハイジャック犯がくるくると飛行機を飛ばしてるのが分かる画像。

目的地もなく飛び回っているのが分かります。



ところで、この事件から想起される問題がありまして、トランプ大統領が乗ったエアフォースワンが暗殺のターゲットにされたとされる説です。

エアフォースワンというのはアメリカ大統領専用機のことです。


エアフォースワン(Air Force One)



実は今回のハイジャック事件が起きた同じワシントン州のウイドビー島で奇妙なことが起きていました。

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