見出し画像

キプリン デイビス

キプリン デイビス(Kiplyn Davis)はアメリカのユタ州にあるスパニッシュフォーク高校(Spanish Fork Hischool)に通う15歳の女の子でした。

1995年5月2日、朝から大雨が降っていました。

その日キプリンは早朝4時30分に起きることになっていました。

キプリン デイビス 1979年7月1日生まれ。

朝6時に起きるのもなかなか大変な時はありますが、キプリンは早朝に車の免許を取るためのクラスを受講していたのです。

この日も車の運転講習会が予定されていました。

朝4時30分に予定通りキプリンは目を覚ましたそうですが、また寝てしまったそうです。

朝5時になって父親のリチャードが娘がまだ起きてないことに気づき、キプリンの部屋に行き娘を起こしたそうです。

アメリカの高校生ならわかると思いますが、学校に行く時にメイクをします。(もちろんポリシーを持ってメイクしない子もいます)

ヘアメイクは大半のアメリカの女子高生は完璧にしてから学校に行きたいと思ってると思いますが、この日キプリンは寝過ごしてしまいました。

それでキプリンはまだメイクも髪の毛もバラバラなので、もう今日は運転講習のクラスは休みたいと両親にお願いしたそうです。

しかし、両親は車の免許を自分で取ると決めたんだから、きちんと行きなさいとキプリンに言ったそう。

キプリンはノーメイクで髪の毛もセットしないまま外出なんて嫌だし、そのあとに学校もあるからなおさら今日は運転講習はお休みさせてと何度も両親に頼んだそうですが、両親はまだ朝の5時だから行きなさいという一点張りだったそうです。

そして母タマラがすでに車の運転席にいて、早く支度しなさい送っていくからとキプリンに言ったのです。

キプリンは両親に対して腹を立てて、その朝は言い合いをし喧嘩をしたそうですが、それでも母が運転する車に乗って運転講習クラスにつく頃にはキプリンの機嫌は直っていたそうです。

ティーンエージャーで思春期ならちょっとしたことで親と争ったりします。キプリンも両親もいつも喧嘩はしても結局は仲直りが早い仲の良い家族でした。

キプリンは運転講習クラスを終えて、いつも通り高校に行きご機嫌で午前中のクラスに出席していたそうです。

しかしお昼のランチタイムのときに異変が起きました。


この日、父親のリチャードは午後3時半に帰宅しました。しかし娘キプリンの姿はありませんでした。

いつもは娘が帰ってきてもよい時間帯でしたし、少し気になってリチャードは留守電をチェックしました。

キプリンから何か連絡が入っていないかと思ったのです。

すると、キプリンからではなく、キプリンの学校から留守電にメッセージが入っていました。

それはキプリンが今日の4時限目と5時限目のクラスを連絡なしに無断で欠席したことを告げる内容だったのです。

当時から両親はそれぞれに携帯電話を持っていました。

何か緊急なことが起きたとき、キプリンは必ず両親どちらかの携帯電話に連絡を入れていました。

しかし、この日、両親どちらの携帯電話にもキプリンからは連絡が一切入っていなかったのです。

父リチャードはこの時、嫌な胸騒ぎをおぼえたと言います。

娘が誰にも何も告げずに学校を去ったのか?

しかし同時に今朝の娘との衝突を思い出していました。

キプリンと今朝喧嘩したことで両親が思っている以上にキプリンは両親に対して怒っていて、それで帰宅が遅くなっているのかもしれないと考えたのです。

学校で友達に今朝の両親との喧嘩を話して、ティーンエージャー同士でつるんで学校からどこかへ憂さ晴らしに遊びに行ったかもしれないとまで考えたそうです。

しかし、キプリンはどんなに喧嘩して怒っても必ず時間になると家に戻ってくる子でした。

両親は午後5時になるまでキプリンの帰宅を待ちました。

しかし彼女は帰ってこなかったのです。

それで両親は片っ端からキプリンの友人に電話をしました。

しかし誰もキプリンを見ておらず、誰もキプリンがどこに行ったのかを知らなかったのです。

キプリンが最後に目撃されたのは学校でのランチタイムでした。

それっきり、誰も彼女を見ていないのです。

両親は焦りました、それで学校に行ってみることにしたのです。

もしかしたらキプリンはまだ学校にいるかもしれないと思ったのです。

キプリンはドラマクラブという演劇クラブに入っていました。もしかしたらクラブ活動で学校に残っているのかもしれない。

そう思った両親は次の瞬間に学校に向けて車を飛ばしていたそうです。

そのとき時刻はすでに夜の7時になっていました。

しかし学校を探してもキプリンを見つけることが出来ませんでした。

その次に両親が向かったのはキプリンが好きな教会でした。

もしかしたらキプリンは教会に行っているかもしれない。

しかしここでも両親の希望は打ち砕かれました。

教会にいた人は誰もその日はキプリンを見ていなかったのです。

そこでようやく両親は警察に娘の捜索願を出しに行ったのです。

しかし警察は最初家出ではないですかと言ったのです。

両親とその朝に喧嘩したことが主な要因として、家出してもすぐに戻ってくるお子さんも多いですと言ったのです。

これには両親は猛反発し、キプリンの姉が近く結婚式を挙げること、それをキプリンは楽しみにしていたこと。それにキプリンは運転免許がほしくて毎日頑張っていたことを告げました。この状況でキプリンが家出するはずがないと警察に訴えたのです。

それでも10代の家出が疑われる場合、すぐに警察は動かないようで、両親は自分たちで動くことにしました。

それで両親は家に帰るなり、キプリンのクラスメイト全員に1人1人電話をかけて、さらにその友達の友達へと番号を教えてもらい出来るかぎり多くの人へ電話をかけました。

すると1つ、情報が出てきたのです。

イーライという名の男の子が、ランチタイムにキプリンは男の人と話していたというのです。

その男の名はクリスと言いました。

イーライが言うには、クリスはキプリンと同じドラマクラブに所属していて、2人は顔見知りだということ、

そしてイーライ自身はあまりクリスを好きではないこと、

キプリンはクリスのことを好きだと言っていたと噂に聞いたが、奴は悪い男だということをキプリンの両親に話したのです。

両親も同じクラブにクリスという男子がいるとキプリンから聞いたことはあったそうです。

しかし両親はキプリンに16歳になるまでデートは禁止と言っていました。

両親はこの情報を聞いてすぐに、クリスの家に向かって車を走らせました。

そこにはクリスの姉だけがいました。

姉によると、クリスはドラマクラブで照明をつくったり、ステージを作ったりしていていつも学校に夜10時くらいまでいるというのです。

その話を聞いて、両親は再度学校へ行きました。

時刻は夜の10時を過ぎた頃でした。

両親は学校に行きましたが、建物はすべて鍵がかかっており、照明も消えて車もなく、人が1人もいなかったそう。

それで両親はまたクリスの家に向かったのです。

そのとき時刻はもう深夜0時を超えていました。

クリス宅についたとき、クリスの家は明かりがついており、車は先ほどよりも多く停まっていました。

玄関前に停まっている車は、以前キプリンと同じ高校にいたラッカーという男性が所有する車でした。

キプリンと最後に目撃されたクリスの家の前に、車を停めているラッカーの名も両親はキプリンから聞いたことがありました。

まだラッカーが学校に在籍していた頃にキプリンにデートを申し込んだことがあり、そのことをキプリンが両親に告げたところ16歳まではデートは禁止だとそのときキプリンに言ったのです。

ラッカーの車がここにあるということは、この家のクリスは帰宅しているということを示していました。

キプリンに対して興味を持つ2人の男性が目の前にいるかもしれないのです。

しかしここで両親は深夜1時近くに他人の家をノックするのはやめておこうとそのまま何もせずに帰宅したそうです。

翌朝、目がさめた両親はキプリンが帰ってきていないか家中を探しました。

しかしどこにも娘の姿はありませんでした。

ここに来て学校が騒ぎ始めました。

朝7時半に、クラスというクラスに先生たちが行き、誰かキプリンを見た者はいないか、

キプリンが行きそうな場所はあるのか、

キプリンが普段誰と行動を共にしているのか、

キプリンに関してどんな些細な噂でもあれば全て話すようにと

先生たちは生徒に訴えたのです。

キプリン デイビスが最後に目撃されたのが、この高校だったことで学校は非常にこの件に関してナーバスになっていたそうです。

キプリンが通っていたユタ州のスパニッシュフォーク高校

そこで学校は警察を呼んで、最後にキプリンと話しているところを目撃されたクリスを呼んで事情を聞きました。

クリスは協力的で、聞かれたことに1つ1つ答えたそうです。

クリスが話した内容はこうです。

その日、ランチタイムにキプリンと話したが、その後は彼女を見ていない。

そして夜10時頃まで友人のラッカーとティムと一緒に舞台装置の話や、音楽を聴いたりサッカーをして遊んでいました。

そして、ここに来てもう1人別の名前が浮上してきました。

名前はブランソンです。

ブランソンもキプリンにデートを申し込んでいましたが、しかしブランソンは他の子とすでにデートしていて、彼がキプリンにもデートを申し込んだことがその子にバレて喧嘩になったため、

その日のランチタイムに、ブランソンからキプリンに、デートはキャンセルしたいと伝えたというのです。

さらに、この日ブランソンもキプリンと同じく4時限目と5時限目を欠席したことが分かりました。

それでブランソンも、呼び出されて質問されました。

ブランソンが答えた内容はこうです。

その日、ランチタイムにデートのキャンセルをキプリンに告げたのは事実だけれど、その後、彼女を見ていない。

彼女を探そうとしてあちこち行ったらクラスに遅れてしまったのでそのまま午後は休んだ。

家に帰宅する途中、自分が運転する車のタイヤがパンクしてしまったので親友を呼んで一緒にタイヤを交換した。だから自分にはアリバイがある。

そう言ったのです。

しかし警察が調べたところブランソンの友人は誰1人彼のタイヤを交換した人物はいませんでした。

その後の調べで学校にあるキプリンのロッカーの中身が全て消えていることが分かりました。

アメリカの学校は生徒1人1人にロッカーが与えられます。それは自由に使えるので、女の子ならメイク用品やお菓子、学校のテキストやバインダー、さらに洋服、Tシャツやジャケットなども置いています。

学校の期間中毎日使う重要なもので、逆にいえば期間中にロッカーが空になることなどよっぽどでないとありません。

ロッカーは個人で内装も好きにデコレーションしますし、新しい新学期が始まる9月1日前には、

'Back to School'と題したセールもあります。

色々な文具用品が色とりどりに売りに出されます。

アメリカの学校はロッカーが大切

それぞれ好きにデコレーションしているアメリカの学校のロッカー

ロッカーがいきなり空っぽになるのは、それだけで一大事なのです。

誰かがキプリンの証拠を消そうと暗躍しているとしか思えない出来事でした。

この頃に街ではキプリンは険しいユタ州の峡谷で殺されて埋められてしまったのではないかといいう噂が立ちました。

ここから先は

2,519字 / 1画像
この記事のみ ¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?