見出し画像

『3分で読めるレイルロオドのお話』の新作を、今後無償公開していきます~WEBTOON作品『レヱル・ロマネスク0』第10話シーン3ネーム&字コンテ公開

このnoteはTVアニメ『レヱル・ロマネスク』

シリーズ関連展開の広報告知をしていくことを主たる目的とします。

のですがしかし、今現在、「ご新規の読者さん」をなかなか獲得できておりません。

それがなぜか――ということを考えてみると、現在の記事構成内容では、
『ご新規の読者さんが非常にとっつきづらい』ことがあるように感じられました。

ので、そこを改善していくべく、

『3分で読めるレイルロオドのお話』を無償公開していく方向を、
今後しばらくは試していきたく思います。

そうすれば、ご新規の読者さんが来てくださった場合――

///

それ単体、一話読み切りとしても完結する「短いお話」で、レイルロオドのことをしってもらう

そうしたレイルロオドたちが活躍するWEBTOON作品『レヱル・ロマネスク0』のネームもお読みいただく

『レヱル・ロマネスク』世界に興味をお持ちいただき、noteをフォローして購読いただく

///

――という流れを生み出せるかもしれない、と考えてのことです。

それが上手く運ぶかどうかは、「3分で読めるレイルロオドのお話」の出来にかかってまいりますので、
いままで以上に気合を入れて丁寧に、執筆していきたく存じます。

と、いうことで本日の「3分で読めるレイルロオドのお話」に登場するレイルロオドをご紹介いたします。

■ハチロク■ 


旧帝鉄8620形蒸気機関車トップナンバー機8620専用レイルロオド。

旧式機+事故修復機というダブルハンデを負っているため、性能面やメンタル面には不安なところを抱えるものの、
気品、立ち居振る舞いに秀でたものをもつ、日ノ本撫子なレイルロオド。
マスターである右田双鉄を「双鉄様」と呼び、尊敬し慕っている。

そのハチロクが登場します本日のお話はこちらとなります。

■「ハチロクのかわいいもの」■

(あらすじ)

「かたつむりはかわいい」というハチロクの発言に驚く双鉄。
「かたつもりはかわいいのなら」――と、
他にどんなものをかわいく感じるかを、ハチロクに尋ねるのです。

///

「人間のみなさまは、わたくしたち蒸機レイルロオドが石炭を食する姿に、たいそう驚かれますけれど」

「うむ」

確かにあれを、初見で驚くなという方が無理だろう。
こぶし大もある石炭を、バリボリゴリンと噛み砕いては嚥下していく――

なまじ容姿が可憐なだけに、インパクトが強烈すぎるゆえ。

「人間のみなさまだって、かたつむりをお食べになるそうではありませんか」

「ああ、エスカルゴか」

「左様です。そのなんとかゴ」

「エスカルゴ。佛国料理だ。専用に養殖されたものとはいえ……
まぁ、たしかにかたつむりを食べるよな」

「! 本当のことでございましたか。
かたつむり――あんなに可愛らしい生き物を、バリボリゴリンと」

「いや、殻ごとは食さん。僕が貝を食べている姿は見たことがあるよな?
ああいう感じで、身だけをちゅるんといただく感じだ」

「!!? 双鉄様もお食べになられたことが?」

「まぁ、ある。よく見るだろう、お手軽イタリアンレストランの『カバゼリア』。
あそこでお値ごろにいただけるゆえ」

「ああ……双鉄様までもがまさか、かたつむりちゃんを食べてらっしゃるとは」

「かたつむり、ちゃん」

――さきほど”可愛らしい”と称していたのは聞き違いではなかったようだ。

かたつもり……あれは、僕の美観では、可愛らしさとは遠いものだが――

「他に、どんなものを可愛いと感じるのだ? ハチロクは」

「はい?」

「興味が出てきた。教えて欲しい。ハチロクにとっての『可愛いもの』を」

「左様、ですね……」

少し戸惑い、はにかんで。

「パンダ。特にパンダの赤ちゃんは、可愛らしさの極北にあるものかと存じます」

「ふむふむ、他には?」

「動物の赤ちゃんは全般かわいらしいですよね。子犬でも子猫でも子豚でも。
大人の動物でしたら、ペンギンもかわいらしいかと。それからラッコ、マレエグマ」

「動物以外はどうなのだ? 昆虫だとか、両生類とか」

「アマガエルはたいそう可愛らしいものですよね。昆虫……になるのでしょうか?
トカゲやヤモリも可愛らしいと感じます。あとは青虫! 毛虫ではなく、
毛がなくてぶやぶやしているのは愛らしいです」

「他にはどうだ? 工具や機械なども無機物では」

「工具でしたら、ビイタアは可愛らしいですよね。それから、ダルマ――手動式の転轍機。
それからレイルロオド・ランタンも可愛らしさの固まりですし、火を使う仲間でしたら、
融雪カンテラも大変に愛くるしいかと存じます」

「なるほどなるほど」

――共通点がありそうなような気もするし、まったくもって共通していないような気もする。
メモはとったし、あとで落ち着いて整理整頓・分類をこころみてみよう。

「あ――」

不意に、ハチロクは言葉を止めて、赤くなる。

「わたくし、夢中になっておしゃべりしすぎてしまいましたね」

「いや、僕が質問したことに、誠実に答えてもらっただけと感じるが」

「そういっていただけるなら――わたくしも、ひとつだけよろしいですか?」

「ふむ? 何をだ?」

「教えてください。わたくしにも。双鉄様が、かわいらしいと感じるものを」

じいっと、まっすぐ見つめられる。
ゆえに答えは、勝手に喉から飛び出していく。

「ハチロク」

「はい、なんでございましょう? 双鉄様」

「ではなく、答えだ。いまのお前の質問への」

「へ? あ……あっ!!?」

息を飲み、火がついたように赤くなる。

「あの……そのっ――わたくしっ――わたくし――」

うつむいて、けれどくつくつ、喉奥から幸せそうな笑みが溢れる。

「――わたくし。大変に恐縮で……その……うれしい、です」

――うむ。

この答えの他、やはり、あるまい。

;おしまい


いかがでしょうか?

このハチロクや双鉄たちが活躍するWEBTOON作品
『レヱル・ロマネスク0』は、ただいま好評ネーム掲載中です。

0~7話までのネームの方はどなたにも無償で公開しておりますので、
よければどうぞ、あわせご確認いただけますと幸いです。

それ以降のまとめはメンバーシップ特典となっております。

現在は第10話のネームを掲載中で、先日公開のシーン2

につづき、本日はシーン3のネームと字コンテとを公開します。

あらすじとしては

「御一夜の経済復興の新案を模索する稀咲と双鉄との真剣な会議。
稀咲の疑問に答える形で、双鉄は己の考えを形にしていく――」

といったところです。

よろしければどうぞ、ご笑覧ください。

///

【メンバーシップ限定記事のご案内】

『レヱル・ロマネスクnote』メンバーシップ『御一夜鉄道サポーターズクラブ』

にご参加いただきますと、レイルロオドたちにかかわる詳細な内部設定資料や掲示板機能などをお楽しみいただくことができます。

『レヱル・ロマネスクゼロ』の字コンテ掲載時には、その字コンテがネーム化されたもの、および推敲過程でボツになった未公開ネーム画像などがあるときには、そうしたものも公開していきたく思っております。

どうぞご参加ご検討いただけますと幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?