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3分で読めるレイルロオドのお話「汽子と冬の窓」&WEBTOON作品『レヱル・ロマネスク0』第21話シーン2ネーム+字コンテ


こんばんわ。

わたくしごとで恐縮ですが、この秋――9~10月は、赤ちゃんの誕生、実家売却、父の施設入居、それにともなう引っ越し、母の入院――
が立て続けに発生し、じんましんが出てしまうほど、多忙でした。

のですがそれらに付随する、無数と思われる「やるべきこと」のリストがだんだんに解消され。
本日にいたり、ようやっともろもろが平常ペースに戻りつつある感じです。

『レヱル・ロマネスク2』や、『レヱル・ロマネスクOrigin』
そして聖地人吉でのイベント『レヱル・ロマネスクサミット』に関する情報発信なども今後はペースと質をあげて行っていければと思いますので、どうぞご期待のほどたまわれますと幸です。


WEBTOON作品
『レヱル・ロマネスク0』の方のネーム/字コンテも、さらに学んで→質を向上させていけますようにと、随時がんばってまいりたいです。

先日は第21話『回り始める動輪』シーン1のネーム

をご紹介させていただきましたので、本日はシーン2のネーム&字コンテを公開させていただきます。


夢から覚めた双鉄と、双鉄を見守っていたハチロクとが迎える、「特別な朝」。

二人が果たしてどこへ向かって何をするのか――
続きにどうぞご期待ください。

そんなこんなで、本日の短いお話は「窓」をテーマに書いてみたいと思います。

窓、と書いた瞬間に汽子と窓という絵が頭に浮かんできましたので、登場するレイルロオドは汽子で。

タイトルは「汽子と冬の窓」。

どんなお話になるかわたくしもいまの時点ではさっぱりわかりませんが、どなたにも無料でお読みいただける物語となりますので、
よろしければどうぞご笑覧ください。

■汽子■


旧帝鉄ホジ6000形ホジ6016専用レイルロオド。
現所属は名児耶鉄道樺郡線。
レトロモダンをこよなく愛するおしゃれさんなレイルロオド。

■「汽子と冬の窓」■

乗務ももちろん、素敵ですわね。

けれどもマスタアとふたりでしたら、乗客として客車に揺られる――
それもまた、とびきり素敵な時間ですとも。

けれど……けれども――

「(はぁ)」

またため息が出てしまいます。
けれど、言葉は息にまじってくれません。

「(マスタアを、きっとご退屈させてしまっていますわね)」

これだけ長い付き合いですもの。
もう十二分にわかっています。

マスタアは、どちらかといえば寡黙なお方。
汽子が話しかけなければ、なかなかお話をふってくれたりはなさいません。

「(わかっているのに――楽しくお話ししたいのに)」

向き合って座る眼の前に、マスタアのお顔があるでしでしょうか?
お膝とお膝とがくっつきそうな、距離の近さのせいでしょうか?

「(……どうにも不思議に照れくさくって……いつもとおんなじマスタアですのに)」

乗務中なら、もういくらでもおしゃべりできます。

お仕事のことはもちろん、日常のこと、同僚のこと。
レイルロオド寮のお屋根でよく日向ぼこをしている猫のことでも、この間ストッキングのかかとに穴が空いたことでも。

どんなことでもお話ししますし、マスタアもごきげんよろしく、話相手をいつでもつとめてくださいますのに。

「(はあっ)」

『あの』と切り出したつもりの言葉も、やはり息にしかなっていません。

汽子の喉、故障してしまったのでしょうか……

「あ――ああっ」

いえ、そんなこともありません。
一人ごとなら、発生練習するのでしたら、きちんと声がでますのに――

「(はあっ)」

話しかけようとしたなら途端、言葉は息に溶けてしまって……
お話ししたい、お話ししなきゃと思うほど

(コンコン)

「え?」

あ、声、出ました。
マスタアが急に音を立ててくださって――

「あ」

<疲れたか?>

声。マスタアも出していません。
マスタアにはもちろん、共感能力もありません。

<いいえ、汽子でしたらほんの少しも>

汽子もやっぱり、未だにマスタアに向かうと声がつまります。
それでも、うふふっ。

<ならよかった。随分無口なようだから>

<それはマスタアでございましょ?>

ふたり、こうして会話できます。

汽子がたくさん吐いたため息――
それが窓。
冬の列車の小さなまどを、くっきりくもらせてくれたから。

<ねぇ、マスタア>

<なんだ?>

だからこうして、声なき言葉を交わしましょう。
窓がすっかり、文字に埋まってしまうときまで。

くもりがすっかり溶けるころには汽子のこの謎の緊張も、
きっとほっこり、溶けてくれそうに思いますから。

;おしまい

///

いかがでしょうか?

汽子、タイトルと思い浮かんで、思い浮かんだままに連ねた文字ですが、
案外といい感じにまとまったのではないかなぁと、わたくしとしては思います。

こういう雰囲気、汽子はめちゃくちゃ似合うかと思いますので、
いつか機会があればネームの方でも描ければいいなと思います。

というわけで『レヱル・ロマネスク0』の過去話。

無償でご確認いただける0~7話のネームはこちらとなります。

よろしければどうぞご笑覧ください。

(それ以降のまとめはメンバーシップ特典です)

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『レヱル・ロマネスクゼロ』の字コンテ掲載時には、その字コンテがネーム化されたもの、および推敲過程でボツになった未公開ネーム画像などがあるときには、そうしたものも公開していきたく思っております。

どうぞご参加ご検討いただけますと幸いです。

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