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恋愛ものにおいて効果的な、エピソード群の組み合わせ方(後編)

みなさまこんばんわ。
レヱル・ロマネスクシリーズの原案、シリーズ構成を勤めます、進行豹です。

さて、先日より

■ エピソード群を組み合わせてストーリーを構築する方法のコツを教えてください

というご質問への回答記事を書いております。

先日のご回答はこちら

その内容のまとめは

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「ヒロインの魅力が発揮されるエピソード」

「ヒロインと主人公との間に具体的ななにごとが起こるエピソード」

「ヒロインor主人公orふたりと、その周辺との間に具体的ななにごとかが起こるエピソード」

を組み合わせ

『受ける要素を満たす展開』

を構築できれば、それは恋愛物において魅力的なストーリーラインとして成立するでしょう。

///

というものでございました。

本日はこちらベースに、
主人公と、ヒロイン「ハチロク」での物語を想定し、
具体的なエピソードを立て、その構成を考えてみましょう。

『受ける要素を満たす展開』は、恋愛物の基本要素にして目的達成までの必須要素となる
『ふたりの関係の深まり』として設定します。

ですので、目標は
「エピソード=イベント群を経て、はっきりとふたりの関係が一歩進展する」
というところにいたします。

その目標を叶えていくため。
今一度ヒロインであるハチロクの魅力ポイントも羅列してみます。

・外観の美しさ

・日ノ本撫子な立ち居振る舞い

・綺麗なことばづかい

・プロフェッショナルさ

・芯の強さと、その奥に隠れている脆さ

・石炭に対したときのコミカルさ

――といった感じです。

これらを踏まえ、

「ヒロインの魅力を発揮するエピソード」
としては
『蒸気機関車の運転中のアクシデントに対して、プロフェッショナルな一面を見せる』

として考えてみます。

「ヒロインと主人公との間に具体的ななにごとが起こるエピソード」

は、そうなりますと

『プロとしての一面を見せるために無理をしてしまった。そのために表出した、過去の事故の記憶からの来る脆い面を、主人公が支えてあげる』

あたりになりますでしょうか。

そうなりますと、
“支えてあげて、支えを受け入れる”
の成立が 「一歩前進」をそのまま示すこととなりそうです。

ので、

「ヒロインor主人公orふたりと、その周辺との間に具体的ななにごとかが起こるエピソード」

は、この位置にあると、むしろ邪魔な要素になってしまいかねません。

ですからこの物語展開の冒頭に移動させるのがよいでしょう。

つまり

///

「ヒロインor主人公orふたりと、その周辺との間に具体的ななにごとかが起こるエピソード」
でアクシデントが発生し

「ヒロインの魅力を発揮するエピソード」
として
『蒸気機関車の運転中のアクシデントに対して、プロフェッショナルな一面を見せ、アクシデントを解消し』

「ヒロインと主人公との間に具体的ななにごとが起こるエピソード」
として
『プロとしての一面を見せるために無理をしてしまった。そのために表出した、過去の事故の記憶からの来る脆い面を、主人公が支えてあげた』

///

……その結果として「ふたりの関係が一歩前進する」という目標が達成されるわけです。
この構成なら多分、お話として成立しております。


ここまでをまとめます。

『恋愛ものにおいて効果的な、エピソード群の組み合わせ方』

を試行錯誤するためには

1:制作済みのエピソード群の組み合わせ(=ストーリーライン)の結果として達成したい目標を明確に設定する

2:その目標を達成するために、もっとも効果的なエピソード順を考える

という手順をとることが、とても有効となるのではないか、とわたくしは考えます。

並び替えの際には、上記のように「エピソードを羅列していき、コピペでそれらの順番をあれこれ入れ替えてみる」というやり方が、役に立つかと存じます。

並び替えがどうにもしっくりこない場合には、最も機能していないエピソードを捨てて、よりハマるものを新しく考えるといいでしょう。

――以上が、わたくしの考える、
『恋愛ものにおいて効果的な、エピソード群の組み合わせ方』
の、コツであるかと存じます。

少しでもお役にたったり、反面教師としていただけたりする部分がございましたら幸いです。

さてさて。
上記の方法論できちんと機能する物語が書けるのかどうか。
それを実証するために、前記した

/////////

「ヒロインor主人公orふたりと、その周辺との間に具体的ななにごとかが起こるエピソード」
でアクシデントが発生し

「ヒロインの魅力を発揮するエピソード」
として
『蒸気機関車の運転中のアクシデントに対して、プロフェッショナルな一面を見せ、アクシデントを解消し』

「ヒロインと主人公との間に具体的ななにごとが起こるエピソード」
として
『プロとしての一面を見せるために無理をしてしまった。そのために表出した、過去の事故の記憶からの来る脆い面を、主人公が支えてあげた』

/////////

――という物語構成での短いお話を書いてみることで、本稿を締めくくりたいかと存じます。

タイトルは

「ハチロクと小さな迷子」

よろしければどうぞ、あわせ御確認いただけますと幸いです。

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本日のショートストーリーは以下となります

『ハチロクと小さな迷子』

(あらすじ)

給水停車の真っ最中。
ハチロクは、泣きじゃくっている少女に出会います。
双鉄が駅放送の依頼に向かう中、なんとか泣き止ませようとがんばるのです。

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