見出し画像

3分で読めるレイルロオドのお話「れいなと西瓜と幼児番組」&WEBTOON作品 レヱル・ロマネスク0 第28話「晴れ時々曇りのちに雨」シーン1ネーム&字コンテ

子宝に恵まれました関係で、わたくし最近、赤ちゃん向けの動画とか見るようになりました。

「Youtube使って子供あやすなんで、愛情不足っぽくない?」
とか、子育てエアプな意見をわたくしも数ヶ月前までは抱いておりました。

のですが、実際あれやこれややりながら子供をあやし――思いつくこと全部やっても泣き止んでくれない! みたいな状況で、
「とんとんトマトちゃん」先生とか「ボス・ベイビー」先生とか「ドライヤーの音」先生が、いともたやすく赤子を泣き止ませてくれることを経験すると。

「動画は必要なツール」と手のひらは完全に裏返りました。

で、赤ちゃんに見せてる間に自分も一緒にみてみると――
これが、実に楽しいのです。

鉄道関係でいえば「とれたんず」という、JR東日本の車両群がデフォルメされて、絵本になったり、うたになったり、ボール状になってころがったり――というコンテンツ群があるのですが。

このうちの「ボール状になってころがっていくだけの動画」――
「まんまるとれたんず」のシリーズが、わたくし的にはたいそう楽しうございますのです。

この「まんまるとれたんず」のシリーズは多分、とれたんずの中でも赤ちゃん向けのコンテンツ群で。

「動きと音で興味をひきつける」

に、ほぼほぼ全振りされているように、わたくしは感じます。

とすると、楽しさの原点というのは「見て」「聞いて」(触って、味わって、嗅いで)心地よくなる――
つまりは五感が快の情報を受け取る――ということにあり。

メッセージ性とか、キャラクター性とか、そういうふうな『物語を構成する要素』は、楽しさの原点からは結構離れたところにあるんだなぁ――というふうにも感じました。

前者を「根源的楽しさ」
後者を「文化的楽しさ」

と仮に名付けるとして。

「ノベルゲームのシナリオ」なんかは文化的楽しさだけを追求していけば、絵とか音楽とか動きとかのそれぞれの専門家さんが根源的楽しさを付与してくれる――という素晴らしく恵まれたお仕事であるのだなぁ、と感じました。

で、いまわたくしが主たるお仕事としてがんばっております「WEBTOONの原作とネーム」は、文化的楽しさと根源的楽しさの両方を盛り込んでいかねばならず、いままでとはずいぶん勝手が違ってきているのだなぁ、と。

ので、「根源的楽しさ」をより根源的に学んべ行くべく、その集合体である赤ちゃんむけ動画群。
今後とも意識的に試聴していき、寝落ちていく所存です。

そんなこんななWEBTOON作品『レヱル・ロマネスク0』のネーム&字コンテ

第27話「金の髪の少女」

につきまして、本日よりは
第28話「晴れ時々曇りのちに雨」のシーン1の方から、順次公開していきたいと存じます。


凪さま登場回、でございますね。

というか、いままでぼんやりとした感覚として
「凪とかオリヴィが出てくる回はネーム切りやすいなぁ」
というのがあったのですが。

これは、凪とかオリヴィとかが「根源的楽しさに寄ってるキャラ」だからかもしれませんね。

わたくし勝手に、腑に落ちましてございます。

そんな流れでございますので、本日の短いお話は「幼児番組」をテーマに書いてみたいと思います。

登場するレイルロオドは、れいなと西瓜。

タイトルは「れいなと西瓜と幼児番組」でございます。

どなたにも無償でお楽しみいただけるお話となりますので、よろしければどうぞご笑覧いただけますと幸いです。

■れいな

御一夜鉄道キハ07s専用レイルロオド。
旧所属は硬上鉱山鉄道。
鉱山町の暮らしでは、赤ちゃんや幼児たちとももりもり触れ合っていた。

■西瓜


仲国鉄路総公司東富4 2000専用レイルロオド。
日ノ本の大廃線とそこからの復興について社命に基づき調査研究している。
日ノ本語に堪能。

/////

『れいなと西瓜と幼児番組』

「ふぅ……」

「あ、西瓜先生、おかえりなさぁい」

「西瓜先生はやめてください、れいなさん。
第二回レイルロオド・サミットも間もなく終わるのですから」

「うふふぅ、西瓜さん、立派な先生ぶりでしたぁ」

「実際立派な先生であれたのかどうかは、
まいてつ祭での皆の展示内容次第……っと?」

『♪ ウー ブー フー さんびきの こうし』

あ! テレビつけっぱなしでしたぁ。
西瓜さん、あきれたみたいに見てますねぇ。

「ごめんなさぁい。消しますか? チャンネル変えますか?」

「いいえ――懐かしい、このまま見ても良いですか?」

「え? なつかしいって……
西瓜さん、『おとうさんといっしょ』知ってるんですかぁ?」

「はい、日ノ本語の勉強のために、何度も繰り返して拝見しました」

「わ」

れいな、おとうさんといっしょってちっちゃいこが見る番組だって思い込んでたんですけど、そっか――
ちっちゃいこむけってことは、日ノ本語をこれから勉強していくのにちょうどいいってことでもあるんですねぇ。

っていうことは、ていうことはぁ

「他にもそういう番組、みたりしたんですかぁ?」

「もちろんです。『ひらけギロッポン』もほとんど毎日のように拝見していました」

「わぁ! ジャンパピンとモック、どっち派ですかぁ?」

「緑の方ですね」

「わー、意見がわかれましたねぇ、れいなは赤い毛むくじゃらの方が好きなんですよぉ」

「うふふ、れいなさんもお詳しい。この手の話ができるレイルロオドとはなかなか出会えなくて」

「あー、れいなはおやまの出身ですからねぇ」

人間のみんなのおうちが、暮らしが、れいなたちの暮らしのすぐとなりにいつでもあって。

けど……そうかぁ、ハチロクさんとかはきっと、そういう番組、あんまり見てないかもですよねぇ、たぶん。

「他のみんなよりはたしかに詳しい方なのかもですぅ、『アニメはじめてストーリー』とか大好きでしたしぃ」

「モグタソ! かわいいですよね。知識深める系でいくなら、西瓜は『このまち超好き!』も、それこそ超好きでした」

「シゴクゾ先生、かっこよかったですねぇ」

「かっこいいといえば背高氏も外せないかと」

「ああ! 『できるとも』もおもしろかったですねぇ」

うふふぅ、なんだかむかしをどんどんおもいだしますねぇ。

あ! っていうか、こどもばんぐみっていったら――

「乗り物系はどうだったんですかぁ?」

「それこそ文字通りに全てを網羅したかと。
どれもそれぞれ好きですが、強いて一番をあげるなら」

「あげるなら?」

「『のるスタ!』」

「! ドンファソ!!!」

わぁって思って声がでちゃって、そしたら西瓜さんと目が会います。

「「『宇宙はピーポー』」」

わぁああ! うれしい!!!
西瓜さんもドンファソ大好きで、ピーポーピーポーうたっておどってたんですねぇ!

「あれぇ? けどぉ?」

「? けど、なんでしょう、れいなさん」

ドンファソはオネエ言葉だし。
ムギヤンはだべぇって感じだし……

「……宇宙はピーポーって、日ノ本語の勉強になりますかぁ?」

「なったからこそ、西瓜は胸を張ってお答えしましょう」

西瓜さん、ニカっ! って爽やかな笑顔ですぅ。

「『それはそれ、これはこれ』と」

;おしまい

////////////

いかがでしょうか?

世代的にかなり飛んでる番組も混じってますが、
「それはそれ」ってことでご容赦いただけますと幸いです。

西瓜登場のタイミングを図っております感もあるWEBTOON作品『レヱル・ロマネスク』0

の、過去話。


どなたにも無償でご確認いただける0~7話はこちらで

それ以降のまとめはメンバーシップ特典で

それぞれお読みいただけますので、よろしければどうぞご笑覧いただけますと幸いです。

///

【メンバーシップ限定記事のご案内】

『レヱル・ロマネスクnote』メンバーシップ『御一夜鉄道サポーターズクラブ』

にご参加いただきますと、レイルロオドたちにかかわる詳細な内部設定資料や掲示板機能などをお楽しみいただくことができます。

掲示板では「3分で読めるレイルロオドのお話」の主役レイルロオドのリクエストなども可能です。

また『レイルロオド・マニアックス』の掲載時には、紹介されているレイルロオドの設定画や三面図などの資料で存在するものを公開していきたく思っております。

どうぞご参加ご検討いただけますと幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?