〈これまで〉は《これから》のために 石野理子(赤い公園)が唄う希望の歌(2)

夜明けは闇の中で待つほかない。
けれど、この闇はいつ明けるのだろう?

「忍耐」
石野理子(アイドルネッサンス) 2018年の書き初め。

待つしかない。
闇がいつ明けるのか、わからないけれど。

とにかく、待つより仕方がない…。

17歳の石野が自らに言い聞かせている。

ところが…

重苦しい年の初めは、
石野ひとりのものではなかった。
石野が所属する〈アイドルネッサンス〉、
ほかのメンバー5人に見える“景色”も。

この“景色”が人びとの目に触れたのは、
1月20日。

〈アイドルネッサンス〉公式ホームページ

所属事務所は、グループの解散とラストライブの日程を発表する。

石野ら〈アイドルネッサンス〉6人が正月に見ていた景色は、
目の前で夢が壊れて行くものだった。

石野は、この景色をひと言で表す…
“儚(はかな)い”。

「アイドル戦国時代」
2010年代前半、社会現象にまで発展した言葉だ。

全国各地で無数の“ご当地アイドル”が活動した。

時まさに、
世界的な“クールジャパン”“KAWAIIカルチャー”ブーム。

BABYMETALのように、
アイドルのカテゴリを越えて独自の立ち位置を築くものも現れた。

ところが、
このトレンドも2017年下半期には蔭りを見せる。

グループの活動休止・離合集散が相次ぐ。
アイドルネッサンスも例外ではなかった。

運営いわく
“ブレイクスルーが見出せなかった…”

一見唐突に見えた、
アイドルネッサンスの解散。
だが、2017年下半期から
運営チーム内で、運営とメンバーとの間で
話し合いが積み重ねられていた。

メンバーらが〈大人の事情〉を受け容れるのは、
酷なまでに若い。
とりわけ“大人目線”で多くを察しやすい石野には、
他のメンバー以上に
大人たちの苦悩までも“自分ごと”のように受けとめ、過度な心理的負担だったようだ。

あくまでも、筆者の分析だが。

ところが…

石野らが抱える“忍耐”の時間は、
別の場所でも進んでいた。

東京・立川のライブハウス〈BABEL〉で…(続く)

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