フィクションの空気を引きずって
最近はフィクションばかり読んだり見たりしている。
中でも、ぶっ飛んだ、常識破りな人間が出てくるものや、設定自体がおかしなものに惹かれる。
いつも考えるのは、こんな風に思い切ったことができたらどんなにいいだろう、ということだ。
最近読んだ本谷有希子の『生きてるだけで、愛』の主人公は、鬱っぽいという理由で30日も彼氏の家に引きこもったり、バイト先から逃げ出したり、裸で屋上に登ったりするヤバいやつだ。
私はうらやましくてたまらない。本当は、私も裸で屋上に登りたいのかもしれない。
破天荒なものばかりに惹かれるのは、現実世界で閉じ込められていると感じているせいだろう。
もちろん、フィクションだから許されるのだ、ということはたくさんある。
けれど、閉じ込められすぎている実生活の中で、フィクションの登場人物のような思い切りの良さを少しだけ持てたら、楽しくなるかもしれない。
年末にフィクションのエッセンスをたっぷり蓄えて、年明けからはその空気を引きずって生きてみようと思う。
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