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AUDIX の小型マイクに感じる未来

2023年の5月ごろ、「旅するMicTrakM2」という企画に参加させてもらった。

この企画の後、機材屋さんというその名もズバリの機材屋さんを紹介してもらった。

その機材屋さんが2023年11月下旬から、「AUDIX 貸出キャンペーン」というのをやっていて、大のマイク好きであるわたしは一も二もなく飛びついたのでありました。

そのキャンペーンで借りて体験したAUDIX のマイクに感じた未来について、所感をまとめながら書いておこうと思う。

AUDIX とはなにか

これはもう公式サイトを覗いてみよう。

これを見るとヘッドフォンとかイヤフォンとかマイクとか、そういったプロダクトを販売している会社だということがわかる。たぶん振動素子を得意とするメーカーだろう。日本でいうオーディオ・テクニカみたいな感じか。

ここにあるように、日本では楽器メーカーとして有名なローランドが輸入販売元になっている。2022年10月からというから比較的最近の話だ。ここには「米国マイクブランド」と書いてある。

サイトを見る限り、いろんなタイプのマイクを出していて、印象としてはAKGとかaudio-technica と似たような方向の会社だと思われる。

しかし、今回機材屋さんが貸出キャンペーンをやって推しているラインナップを見るとただのマイクブランドではないことがわかる。

AUDIX のマイクは何がすごいのか

今回、貸出キャンペーンの対象モデルの中から、わたしはスモールダイアフラムコンデンサーマイクと、ショットガンマイクの二種類を借りた。機種名ではM1280B(スモールダイアフラム)とM1250BS(ショットガン)の2つである。

さてこのマイク、ただのマイクではない。なにが「ただの」マイクではないのか。

小さい

ものすごく小さい

これはM1280Bの方だ。スモールダイアフラムコンデンサーマイクでこのような筒形のものを俗に「ペンシルマイク」等と呼んだりするが、一般的なものはだいたい1円玉ぐらいの径がある。しかしこのM1280Bは文字通りペンシル、鉛筆ぐらいの太さしかない。長さもご覧のように、指よりも短いほどだ。もちろんこの見た目から想像されるように、とても軽い。

ショットガンタイプも見てみよう。

まさにペンシル

ペン回しができるほど細い。本当にマイクなのかと疑いたくなるようなサイズである。この太さの中にダイヤフラム(振動版)が入っているわけで、一般的なスモールダイヤフラムの1/4ぐらいの面積しかないと思われる。

普通のショットガンマイクと比べてみよう。

嘘のような差がある

笑っちゃうぐらい違う。上はaudio-technica のAT-8015 というショットガンマイク。このマイクは少々長めのサイズではあるが、太さはごく一般的なものだ。これと比較するとAUDIX のM1250BS がいかに小さいかわかってもらえるだろう。もちろんこの見た目通りに、重さにも差がある。

高感度かつ低ノイズ

もちろんいくら小さくても音がダメだったらダメである。こんなに小さくて音質は犠牲にならないのだろうかと、多くの人が思うだろう。

録音サンプルの動画を作ってみた。

最初に音を聴いたとき、まずノイズの少なさに驚いた。S/N比がとても高い印象を受ける。また感度も高く、わずかな音でも繊細に収音してくれる。幾分高音成分が強めに出ている印象はあるけれど、ASMR 用途であればむしろ嬉しい音質だ。

特筆すべきは、この音質がこの圧倒的に小さくて軽いマイクから得られるという点だ。上の動画の前半(自転車のチェーンまでの部分)は、マンフロットの小型の三脚にGoProを載せ、その上にこのマイクを載せて収録した。片手で持てちゃうお手軽装備である。加えて、GoPro はかなり広角なので、オンカメラでマイクを載せると相当短いものでないと画面に映ってしまうのだが、このM1250BSはGoPro の27㎜モード(最望遠側)で画面に映らなかった。

小さいは正義

正直な話、わたしはこのマイクに触れるまで、マイクに特に小ささ、軽さといった要素は求めていなかった。これまでマイクの大きさで困ったことがなかったのである。

ところがこのマイクを使ってみてすぐにわかった。小さいは正義なのだ。小さくて軽い装備は気軽に持ち出すことができ、「ちょっと撮りに行こう」というフットワークの軽さにつながる。特にGoPro みたいな小さくて軽いカメラと組み合わせることで「気軽さ」が爆上がりし、さっと取り出して収録する、みたいなことが可能になる。

このマイクを車に設置し、車を運転しながら雑談するというPodcast も収録してみた。

小さいといろんなことが気軽になる、という重要なことを痛感した。

感想

良い点

  • ノイズが少ない

  • 小さい、軽い

  • 感度が高い

音質的な部分、取り回しの部分などで利点をたくさん感じる。

もう一歩な点

  • 周辺機器の互換問題

    • 接続がミニXLR という端子で、ケーブル等の入手性が良くない

    • 径が細いためウィンドジャマー、ショックマウント等が専用のものしか使えない

サイズが特殊なせいで汎用的なものが何も使えず、まだこのサイズ用のものが充実していないので選択肢がほとんどない。小さいことがこのマイクの圧倒的な強みなのだけれど、現状その強みが同時にマイナスポイントにもなっている。

ケーブルは大が小を兼ねる発想でけっこう長いものが付属しているのだが、少々長すぎて取り回しが大変。でも短いケーブルを買おうと思うと、ミニXLR からXLR に変換するケーブルを探す必要があって、選択肢があまりない。数売れないケーブルなので値段も高いといった問題もある。

上で紹介したPodcast でも話しているのだけれど、AUDIX のこの小型マイクのシリーズがこれから普及するためには、これ用のウィンドジャマーやケーブル、ショックマウントなどが揃うことが必要だろう。メーカーが公式にある程度低価格のものを販売したり、ケーブルなどは長いものと短いものを2本付属させるなどすると売れるようになりそうだ。

このマイクはとにかく身軽なのでフィールドレコーディングに使いたい。でもフィールドで使うためには効果の高いウィンドジャマーが必要なのだが、現在市販されている優秀なものがこのマイクにはほとんど使えない。まずはこのマイク用の高性能なウィンドジャマーを販売することが必須なのではないかと思う。その辺が揃ってきたら十分検討するターゲットに入って来そうだ。

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