たわいないひかり[解説]

MOQJIの新しいアルバム「たわいないひかり」が完成した。この作品の中には自分が音楽を始めた頃の曲や前身バンドでよくやっていた曲も収録されている。もちろん新しい曲も。

音楽と出会って20年近く経った今もこうして続けられてる理由はなんだろう。

汚い部屋で小さく綴る歌を、わざわざ誰かに聴いてもらう行為とはなんだろう。

曲ができる度に考える。

"自分のため"と思っていたがそれだけじゃないという事はわかってきた。

それはさておき、ここで誰の得になるかわからないがアルバムの解説でもしてみよう、と電車の中で思う。
そうここは電車の中、長旅なので、書く。


1.あたらしい闇

アルバムの一曲目という作品のコンセプトが決まってしまうかもしれない大事な曲。にも関わらず、なんとなくで決めた。なんとなくっていうのは多分なんとなくじゃないんだけど(どっち?)そもそもコンセプトなんてものはこのバンドにはない(多分)ましてやAメロやBメロやCメロもない。全部サビ。はい。でどういった曲なのかと言うと、以前お付き合いしていた人とお別れをし、新しい生活が始まった時にできた歌。新しい生活...新しい闇...どんだけネガティブなのか。まったくもって情けない。歌詞にもあるように何年も禁煙していたのにタバコに火をつけたり、やさぐれまくりな日々を吐き捨てるかのよう書きました。ちなみにタイトルを"新しい闇"にするか"あたらしい闇"にするか悩んでいたのでメンバーに相談しました。こういう相談はよくします。まだ解説1曲目ですが長い?というか解説になってるのかこれ。
はい次。

2.涙の海

今回のアルバムは一年半くらいかけてのんびりと制作してきた。そしてこの曲はレコーディングが始まって最初の方に録音した歌。この歌はとにかく歌が難しい。高いし張るし苦しいし。サビの部分の歌詞は西野カナさんに影響されている気もしなくはない。

3.パープループ

新曲をライブで披露する時は毎回緊張するけどこの曲は特に緊張した思い出がある。ギターのリフレインにラップ?もどきの歌をのせる。自分の中では新鮮な曲のスタイルだったのでメンバーに初めて聴いてもらった時も緊張した。アルバムの中では他の曲に比べ異質な立ち位置だがこれもMOQJI。

4.通り雨

通り雨

5.終点

21か22才くらいに書いた。この頃書いた歌の歌詞にはという言葉が頻繁に入っていた。死にたいわけではなかった。むしろ生きたくて、そう書いた。ラストのギターソロが気持ちいい。ちなみに元タイトルは「終わってますね」

6.Mothers Song

2年前、母が倒れた時に書いた曲。出だしの歌詞「このまま死んだらよかった」は母の意識が戻り放った言葉。なんで曲にしたのか今でもよくわからない。メンバーも聴いた時はなんとも言えない気持ちになっただろう。ただ、歌わずにはいられなかった。だからといってこれを母が聴いたらどう思うのか。結局、周りを考えず自分勝手な我儘なやつと言われれば返す言葉もない。

7.美しい方へ

アルバムを通して聴いてみると、この曲あたりから流れが変わってきたように感じる。どんな思いで書いたか、これもだいぶ前に書いたからうまく言えないが、幸福な瞬間だったんだと思う。

8.落葉

MOQJIがまだスリーピースの時からある曲。弾き語りのアルバムにも収録されていて、越谷のコンピレーションアルバムにも収録されている。4人での録音は初。先日YouTubeでも公開したがとても大切な歌で色々な想いが詰まっている。沢山出会ってきたけど別れもあった。二度と会えない家族や友人。そしてメンバーも歳を重ね家族ができて、かけがえのない時間が生まれ、また過ぎてゆく。そんな瞬間を忘れないための、歌。

9.春の旅人

RENTAL HOPEという知る人ぞ知るバンドをやっていた時の曲。確か、西川口ハーツというライブハウスの楽屋で本番前につくった記憶がある。前身バンドが解散してからも弾き語りでよくやっていた。今このバンドで録音したらどうなるんだろう?という気持ちもあったが単純に歌い続けるべきだと思えたから収録した。

10.すべては歌の中に

最後ですね。随分大袈裟なタイトルですが曲中でも自信満々に歌っている。というかメンバーに歌わせている。まさに自分が今までやってきた音楽活動の集大成ともいえる一曲。すべては歌の中に。

さて、解説は以上です。これを読んで印象が変わる人もいたりもしかしたら聴かない人もいるかもしれませんが、よかったら聴いてみてください。

MOQJI 3rd ALBUM
「たわいないひかり」

1.あたらしい闇
2.涙の海
3.パープループ
4.通り雨
5.終点
6.Mother's Song
7.美しい方へ
8.落葉
9.春の旅人
10.すべては歌の中に


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