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untitled flowers

7月、9月と開催した個展「untitled flowers」が無事に終わった。来てくれた皆さま、本当にありがとうございました。たくさんの人と作品について話せたのが何よりも嬉しかった。

untitled flowersが生まれるまで

2022年1月28日。

初めての個展の日に母が倒れた。

同じ時期に恋人とも別れしばらく写真が撮れなくなった。ある日、好きなミュージシャンの新譜が出ている事に気づいた。聴いた瞬間心が跳ねるような感覚だった。

深夜の静まりかえった部屋で眠っていたキャンバスを引っ張り出しその時の想いを指で描いた。

そして、なぜかテレビ台に置かれた一枚の花の写真を絵の中央に貼った。1日、2日と経ってもなぜそんな事をしたのかわからなかった。しかしその時の感情でできたものに美しさみたいなものを感じた。素直に嬉しかった。

1番最初にできた作品。テレビ台に置かれた花の写真。

それから毎日花を撮り続けてはキャンバスにプリントを張り絵の具で重ねた。当時はコンセプトなんてものはなかった。

コロナが始まった直後、部屋でよく絵を描いていた。

好きな言葉がある。

"What's in a name? that which we call a rose.By any other name would smell as sweet."

シェイクスピアの悲劇「ロミオとジュリエット」の台詞。

「GO」という金城一紀さんの小説にもその言葉が出てきて大好きで何度も読み返している(映画も素晴らしい)

僕はその言葉からインスピレーションを受けキャンバスに描いていた。

What's in a name? that which we call a rose.By any other name would smell as sweet.


話はちょっと変わるけど、自分は在日韓国人3世として日本で生まれて日本の学校へ行った。韓国の言葉は話せないし父や母と違って差別も受けずに育った。

当事者でないから彼らの気持ちはわからなかったけどそれでも流れている血のせいなのか当時の話を聞いたり自分なりに調べていくと言葉にできない悔しさや悲しみが溢れ出た。

この感情は何処へ向かうのか?終わりはあるのか?と阿呆なりに考えたが、考えても意味がないな〜。疲れるな〜。と思考放棄しそのかわりに歌を歌ったり写真を撮ったりして自分なりに昇華していった。

今回の作品を、コンセプトを伝えず父に見せ時があった。作品を見た父は「グロテスクだ。なんか怖いな」と言ってきてとても驚いた。

僕は美しいと思ったから。

でも、その思いもよらぬリアクションが大事だったりする。

ある人は「カッコいい」と、ある人は「カワイイ」と言ってくれた。ある人は「生きてるみたいだ」と。ある人は「よくわからない」と。

僕の作品に込められた想いを誰かに押し付けたいとは思わない。

作品を見てくれた人が自由に想像してくれたならそれは最高だと思う。

芸術が素晴らしいのはそういう所にもあると思う。

キッカケは母が倒れた事や自分が大切にしていた人が離れた喪失から救ってくれた音楽だったけど、そこから自分のルーツを辿って生まれたものが重なり"untitled flowers"という作品が生まれた。

描かれているものと写るものは決して交わることはないかもしれないけど"あなたはどう足掻いてもあなただよ"という事を自分にも伝えたかった。

長くなってしまった上読みづらかったらごめんなさい。

とにかく、ありがとう。

本当に。



live schedule

●10/8日)音楽茶屋ごりごりハウス(バンド)
●10/11(水)新宿WildSideTokyo(バンド)
●10/15(日)音楽茶屋ごりごりハウス(弾き語り)
●10/26(木)音楽茶屋ごりごりハウス(弾き語り)

●11/9(木) 越谷EASYGOINGS (バンド)
●11/12(日)新宿SACT! (バンド)
●11/26(日)下北沢flowers loft(弾き語り)

mail
tot162743@gmail.com

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