サヨナラCOLOR

BUMPで音楽を聴くという習慣を身につけた中学時代。

私自身よくわかっていないのだが、テレビなどで流れている皆が知っている曲も聴き、かつ友達が知らなそうなものにも手を出すようになっていた。

(あくまでも私の周りが知らなかったという範疇。)

中学三年生の頃になぜかレゲエグループ【FIRE BALL】にハマったり、爆笑オンエアバトルの姉妹番組である熱唱オンエアバトルにも出場していた【AJISAI】、姉の影響で【Folder】を脱退し声変わりを経て出始めの【三浦大知】。

を聴いたりとおそらく周りに聞いても分からないだろうというアーティストを聴いていた。

今となっては当時から【ラーメンズ】が好きだったり、【水曜どうでしょう】をVHSで録画したりしていたことを思うと自分にはそういう気質があるんじゃないかなとも思うし、自分は人とは違うぜみたいなことをかっこいいなんて思ってやっていたのかもしれない。

高校時代には【SECRET 7LINE】、【plane】を聴いたりととにかく自分が良いなと思っていたものはこそこそと漁っていた。

その中でも印象的な出来事。

野球部の中に分厚いipod(当時は大容量の126GB)で色んな音楽を聴く子がいた。
その子は【FACT】が知れ渡る前、逆輸入で来たばかりの【FACT】のライブに通うほどの音楽通であった。
(しかも、ボーカルの人に写真とipodにサインもらってた)

私が【SECRET 7 LINE】を聴いてることを知り、邦楽ロックでおススメを色々教えてくれた。(【フジファブリック】、【BEAT CRUSADERS】…)


2009年頃、偶然見ていたミュージックステーションにあるバンドが出演していた。

【SUPER BUTTER DOG】

どうやらフェスなどでは知る人知るバンドだ。
が、どうやら解散が決まっていた。
今回は特別で地上波で最初で最後に曲を披露するということだった。

【サヨナラCOLOR】


高校生の自分の中にある不安というか洗われていないところ、つっかかている何かを浄化してくれるかのようなメロディと歌詞。そして、永積タカシ(ハナレグミ)の歌声が気持ちよく体の中を通っていった。

すぐさま私はLISMOでその曲をダウンロードし、鬼リピした。
( ipodその時多分ちょうど水没させてた。)

とある野球部の遠征。

遠征先のグラウンド横でユニフォームから制服に各々着替えている間の時だ。
早く着替え終わったので片耳にイヤホンをつけて【サヨナラCOLOR】を聴いていると後ろから画面を見られていたのかその音楽通の子から

「SUPER BUTTER DOG聴いてるの?良いよねSUPER BUTTER DOG。センスあるわ。」

センスあるわ。という言葉に私はえらく高揚した。彼は昔からライブも行き、フェスも行っている私にとって私より音楽を知っている人であり、そんな人から「センスあるわ。」なんて言葉が私に向けて放たれた。

正直なところ私は聴くものなんて自由だとは思っている手前、誰かに認められたかったのかもしれない。聴くことは自由でも聴いているものの正しさをどこかに求めていたのかもしれない。
そんな狭間で心揺れていた所をこの曲が救い、
そしてその曲を聴いていたことでその言葉にどこか救われた。

そこから私の聴く音楽の幅が広がり始めた。

誰基準でもなく。私基準の音楽の幅が。

数秒前、数分前の自分にサヨナラ。

サヨナラから始まることのひとつがこれ。



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