麻雀の打点効率(初級者編)

ちょっと見かけたもので少し考えて説明できそうだったので書いてみる。
待ち牌の数と打点の選択の話になる。
短めなのでおやつ感覚で読んで頂ければいいかなぁと思う。

A:待ち牌8枚の1000点
B:待ち牌4枚の2000点
C:待ち牌8枚の5000点
D:待ち牌4枚の10000点
よく言われているが待ち牌が2倍になったからといって和了率は2倍にならない。なのでAの和了率が60%でもBの和了率は30%にはならないのだ。
今回適当に
AとCは和了率50%
BとDは和了率35%
と仮定して示してみたいと思う。

上記仮定ならAの得点期待値は500点でありBの得点期待値は700点である。じゃあBの方が得なのだろうか?
答えは(多分)否だ。
多くの人が体感的に感じているように多分Aの方が得だと思う。
それは何故だろうか?
和了率が50%ということはそれ以外のことが起きる確率が50%あるということでもある。ここでは他確率と呼ぼう。
Aの他確率は50%でありBの他確率は65%である。
他確率は流局で加点できる場合や横移動で失点しない場合もある。しかし自模られたり放銃することで失点することの方が多く含まれており基本的に他確率で起こる事象はマイナス期待値である。
今回は他事象で起こるマイナス平均を1700点としてみよう。
すると
Aは-850点、Bは-1105点の失点期待値を持つことになる。
即ちこの仮定において
Aの期待値は1000×0.5-1700×0.5=-350点
Bの期待値は2000×0.35-1700×0.65=-405点
となり局期待値においてAが55点優位と考えることができる。

今度はCとDを比較してみよう。上記と同じ仮定を使用する。
すると
Cの期待値は5000×0.5-1700×0.5=1650点
Dの期待値は10000×0.35-1700×0.65=2395点
となり局期待値においてDが745点優位な結果になった。

さて、同じ待ち牌2倍、打点2倍の比較であるはずだ。
しかしAとBの比較では待ちの多いAが優位になり、
CとDの比較では打点の高いDが優位という結果になった。
何故か?
計算式を全て読んだ皆さんはお分かりかと思うが途中で読む気なくなっちゃった人のため結論を言うと、
「自分の和了以外で起きる失点の値が固定(この仮定は-1700)だから」
である。
自分の打点を上げても相手の打点は(基本的には)変化しないので得点期待値の上昇がそのまま実期待値に反映されるということだ。
つまり和了以外による失点期待値の増加を和了における加点期待値が補えるなら打点優位に、無理なら待ち牌の多い方が優位になっているのだ。

結論として
「打点が低い時は待ちが多い方が優位になりやすく、打点が高い時は待ちが少なくても打点の高い選択が優位になりやすい。」
という体感に合う話に帰結する。
何故「1000点良型と2000点愚形だと1000点良型が良い」と言う人が「2600点良型と5200点愚形だと5200点愚形が良さそう」と言うのかは原理としてはこういうことである。

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