実はその日しか会えない

美しい、そんな言葉が陳腐になってしまって悲しかった。その悲しさを説明しないといけないことが余計に悲しさを増幅させる。感情は揺れているみたいだった。心電図みたいに直線状で波打つような単純なグラフで作られていないのだ。 
 
それを分からないと、何だか毎日が退屈になるかもしれない。ランプに照らされた自分は非日常だ。そのランプは淡い光を出している。自分の影が映った。その影はその日にしか会えない分身。その分身に語りかける。答えてはくれない。

自分の声が空気中に拡散して耳に入ってくる。誰かが、自分の耳に入ってくる声と他人が受け取る声は違うと言っていた。未だに信じていない。自分の声が嫌いだから。
 
ランプを消した。ランプを消した一瞬だけ、自分の声が好きなのか嫌いなのかどうでも良かった。
 
すぐに影は消えた。







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雨小歩叶

yomi yomi

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