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嘉風引退中村襲名披露大相撲

2022年2月5日。両国国技館。
嘉風関の断髪式が行われました。

2019年9月に引退され、絶対に断髪式は観に行くと心に決めてからというもの、このご時世で2回も延期になり、やっとこの日が来ました。

チケットは取れましたが、取れた席は2F向正面・・・。
向正面だと、ずっとお背中しか見れないよなと落胆しましたが、もう髷姿が見られるのもこれで最後です。落胆を振り払って行きました。

国技館。4年振りです。ちょうど4年前の初場所を見たのが、初めての国技館でした。この日の取り組みの結びが、白鵬ー嘉風。嘉風関の頭脳相撲で、嘉風関が勝ち、座布団が乱れ飛びました。一緒に観ていた夫も大興奮で座布団を投げたのですが、全くうまく投げられず、当時0才の息子に直撃!息子が大泣きしたことを思い出しました。

入ってすぐのところに、化粧廻しの数々。

まだたくさんあったのですが、すべては撮りきれずでした。現役中1番よくみたのは、右のマニフレックス提供のものでしょうか。こんなにも近くで廻しを見られる機会なんて、そうそうありません。本当に美しくて目を奪われました。

さて、ひとしきり廻しを堪能しましたので、席を探します。
私の席は、2Fの一番前でした。
一番前なのでよく見えたのですが、やっぱり後ろよね・・・。
まぁそれはもう仕方ないと思って来ていたのですが、私の右横に座っていらしたご婦人がぼやくのです。
「私、こんな後ろしか見えない席だと思わなかった。」

・・・ん?

このぼやきはなんだ??向正面って知らなかったん???

そのご婦人は結局、最後までぼやいてました。

この日の断髪式、250人もの方が鋏を入れていきます。
かなりの長丁場。その間ずっと後ろ姿でしたが、時間が進むにつれて段々と胸に熱いものが込み上げてきました。
土俵にあがることができないお母様や娘さんのために、土俵際ぎりぎりまで下がり、上がらずとも鋏を入れられるようにしていたお姿に涙が。そして現役関取や親方衆への鋏入れまで進むと、本当に涙が止まらなくなってしまいました。

最後は尾車親方の止め鋏です。これで本当に髷がなくなります。

嘉風関、私が相撲を好きになるきっかけを下さったお相撲さん。
本当に格好良くて、毎場所、嘉風関の相撲を見るのが楽しみでした。
幕内土俵入りの佇まいがいつも美しく、仕切りではいつも先に両手をついている。そんな立ち振る舞いにいつも見惚れていました。

ありがとうございます。お疲れさまでした。心からそう思いました。

「勝っても負けてもいい一番を。」
嘉風関がいつも仰っていた言葉です。そのお言葉の通り、取組一番一番が本当に手に力が入る一番ばかりでした。
以前は勝ち負けにこだわっていたそうなんです。でも考え方が変わったそうで、人間いくつになっても、考え方を根底から変えることができるんだと思わせてくれて、そしてその結果が33才での関脇昇進。

さらにこの日も仰っていましたが
「相撲が楽しい。」「生まれ変わっても力士になりたい。」
人生を通じて楽しいと思えるものに出会え、それを貫いていく生き方。
素晴らしい。本当に素晴らしい。

もう言葉がでなくなってしまいました・・・。


そんな素敵な生き方が羨ましいんですよね。でも、それはご自身のポテンシャルの高さからできるものであって、私もそんな人生を今からでも歩めるのか。そんな風に思いました。少しずつやってみるか。

今後は、中村親方としてたくさんの力士の育てていくことになります。
そして2月7日付で、二所ノ関部屋の部屋付き親方になるとのこと。
この2月7日という日が良き日でいいですね。
元横綱・稀勢の里と元関脇・嘉風の部屋。最強ですね。
お二方の化学反応で生まれる力士に、今から楽しみです。

最後、整髪された親方が入口まで出てきてくださいました。

また素敵なお姿でした。これからもご活躍を楽しみにしています。





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