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都会のオアシス4 雨乃日珈琲店(ソウル・韓国)


雨乃日珈琲店の店内。中古家具を使った温かみのある店内が日本のカフェっぽい。

ソウルっ子はなぜカフェが好き?

今週のオアシスはソウルから。ソウルは東京に匹敵する大都市で、場所によって個性が異なります。繁華街として大まかに4つのエリアを覚えておくといいでしょう。古くからの中心街、ミョンドン(明洞)を中心に東大門と西大門、南山に囲まれた旧市街、そこから漢江という川を南に渡った対岸にある新市街であり高層ビルの多いカンナム(江南)、クラブや夜遊びエリアとしての風格をもつイテウォン(梨泰院)、そして弘益大学という芸術大学の周囲に広がるサブカルチャーの街、ホンデ(弘大)だ。今回取り上げる雨乃日珈琲は、ホンデにあります。ホンデは東京でいえば下北沢やJR中央線沿線の雰囲気に近く、一人暮らしの青年なんかが多く住んでいるイメージであり、小規模なライブハウス、ギャラリー、カフェなどが多い街。夜中まで活気があります。

そんな弘大の中心より少し歩いたところにある雨乃日珈琲店は、喧騒のソウル・ホンデにあって自分の時間を取り戻せるような素敵な場所です。日本人の私がどこか落ち着くのは、このカフェが日本人夫婦によって営まれていることと無縁ではないでしょう。とにかく「盛る」「足す」癖のあるソウルっ子には日本の引き算の魅力を感じれる場所となっているはず。

オーナーの清水さんは日本でライターとしても活動していて、私もライター仲間からの紹介でここに辿り着きました。そんな清水さんにこのコーナーでいつもしている質問をぶつける。なんでこのカフェはこんなに落ち着くんでしょうか?

「最近はお客さんが増えて落ち着ける空間を保てているのか分かりませんが、小さい規模のお店なので、バイトに任せっきりにすることなく、夫婦二人で接客や調理・管理をしているんです。だから隅まで管理が行き届くのかもしれません」

確かにアルバイトが増えるとお店に活気が出るかもしれませんが、その分店主の意図や思いはストレートに伝わりづらくなるかもしれませんよね。一方で私が考えるのは、一人ではなく夫婦であるというところに居心地の良さの秘密があるかもしれません。もしも一人の店なら、一人の個性がそのままお店に反映されますが、奥さんと旦那さん二人の美意識がカフェに注がれることで、間口が広がり、より素晴らしい場所になっている気がします。

世界中様々な場所に行きましたが、ソウルは本当にカフェが多いです。その理由は清水さん曰く自営業をやりたい若者が開業する場所として最も簡単に実現できるから、とのことです。だからこそ、その中で生き残り続けているお店こそ、本物と言えるかもしれません。ぜひ、ソウルに遊びに行った際は雨乃日珈琲、寄ってみてください。最近は休業日が増えたので事前にウェブサイトTwitterで営業日を確認した方がいいと思います。

雨乃日珈琲店はここ↓

(ソウル観光にはNAVER MAPがオススメですが、このメルマガではGoogle Mapに統一させていただきます)


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