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【信頼残高】相手が聞く耳を開くのはどんなとき?

多くの情報が無料で手に入る時代になりました。
高いお金を出して専門書を買わなくても、
高いお金を出して海外まで大学の授業を受けにいかなくても
自宅でパソコンを使うだけで
かなり多くの情報に到達することができる時代です。

これが加速しています。

これから、一層加速すると、
情報そのものよりも、誰がいうか、という価値がウエイトを占める割合が大きくなることが予測されます。

誰?が発信しているのか?
その人はなぜ発信しているのか?

そこに納得感や、ポジティブな感情を持てるか否かで、
その情報に耳や目を向けるかどうかを、人は瞬時で判断しているのです。

この、誰?
の力が強い人というのは、「信頼」力の高い人ということもできるかもしれません。

つまり、
相手の耳目を開くことができる力=『信頼』
かもしれません。

管理職として部下育成の任を負っている方、
親として子どもを育てている方、
教育者・教員として学校や塾で学ぶ人と向き合っている方、

あなたはどのくらい、
相手の耳目を開かせる『信頼』力があるでしょうか?


サイバーエージェントの曽山哲人さんは、
信頼残高(※ 相手から信頼されるに値すると思ってもらえる、心理的貯金のような概念)を決めるのは、「実績」と「内省」とおっしゃっています。

これについて、考えてみました。

「実績」はまず、わかりやすい気がします。

仕事やこれまでに成し遂げたことの「実績」があれば、人は成功者として、その人の話を聞こうと思います。大きな夢を叶えた人、巨富を築いた人…。

SNSで見るマーケティングでも、
「3人の子どもを東大に入れた親」が語る、
「どん底から100億円企業を立ち上げた経営者」が教える、
「難関校合格者数●年連続日本一の塾」講師が伝える、
「最年少で●●になったサラリーマン」に聞く、
など、
発信者に信頼をもってもらうことを狙いとした実績の明示は、
定石となっていますね。

「信頼残高」を上げるもう一つの要素、「内省」がちょっと面白いです。

辞書を見ると、
内省=自分の思想、言動などを深くかえりみること。反省。
哲学では、自己意識についての反省的思考を意味し、
心理学では内観と同じに用いられる。

と書かれています。
視点によってニュアンスが異なってくるようですが、
自分の内面を深く顧みること、というのは共通の意味と捉えて良さそうです。

内省と信頼残高。
どうつながっているのでしょうか。

前出のサイバー・曽山哲人さんによると、
自分が大切にしているもの、つまり価値観のようなものをお互いにすり合わせ、共通感情を見つけることができると、相手を信頼することができるようになる、という趣旨のことをおっしゃっています。(→筆者の解釈です)

相互の信頼が上がると、その人がいう言葉が相手に届きやすくなる。

曽山哲人さんは、上司と部下で行う1on1面談の際にも、
自分と年齢が離れていたり、これまでの職務が異なる相手に対してこそ、最初に話すのは、大切にしているもの(価値観)だと言います。

例えば、

「どんなことを大事に仕事してますか?」

とお互いに言葉にしてみる。

その上で、「やりがい」というキーワードが出てきたとしたら、
それにまつわる具体的なエピソードを聞くのだそうです。

言葉の意味は、実は人によって捉え方が異なります。

「犬」と言われて、大型犬を思い浮かべる人もいれば、トイプードルのような犬を連想する人もいるように、「やりがい」と言っても人それぞれです。

誤解や思い込みによる齟齬が出ないようにするには、具体的なエピソードを交えて「やりがい」を感じたときはどんなときだったのか、なぜそれを大事にしているのかを語るのが一番。

具体的なエピソードを聞くと、ピンとくることがあったりします。

そして、「それはとてもよくわかるなあ」という『共通感情』を見つけやすくなります。

この『共通感情』=「共感」です。

「共感」できるところを見つけると、人は相手を「信頼」できるようになります。(何を考えているのか全くわからない人に、安心して心を開くことは難しいですもんね。)相手の言葉に耳目を開こうと思うには、まずその相手に対する「信頼」を感じる必要があるわけです。

人が耳目を向ける人は、「信頼」できる人。

「信頼」とは、
  1、実績
  2、内省(から導かれる共感)
からできている。

親子でも上司と部下でも、またお客様と営業マンでも、
相手との間に「信頼」関係が培われると、
話がとてもスムースになります。

信頼がない状態で、情報量や情報の質を上げても、そもそも相手が耳を開かない、こちらをみてくれないので、無駄打ち、、、徒労に終わるわけです。

リモート下でも成果を出せるチーム

リモートで新しい仲間と信頼関係をつくるのは、簡単ではありません。
こんな時も、価値観を擦り合わせて、共通感情(共感)できるところを見つけるられると、信頼貯金を増やすことにつながります。

リモートでは、リアルでの接触に比べて、
五感のうち、2つが重要になります。

視覚と聴覚です。

オンラインでもアイコンタクトを取るには、サイドモニターの方を見ていてはダメ。カメラをみる目線が、相手にとって「自分を見てくれている」と感じる目線です。

また聴覚が伝達手段のメインになります。

出来るだけ正確で相手に理解しやすい言葉を選んで使いましょう。
時には手を使って、身振りを加えることも有効です。

視覚と聴覚で、相手に向き合って
共感ポイントを探す会話を意識してみると、関係値が変わってくるのを実感できると思います。

相手が耳を開く、目を向けてくれるようになる「信頼」。
それをつくる、実績と内省(からの共感)。

傾聴しましょう、
途中で遮らずに最後まで相手の話を聞きましょう、
など、1on1や営業スキルを実行しても思ったような成果に繋がらないときは、相手との信頼関係に目を向けて共通感情(共感)を見つけることを考えると良いかもしれません。

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リモートワークの日常

なかなかの男性社会で30年働いてきたテレビマンが、コーチングやカウンセリングで「自分らしく生きる」を支援中。限定少数しか出来ませんが小学生からシニアまで。