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イペ材弓はいかが

 ヴィオラ購入するときに浦田さんのマスターメイドの弓も一緒に購入したました。音色が複雑な響きでオールド弓のようであったのでとてもよく、少し柔らかい弓ですがしなやかさがあり音量も結構でますね。私の腕では運動性能はよくわからないところもあるのですが、スピカートも楽にできるし、スピカートした音色が丸いつぶつぶのような上品な音色できつくならないのがよいですかね。
 イペ材の弓と試奏前に言われていたらその偏見や先入観により選ばなかったかもしれませんが、フェルナンブコ弓の明るい音色、ストレートな感じの真逆でダークで深い音、遠くまで届きそうな音が気に入ったので購入しました。

さてイペ材は入門用の安い弓やバロック弓で使われているようですが、製作者の浦田さんがいうには、フランソワ・トルテは、フェルナンブコ弓以外にもいろいろなハード・ウッドを試していたそうで、現存するイペ材の弓もいいんじゃないかということで製作したとのことでした。コントバス弓を最初に製作したそうなのですが、これがなかなか抜けの良い音でありホールの奥からでもくっきり聴こえる音ということで評判になり、ヴィオラ弓としても製作してみたとのことでした。一般にイペ材は建築材料としてウッドデッキなんかで使われているようなんですが、そのような一般材ではなく弓用に厳選した硬い木材を使いフェルナンブコよりも加工が難しかったとのことでした。特に反りを入れるのが困難だったとのこと。

弓については40本〜50本くらい試奏してみたのですが、このイペ弓の音色はなかなか出せませんね。興味のある方はコスパもよいので1本持っていてもよろしいかもです。音色的にはアルシェの最高級トルテ・ソロ・タイプと似ていて遜色なしです。フェルナンブコ弓は明るい音色なんですが、このイペ弓はダークで複雑な音色なのでヴィオラ、チェロ、コントラバスに合うと思います。

上がバイオリン弓、下がヴィオラ弓。長さほぼ同じ。重さは70g。反りが深めに入っています。
滅多に手に入らない貴重な黒檀のフロッグとのこと。
弓の革巻きはダチョウの足の皮だそうで摩耗に強いとのこと。
弓先には人工象牙ではなくメタルチップを使用。英国ではよく使われるらしい


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