見出し画像

古典音楽の装飾音

今度のバイオリン二重奏練習会でジャック・オベールのソナタD-durを練習することになったのですが、この曲には装飾音がたくさん入っております。1738年に書かれており、バッハご存命時代の作品。ということは楽典に書かれているように弾くことは御法度。

古い時代の装飾音を演奏するには特別な書物が必要で、例えば以下を読んでおく必要があります。特に前打音は現代の弾き方とは違うので注意が必要です。

正しい楽譜の読み方 -バッハからシューベルトまで 〜ウィーン音楽大学インゴマー・ライナー教授の講義ノート

正しい楽譜の読み方

特に前打音については驚愕すべきことが書いてあり、これを知らずして従来の楽典通りに演奏するとクラシック演奏家として大恥をかくことになります。この書籍をもとにオベールのソナタの装飾音を書き出すと以下になりました。トリルやプラルトリラーの音符の数に関しては、演奏速度によって変わるのであくまで参考ですが、♩=72を想定しております。

オベールの装飾音

以上が正解ということではなく、楽器の種類によっても、演奏者の技量によっても弾き方が変わるものでもあるので演奏家はいろいろ考えながら演奏する必要があります。

さて、こちらはどのように解釈していいのかな。

スクリーンショット 2020-11-15 12.34.41

臨時記号は同じ小節内の同じ音の高さの音符に有効というルールがありこの場合は赤字の音符はCとなりますが、トリルにかかっている臨時記号はトリル内のみ有効と考えるとCisとなります。わかる人がいれば是非とも教えてほしいものです。ちなみに楽譜ソフトのSibeliusではCisと解釈しているようですが、これが間違っているとするとMIDI出力するときに注意しておく必要がありますね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?