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弦楽器大展示会 秋葉原(秋の収穫)

2023/10/14に開催された弦楽器大展示会 in 秋葉原UDX 2023に行ってきました。GWに開催されたときよりも今回はお客さんが少なかったけれども広報が不足していたのかな。私も先週たまたま秋葉原の島村弦楽器店にいったときに知りました。

 さて今回はいろいろなバイオリン職人さんに達に声をかけられて勉強になりました。特にヴィオリストの生野正樹さんがバイオリン職人の中林さんにお話したプロ・ヴィオリストのほしい楽器とは、このような楽器であるという話は、ネットに転がっているヴァイオリンやヴィオラの選び方とは、真逆の感じで驚きました。一流プロというのは音量とかはどうとでもコントロールできるので、音質のパレットの豊富さを求めておられるようですね。そのため弦どうしの共鳴が大切ということで、弱音でどう響くかという視点は、目から鱗という感じ。その弾き方、共鳴の感じ方もレクチャしてくれました。細かくは企業秘密でしょうからこれ以上はかかないでおきます。
 とりあえず中林さんが魂柱立てを入れてかなり微妙な調整を加えて、完全な理想という感じにはならなかったけれども結構いいせんで調整できたのかなあと思います。他、いろいろ調整する箇所があるようでより完璧になっていくでしょう。弦楽器は調整で驚くほど変わります。参考例としてやち陽子さんの動画をあげておきますね。

続いて、ようやくヴィオラの弓ができたということで鎌田さんに見せていただいたのがこれ。特にヘッドが斧のようになっている弓は弦への喰いつきがよくて気に入りました。このようなヘッドの弓は古い時代には作られており挑戦してみたくなったとのこと。

ヴィオラ弓 新作2本
価格はハンドメイドにしてはかなり安い。そのうち上がってくるのでしょうけどね

コントバス用の弓も製作されておられました。ベートーヴェンに多大な影響を与えたドメニコ・ドラゴネッティの弓だそうです。

弾くとなかなか面白い効果があるとのこと

他、気づいたこと
展示会でのコンサートでLisako(大島理紗子)さんが演奏されていたのですが、失礼ながらポピュラー系の人とは思えないクラシック系の基礎がしっかりした弾き方をされていたので感心。特に左手が無駄がなくて綺麗。クレーメルさんのよう。只者ではないと思って調べてみたけども、東京芸大出身で師匠が清水高師先生。ハイフェッツの直系。ということはあの地獄のスケール練習を叩き込まれているのですね。速いパッセージでも音程が全く崩れないのがすごいですね。動画も見させていただいたけれども今の方がうまい。日頃から基礎練をやっておられるのでしょうね。
 欲をいえば、これだけの強力な技術力があるのだから、アンネ・ゾフィ・ムターのように「私が女王様よ」という貫禄のある弾き方をされるとよいと思うのですが、なんか演奏に日本人的な遠慮があり、その分スケールが小さくなっている気がしました。

おまけ
佐久間聡一先生の左手のレッスンは基礎中の基礎。でもプロの方でもできていない人が結構多く、そのため音程が悪く、ノイズの原因になっていますよね。他の動画でこれと真逆のことを教えようとしている方もいるので何だかなという感じ。S級バイオリニストはすべてこの形です。

↑ 特に6分以降の話が超重要。

佐久間先生はクロイツェルの1番を使っているけど、この目的には9番がいいよね。

地獄練習

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